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ソル・スヌーニグル  作者: Momoカントリー
1章
3/12

shopping

窓から入る日差しによって目が覚める。

少し足の先が冷たいと感じる、朝になったのだろう。

一晩たって目が覚めたら記憶が戻っている…ということもなく今日も1日が始まる。

ただ自分の中で少し記憶の整理をする。記憶を思い出す鍵となるものは"星雲暦"だ。

そんなことを考えてドアを開け広間へと行く。

「おはようソル!」

「ああ、おはようキル」

眠い目をこすりながら聞こえてきた声に対して返事をする。

どうやらキッチンにはキルが立っているらしい。朝食はキルが用意してくれるようだ。

「おはようございますソル殿」

「おはよう、副団長」

副団長はコーヒーを片手に朝食を待っているらしい。

しかしこの男はコーヒーが似合うな。そんなことを考えていると、

「おはようッ!みんなッ!」

「ああおはようカラン」

先ほどまでトレーニングをしていたのだろうか、汗だくのカランが玄関から出てくる。

「おはようございますカラン殿、朝から鍛練とは精がでますね」

「ああッ!これが俺の日課だからなッ!」

「ハイハイ机の上は片付けてーご飯ですよー」

どうやら美味しそうな朝食が完成したようだ。

――――――――――――――――――――――――――――

キルは見た目がいいのに料理もできるのか。

朝食を済ませ約束通りキルとの買い物の準備をしていた。

「ソルが行きたいって言うから財布係として着いていくからね、その分今後働いて貰うからいい?」

まあ頑張るか、とか考えておごってくれることに感謝しつつ、話を聞き流しているとキルが様々な場所を案内してくれた。

「ここが商業区だよ、だいたいここに来れば何でもそろうわ」

野菜に肉、食品以外にも雑貨やよくわからないものまで並んでいる。かなりいろいろあるな。

ひとまず取り急ぎ必要になってくるものは服くらいだ。

だから自分の服だけ買って終わりなのか、と思っていたらどうやらそんなことはないらしい。

キルは俺を連れて商業区の奥の方へと進んでいく。

しかしここはかなり複雑だな?

一応騎士団の場所は記憶が正しければ城壁の近く、だから最悪城壁に沿って歩けば着くか。

「そしてここが今日買い物をするお店よ!」

キルの目線の先にはかなり大きな商業施設があった。

専門店ではなく、複数の店が一緒になった複合型のショッピングモールというものらしい。

店内に入ると俺は圧倒された。同じ衣服の店があっても様式はまるで違う。

服のお店だけでも複数存在する。そして俺が知らないだけでこれほど服だけで種類があるのか?

「さあまずは服を見に行きましょ!」

そういわれると手を引かれそのまま商業施設の奥へと進んで行った。

―――――――――――――――――――――――――――

しばらくキルの着せ替え人形としての役割をこなしたところで、俺の気に入った服を数着買ってもらった。

そんなこんなで一段落したらお腹がすいてしまった。お腹がなったことをキルに聞かれると、

「お腹空いたなら何かしら食べにいこう!」

なんて誘って貰った。

「飲食店すらもあるのか?」

俺はこのショッピングモールなんて言うものは知らない。

ただ衣服だけでもかなりの種類の店があっただけでも驚いているのに…

「もちろん!さあ私のおすすめの店までいくよ!」

と言ってまたキルに着いていくことにした。

しかしさっきから少し気になっていたことをキルに聞いた。

「なぁキル、なぜだか俺らを見ている人が多くないか?」

声にすると余計に周りの喧騒が耳に入る。

先ほどはあのピチピチな服だったから視線が集まっているのだ、と考えていた。

がどうやらそうでもないらしい。今の俺はキルのセンスある服に包まれているからな。

「それは…騎士団が結構人気だからかな?」

「そうだったのか?そんなようには思えなくてな、

騎士団の施設はあまり豪華なものではないし、

団員だってそこまでいなくなかったか?」

騎士団が人気だというのは美形が二人いるからか?

確かにキルやカイースは人気があっても理解はできなくはないが…

「そもそも騎士団そのものは最近出来たばっかりなんだ、

団員が少ないのは私が直接認めた人しかいれてないし、

元々の職場でも私はかなり人気だったんだからね!」

一応本当なのだろう。となればあのカランはキルに認められてるのか?

少し意外だとか思っていたりしていると、目的の場所についたようだ。

「ソルは何が食べたいのかな?」

辺りを見回すと一つ気になるものを見つけた。

紐のように細く長い食べ物が汁に漬かっている。

「あれはなんだ?」

「拉麺?気になるのかな?じゃあそれにしよう!」

拉麺というらしい。今はこんな食べ物があるのか。

キルにおすすめの物を選んで貰い完成するまでしばらく待つことにした。

――――――――――――――――――――――――――――

「おいしかった?」

「ああ、少し食べずらさを感じたがとてもおいしかった」

先ほど食べた拉麺とやらの感想を話しつつ、俺らは帰路についていた。

気づけば辺りは夕暮れでそろそろ帰らないと行けないと感じさせてくる。

人通りは昼間とは代わりそこまでの人数がいない。

「あれはなんだ?」

「あれ?光水晶のこと?ただの明かりだよ、

君は子供のようにいろいろ聞いて来るね」

興味を示しすべての物事にたいして理解しようとする姿は確かに子供のようだった。

俺は子供じゃない、と口にしようとしたとき、後ろの細い道が気になった。

俺は歩みを止め、その先を見る。そこには何気ない路地裏があるだけ。

ただ俺は黒い服を纏った人を目にした気がした。

しかもただならない雰囲気を路地裏から感じる。

「どうしたんだいソル君?」

少し笑いつつ俺の事を変な呼び方をしたキルの手を引き、

俺は道の先つまり気になるものを確認しに行った。

「ちょっとなにしてッ」

「一回黙れ」

俺はキルの口を抑え、少しきつめの言葉をかける。

あまりにも先ほどと様子がおかしいと感じたのかキルは何も言うことなく俺の視線の先を見つめた。

そこには普通の女性とさっき見た黒い布をまとった人がいた。

なにやら会話をしているらしい。しばらく見ていると女性が黒い霧のようなもので包まれ姿を消した。

先ほどまではそこにはいたはずなのに…刹那こちらの方へと黒い布をまとった人は視線を移した。

「人の気配がしたんだけど……」

男は手に収まるほどのナイフを取り出し、気配の元へと向かう。

一歩二歩と確実に気配の元へと向かう。

そして一瞬にして距離をつめ、細い路地まで出る。

ただ左右を確認するが誰もいない。

「気のせいか、あるいは……」

――――――――――――――――――――――――――――

「ねえあいつを知っているの?」

「いや知らない…というよりキルは元気だな…

ここまでの距離は相当離れているが…」

あの後俺とキルはあの黒いやつから逃げるため、上に逃げた。

"視界の範囲で瞬間移動"できるレイデンをキルは使ったらしい。

抑えていた手を離さなかったおかげで、俺も移動することが出来た。

「すまんお前のレイデンで動けるのは知らなかったが、上手くいって良かった…」

俺は少し息が上がっているがキルは全然平気なようだ。かなりキルは鍛えているのだろう。

「あれが…連続行方不明事件の…犯人でいいのか?」

「一回息を整えてソル、ただ十中八九そうだろうね」

行方不明事件の手口、それはそもそもの人を消すという単純なもの、

かつ証拠として残りにくいものであった。

そして黒いやつもかなりの手練れだ。俺らの気配を感じ取っていたからな。

武器をもっていない俺らにとってできることはない、そして消えた人がどこに行ったのか分からない以上俺らは逃げること以外選択肢はなかった。

「…ありがとう、だがキルもよく気がついたな」

俺は感謝の言葉を伝えると、キルが話す。

「そんなことないわ、最初ソルがあんなことしなきゃ気づかなかったわ」

そして何かを考えてキルは話をする。

「ところで今日はどうして外出を誘ったの?」

「?それはお前がカイースに伝言で"俺の服とかを買ってくれる"って」

「そっか、どうやらカイースに話をする必要がありそうね...」

そういってキルは少し怒りを露にして騎士団まで入っていった。

ただあの時の顔はどこか寂しそうであった。

――――――――――――――――――――――――――――

「いや我輩の予想が当たってしまいましたね...」

我輩は2人より先にこの駐屯地まで帰ってきていた。

「しかし我輩の方も覚悟を決める必要がありそうですね...」

我輩はあの時から心の中で縛っていたものを解放しなければならないと覚悟を決めた。

キル...結構いいとこの女の子。(ホロウ家、今後出てきます!)歳は22でロングウルフカットの金髪青眼の美形。背は167cmくらいかな?完全私の趣味になっている気が...

作者資料より

♢この小説、実は私が身内で回していたやつをそのまま流しているやつなんですよね...だから10話まではストックがあるので1日で投稿できたんですね。(3日投稿とは?)ということで2話でした。ここまで読んでくれた君は最高の読者だぜ!

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