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000 プロローグ

最高神の威光の元、すべての世界は最低限の平穏を保っている。


それぞれの世界が崩壊しない最低限の平穏を維持、あとはそれぞれの世界の努力でより良き平穏を保たねばならない。それが最高神の方針だ。

それでも、すべての世界にそれを適用させるには、膨大で計り知れない力なのだ。そして、その凄まじき光の余波から・・何かが生まれた。

何かは、最高神界に暴威をもたらし、ついには最高神と対峙することになるが・・瞬殺だった。

大地に倒れ伏す何かに最高神が声を掛ける。


「私の娘は元気で可愛いわね〜」

「なんだと!?私がお前の娘だと!」

「私の力溜まりから生まれたんだから当然!ママって呼んでね。でも、まだ心が未熟だわ。うーん、そうね。あの掃き溜め・・地球に飛ばしちゃいましょう!」

「ママ?・・地球?・・一体何を?」

「えい!」

言葉は可愛らしいが、実際には金属バットのフルスイングで吹き飛ばされた。

「良い巡り合いに出会えることを願っているわ〜!あ、そうだわ!名前は・・『桜花おうか』よ!可愛いでしょ?」

はたして・・・何か、いや桜花に聞こえているのだろうか?・・・そもそも生きているのだろうか?


「さあ・・私の娘とは言え、敗北して無様な姿をさらした神々には・・きっつい修行を行いましょうか!」


<とある世界のお話>


教会の大聖堂、教皇の席に着席する老齢の男性が、眼の前の騎士に声を掛ける。

「神聖騎士団長アーレル・・本当に良いのだな?」

「はい!教皇様。勇者の探索または英雄の捜索。そして我が世界への移籍を・・必ずや!」

身長は2mはあろう巌とも思える屈強な男性が、その身を屈ませて教皇に答えを返す。

彼はこれから強者の捜索の旅に、異世界へと派遣されるのだ。10年後に帰還することが出来るが、未知へと旅立つのだ。本当に帰還出来るかは分からない。

何故、そんな危険な事をしなければならないのか?それは世界に危機が迫っている。

それをメルビン神聖教会の聖女が予言したからだ。


「今から1年後に大破局の予兆が訪れる、それは一つの国の滅亡。それより10年の後に魔物の王による大破局が訪れる。さあ強者を探せ!世界を守るために!」


そして先週、魔物の大群が現れてローレラス大陸北端に有るユージェニス王国に戦乱が訪れている。

大破局のカウントダウンである砂時計が動き出したのだ。

「見つけられなければ、それはそれで構わない・・最悪、すべて滅びるのだ。向こうで幸せに余生を過ごせば良い」

「何をおっしゃるのですか!?その時はこの身一つでも帰還いたします。そして御身とともに!」

「・・・うむ・・・頼んだぞ」

アーレルは立ち上がり、教皇の脇に座する少女に声を掛ける。

「聖女メラリーナ様、では、扉の開放をお願いします」

「その前に・・アーレル!私のお嫁さんになるって約束して下さい!」

「・・・へ?聖女様一体何を!?」

突然の聖女様の求婚に驚き慌てる・・年齢が違いすぎる!そもそもお婿さんでは?


「いえいえいえ!私はもう41歳ですよ!?聖女様はまだ10歳なのですが・・あの・・その・・ロリコン罪で・・」

「いいですね!・・・でないと扉は開きません!」

助けを求めて教皇様を見るが「10年後なら問題ないだろう」とふざけたことを言い出した。

その時は俺は51歳だぞ!もう起たんわ!心の中で悪態を付く。

「ほほほ、70歳までは大丈夫じゃぞ。ワシは今でも現役じゃし!」心を読むな!死ねじじい!


ここに味方はいないようなので・・・

「あー!もう、分かりました!その時はお嫁に迎えます!」

「何を言っておる?その時アーレルは10年間流浪したニートでしょ!だから私がお婿で、アーレルを嫁にするのですー!」

ははは・・・もう何でも良いです。彼女も10年も経てば忘れるだろう。


聖女の力で開いた、通称『希望の扉』を、肩の力が抜けきった状態でくぐり抜けることが出来た。

ここはもう異世界。そこには大河が流れていた。現在は夜のようで暗いが所々に照明が輝いているので視界は良い。

「ここは、川か・・・しかし、この堤防は物凄いな。ここは大国が治める地なのだろう」

大河からの水害を守る巨大な堤防に関心していると・・飛来した何かと衝突!気を失ったのだ。



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