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005 桜花、小学校へ入学する(入学式)

「じゃあの、桜花。ここでのスローライフを楽しんで、心を育み、立派な混沌神になるのじゃぞ」

「おう!そしてテメーをぶち殺す!」


これから地球で起こるであろう騒動がスローライフ・・・まあ、桜花は神々と戦ってたらしいから、ある意味スローライフになるのか?

最高神は立ち去り際、俺に「頭を撫でるのじゃ」と命令して・・断る権利無し・・満足気に帰っていた。それに反して桜花のご機嫌は最悪だったがな。

まあ・・・その後も最高神からは、月単位でお呼ばれされて、都度頭を撫でさせられるんだが。

その関係で、アーレルの婚約者、聖女メラリーナとも顔見知りになる。


桜花の家族関係は

 湊川由紀夫・・・「じじい」

 湊川かえで・・・「お祖母様」

 神託の聖女メラリーナ・・・「母ちゃん」

 神聖騎士団長アーレル・・・「親父」

 最高神・・・師匠?憧れ?

こんな感じになっている。

桜花を観察していると、決して最高神を嫌っていない。むしろ憧れているようだ。絶対本人には言えないがな。

最高神もそれが分かるから、桜花にちょっかいを掛けているのだろうか?

神の思考は不明だが、最高神には元日本人疑惑が有るので、可能性はありそうだ。


さて、ちょうどいい時期だったので桜花を一般常識習得のために小学校に通わせることになっている。

そして明日は入学式だ。ランドセルなどの準備は国の方で万全に整えられている。

「常識外の装備をされたら困りますから」だってさ。

俺も子供いないし、アーレルは異世界人だから、正直助かっているがな。

アーレルについては、江神区の区職員として働いている。主に一般常識習得とアーレルの世界の情報開示だ。

彼の世界では魔法というものが使えるらしく、彼自身は聖魔法が得意なのだそうだ。だが、どうやらここでは使えないらしい。

「この世界では無理のようだ。魔法の源であるマナも感じない。おそらくは神が違うからではないだろうか?」との事だ。

うむ、地球の神とはどなたなのだろうか?疑問に思うが知らぬが仏だな。


「ああ、◯◯◯◯◯◯◯◯だってよ。慈愛系の神だから戦闘はご遠慮します!って言われた」

桜花!どうしてお前は!聞きたくもない話をするんだか・・二人には神の名を口止めをしておいた。

宗教戦争には関わりたくはないからな。だが・・くくく、嫌がらせで国には報告してやったがな!あいつら真偽が分からず阿鼻叫喚らしい。

なお、地球の神界では、桜花が「元、神殺し」というのは周知されているようだが、最高神の指示で見守る体制になっているらしい。

桜花に、どこでそんな会話をしているのか?と聞いたら、夢に出てくるらしい。脳筋な下級神が煽ってくるが我慢しているとの事だ。


「夢の世界とはいえ、あんなのが暴れたら二人だけでなく、この周辺の人が死ぬからな。家族は守るぞ」

ついつい嬉しくて、アーレルと二人で桜花の頭をなで回したら「うざい!」と叩かれた。子供・・って、可愛いな。アーレルと共に父性の育成は順調だ。

「やはり、40過ぎの私が10歳の女の子と婚約するなんて・・犯罪ですよね」

おおぅ、幼女聖女との求婚の話か!だが、あの娘は絶対魔王枠だ。お前が拒否したら・・世界のために喜んで受け入れろ。さあ、俺の秘蔵のウイスキーでも飲もうぜ!


翌日・・入学式に向かう2mの筋肉ダルマなアーレルの肩に乗る桜花、まさに美少女と野獣。二人は注目の的だった。

これは国から「巨体のアーレルさんだけだと不審者になりそうなので、桜花さんと一緒に!」との指示でこうなった。ある意味「危険人物ではありません」って近所へのお披露目だ。

周囲の男の子には「お前の父さんすごいな!」とか言われて、桜花はご満悦だ。家族が褒められるのは嬉しいらしい。本当に可愛いな。

しかし、一つの不安がある・・今日の桜花の服装が可愛らしい黄色のワンピースなのだ。

もちろん世界で一番可愛らしいのだが・・体力お化けの桜花が大人しくしてくれるのか?パンチラが心配だ。

世のクズ共に見せる訳にはいかないし、ましてや動画など撮られた日には・・桜花に注意をしておくか。

「桜花、女の子がスカートの中のパンツを周囲に見せることは駄目だ」

「ならばなんでこんな無防備な・・そうか!女子の修行か。幼少期から立派なものだな。ならばじじいと親父の期待に応えよう」

桜花ちゃん!?なんか全く違うけど・・まあいいか。だが、もっと詳細に説明しなかった事を後で後悔することになる。


この小学校の入学式には在校生もすべて参加する。入学式って新入生と親だけじゃなかったか?昔のように人数が多くないからだろうか?

在校生の挨拶も終わり・・はぁ!?入学生代表の挨拶?小学生で?・・嫌〜な予感がする。

「入学生代表、三枝桜花さん、よろしくお願いします」

「ほう?教師共中々やるな。私の強さを理解している」桜花ちゃん、違うから!

あっ!これって神報告の意趣返しか!?何も聞いていないはずの桜花、大丈夫か!?と心配したけど「おう!」と動揺はなさそうだ・・そこは「はい!」ね。

だん!と最前列の椅子から飛び上がり、くるくる前転をしながらそのまま壇上にふわりと舞い降りる天使!桜花。思わずアーレルと二人で拍手してしまった。


「今日からこの学校?に入学することになった三枝桜花だ!」マイク使わないのね。

爛々と赤く目を輝かせる金髪幼女のまばゆい姿に、小学生の男女だけではなく父母も見惚れている。そうだろそうだろ!うちの娘は(本当の意味でも)天使だからな!アーレルと二人で鼻高々だ。

だが、その高々な鼻は、別の意味ですぐにへし折られた。


「今日からはここの支配者は私だ!明日から直属の部下の選別を始める。決定に文句の有るやつは掛かってこい!」


この言葉に、数名のやんちゃな6年生が「生意気な女だな!勝負しろ!」と始まり、それに答えて壇上から前転して飛び降りる桜花。

入学式は大混乱となるが、桜花のスピードにかなうもの無し。やんちゃな6年生すべての額には桜花により「下僕」と記された。ちなみに縦横無尽に動いた桜花のスカートは粘着したように桜花から離れなかった。

当然ながら、入学式後にすぐさま校長と新担任に呼び出される桜花と俺とアーレル。


「ここが新しい縄張りだ。私に下れば弱者はすべて守る」という桜花に対し

「事前に聞いておりましたが、予想以上に元気なお子さんで。ですが、今日の行動を見て理知的な子だと安心もしました。ただ、その・・活発なので、スカートは辞めたほうが・・」

校長先生にもっともな指摘をされたが「これはじじいからの修行だ!辞めないぞ!」桜花ちゃん!?何を言っているの!

アーレルと校長と新担任からは「おまえ、何言ったんだ?」って目で見られた。

だって、仕方が無いじゃないか!あのままならパンツ丸出しで大暴れだったんだぞ!事前に対応した俺を褒めてほしいくらいだ!事情を説明すると分かってもらえた。


おいおいおい!子供が小学校へ入学するだけでこんなに疲れるのかよ!?じじい別の意味で死にそうだよ。



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