003 桜花の母?最高神の訪問を受ける
アーレルもその日に、薄っすらとチャクラを開通した。
「親父は氣を体に慣らす為に、1つ目はゆっくりと開通したほうが良い」
ということで、桜花の強制開通は行わず、その日はそのまま就寝した。
初日はそれぞれの部屋で寝ていたのだが、翌日から桜花の要望で道場で川の字になって一緒に寝ている。
戦闘以外では素直で優しく非常に可愛いのだ、桜花は。
その可愛さに僅か1週間で俺とアーレルは陥落、今ではすっかり父親感覚になっている。
そんな感じで伸びた寿命を桜花達と共に歩むのも悪くないとも思っている・・将来の桜花の婿の査定も大事だしな!父親として。
あん?幼女から育てる光源氏だと!?馬鹿言うな!俺は妻一筋だ!
アーレルもそんなやつじゃないし、何より10歳聖女の執着がこえーらしいよ!
就寝していると・・いつの間にか果ての見えない大草原に佇んでいた。夢にしては草の匂いも風の心地よさも感じる。
だが、周囲には明らかに高位の存在と思われる男女が、無造作にゴロゴロ転がっているんだが・・何故か指摘してはいけない気がする。
「ああ、あいつらは私が殺した神々だよ」
ひょっこりと現れたのは桜花だった。おい桜花!?なんで俺の夢に?
「神とは不死だから、無様に再生して最高神にぶちのめされたんじゃね?あいつは殺さない程度に最大限の罰を与えるのうめーからな」
そんな話聞きたかねーよ!しかも、あそこの雷神の男神様・・昔見た絵画に・・もしかして?
「ゼウスを知ってるの?そうか、あいつ地球からの成り上がりだっけ?」
まさかの本物!?いやいや、そんな事よりなんでみんなが俺の夢にいるのか聞かないと。
「で、なんで桜花とアーレルが俺の夢にいる・・ん?アーレル?その子供は誰だ?」
「夢?いやここは最高神界だぞ。あいつが魂ごと呼び出したんだろう。で、子供って母ちゃんのことか?」
「母ちゃん?」桜花が意味不明な事を言っている。そもそも最高神界ってなんだよ!訳わからん!
「我が世界の聖女様です」あ、こっちも気になってたけど「それってアーレル!お前の婚約者か!」
アーレルの聖女様って言葉にゴゴゴゴって音のしそうな殺気を放っていたが、俺の婚約者というワードに満足したようで、殺気は霧散して銀髪の幼女聖女様はきれいにお辞儀をした。
「アーレルの妻であり桜花ちゃんの母でもありますメラリーナと申します」
桜花の母!?ますます訳が分からん!これ以上の情報はいらんぞ!
「でも母ちゃんさ、親父こっちの世界の巨乳?に声を掛けられて頬染めてたぜ。それって浮気じゃね?」
あのエンバの救世主って、クソな宗教団体が来たときか!?やば!?やめろ桜花!これ以上問題ごとを増やすな〜!!!
「・・・アーレル?もう浮気ですか?」
え?この娘聖女なんでしょ?なんだか暗黒な気配が周囲に濃厚なんですけど!
しかも・・ひー!なんだこの殺気は!?おい桜花!?俺の後ろに隠れるな!神殺しなんだろ?・・は!?アーレルは無事か!?
「胸元丸出しの異世界のどぎつい衣装にいきなり遭遇して赤面しました!申し訳ありません!」
あ・・あれは!?俺が教えたド・ゲ・ザ!
妻が怒れる時に使う最終奥義と教えたが・・もう習得したか、我が弟子よ!俺も妻に30回は発動したな。
「・・・そうなのですか?桜花?」
「お・・おう!それは間違いないぞ!その後じじいが巨乳?達を追い払ったからな!・・でも、心を奪われたら浮気って言っただろ?」
「!?・・そうですね!そうですね!一瞬でも心を奪われた時点で・・浮気です。さあ、懺悔しないさいアーレル!」
魔王の右腕のような巨大で昏き腕が現れたと思ったら、アーレルを吹き飛ばしていた・・あの聖女が異世界の魔王なんじゃないの?
「君達自由人だね〜?最高神を前にしても」
「あ?お前はいつか倒す!」
「あら?愛する旦那様への処分以上の出来事などありませんわ」
くー、こいつら最高神を前にして、なんで通常運転なんだ?・・って、実は俺もそんなに緊張はしてない。
なぜなら・・・桜花と全く同じ姿。金髪で真紅の瞳の身長1m程の幼女だからだ。
ああ・・可愛い我が子。混乱した頭で、ついつい頭をなでてしまった・・最高神の頭を。
「・・・お主は何をしているのだ?」
「・・・は!?間違えた!」
「てめー!くそじじー!」何故か桜花に蹴り飛ばされた。
「わっちが桜花の母であり最高神である!」
・・・それより・・・治療を・・・頼みます・・・ガク