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魔法銃



「ヴィッセンからエルマン王国への道は魔物が多いです。気をつけていきましょう。」


 光輝はカール様から紹介されたカミル、ウド、デボラの三人と共にエルマン王国へと向かっていた。

「それにしてもエルマン王国か……気が重いなぁ……」


 (カミルは近距離は剣、遠距離では魔法を器用に使い分ける。三人の中ではリーダーシップがあるが、ネガティブな一面もある。) 


「まぁカール様の頼みならしょうがないっすよ!」


 (ウドの長所は高い身長と強靭な肉体。戦闘では防御魔法をよく使い、自身や仲間を魔物の攻撃から守っている。)


「ちょっと!二人とも集中してよね!いつ魔物が襲ってくるかわかんないんだから。」


 (デボラは典型的な魔法使い。一撃の威力は三人の中で一番らしいが魔物に接近されると慌ててしまい魔法を中断してしまうことがあるらしい。これがヴィッセンを出る時に聞いた三人の情報。三人との連携を考えると俺の役割は……)


 ヴィッセンを出てから一時間が経った頃、一匹のゴブリンが草むらから飛び出しカミルの腕に攻撃した。

「……ッ!クソ!」


 カミルはすぐに着地したゴブリンに斬りかかり、ゴブリンの喉を切り裂いた。

「他にもいるはずだ!気をつけろ!」


 ゴブリンは大抵の場合、四~五匹の群れで行動する。だがヴィッセンとエルマン王国は魔物との激しい戦いを日夜繰り広げている。その影響もあり二つの国の周辺には戦場から逃げ延びた魔物が多く生息している。


 「これは……流石に多すぎるんじゃないかな……」


 気づけば十数匹のゴブリンが光輝たちを取り囲むように包囲しており、不敵な笑みを浮かべていた。

「光輝さん、俺たちが道を作ります……光輝さんはその隙に。」


「いえ……俺も戦います。」


 (魔法銃の実践テストだ)


 光輝は風のスクロールを口に咥え、ベルトから魔法銃を一丁抜いた。

「光輝様には魔力がないと聞いていたので戦えないとばかり……協力感謝します!」

 

 ゴブリンたちは仲間が殺されているのを見て迂闊に近づくことをしなかった。そんなゴブリンを光輝の魔法銃が襲った。

 (よし!動かない的になる問題なく当たる。)


 光輝の魔法銃が三匹のゴブリンの頭を撃ち抜いた。ゴブリンたちは遠距離の攻撃があると気づくやいなや、四人に向かい襲いかかってきた。

「俺たちも負けてられないな!」


 カミルが折れた腕をかばいながら前へでてゴブリン数匹を一瞬で殺し、デボラがゴブリンを殺すのには充分な威力の魔法で援護、ウドがカミルとデボラの視覚の外からくる攻撃から防御魔法で二人を守っていた。一方光輝は……。


 (クソ!当たらない……)


 素早く動くゴブリンに弾丸を当てるのに苦労していた。十発撃って急所に命中したのは二発。一匹のゴブリンがくぐり抜け光輝の前までたどり着いた。

「グギギ!」


 (落ち着け……ゴブリンとは何度もダンジョンで戦ったんだ……攻撃の瞬間を狙えば)


 ゴブリンは魔物の中でも体が小さい。体の小さいゴブリンたちでは棍棒を普通に振ったところで大したダメージを人間に与えることはできない。そんなゴブリンたちが考え編み出した攻撃方法が。

「ほほだ!(ここだ!)」

 

 飛びかかりからの全体重を乗せた一撃。光輝は飛びかかるタイミングを狙ってゴブリンの体に弾丸を叩き込んだ。ゴブリンはその場に崩れ落ち、数秒もがいた末息絶えた。


 (残りの弾丸は二十発……節約しないと……)


 光輝の持つ魔法銃は弾丸と魔力を放つ。弾丸がない場合、魔力だけが放たれるが、魔法と同じで致命傷にはなりずらい。


 「オォォォォォ!!」


 ゴブリンを倒し終え息を整えていると激しい遠吠えと共に二匹の巨大な魔物が現れた。

「どうしてここにオークが……!」


 

  

 

 

 


 

 

  

 

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