078 魔界に行こう
短いですが投稿します。
四方は今までの出来事を全て知っていた。どれほどの苦痛があったのか知るよしもなっかったが遥香の思いはきちんと四方に届いていたのだ。
「だから、あたしはお姉ちゃんを助けに行きたい」
四方は良い子だ。
思わず頭を撫でた。
「このロリコン」
睡蓮が離れたところから侮蔑のこもったひどい事を言ってくる。そんなモノには負けない。ワタルは今後どうすべきか考える。このまま全員で魔界に行くことは仕方がないとして、魔界に行ってどうすれば良いのか分からない。ヤドリギもあまり魔界の事を覚えていないから当てにならない。
誰かから情報を入手しないといけない。
ワタルは肩を誰かに叩かれた。見るとサラだった。ムスッとしている
「いい加減、離れろ」
腕の中にいた四方を奪われる。ワタルは考え事をしている最中ずっと四方を抱き締めていたらしい。気づかなかった。
「お兄ちゃんにだったらいつまでもそうしていてよかったのに。ブー」
四方がサラにそう文句をいって、サラがたじろいでいる。いままでにいなかったタイプだ。ワタルの周りの花蓮、睡蓮、木広、サラそして四方の姉の遥香に比べてとても女の子らしいくて保護欲をかき立てられる。
「やっぱり、ロリだったの。手言うことはわたくしのこともそんな目で見ているかもしれないの。気持が悪いの」
「睡蓮、おれのこと泣かせたいのか」
ワタルはその場に崩れそうになる。
「泣かせるよりも、死んでほしいの。生まれ変わって普通の人になってなの」
「キミとはもう口をききたくない」
ワタルはその場で泣き崩れた。
結局、使い魔のタマに事情を聞くことにした。木広と一緒にホテルに泊まっているはずだったがタマしかいなかった。木広は会社のごたごたを何とかする為にとても忙しいらしい。それに焼失した家の事もいろいろ手続きしないといけないようだ。
ワタルはタマに話しをきいた。
基本的には魔界も人間界と変わるところはあまりないとの事だ。ただし、全てに魔力があるため魔力を感じれないワタルが魔界にいくと息が吸えなかったり、食べたものかあ栄養を摂取できないから、なんらかの対策は必要らしい。
遥香がどこにいるかは、魔力が空気中に充満してるから、捜そうとすれば直ぐに捜す事がでにこうだった。ただしあまりのんびりしていると、人間である遥香は魔族化する危険があり、そなるともう人間界に戻ってくれなくなるから助けるなら早くしたほうが良いと言う事だった。
「ありがとう」
僅かな時間だったがかなり貴重な事が聞けた。これをふまえて作戦を考える。
とりあえず、睡蓮とサラはワタルの生命維持を優先してもらう事にして四方に遥香の気配を探ってもらう事にする。遥香と会ってから説得したり、無理矢理連れ戻すのはワタルの役割だ。
「ではいこう」
ワタルたちは三鷹台の旧採掘場を再び訪れた。すでにゲートは元の戻っているが閉じた直後なので、魔力を流せば魔界まで繋げることはできそうだった。その役目は花蓮がする事になった。
「いくわよ」
花蓮が魔力を放出すると、ゲートが光り出す。
「行ってくる」
そう言ってワタル達はゲートを潜った。