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ソル・スヌーニグル  作者: Momoカントリー
1章
2/12

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ある一室に俺はいた。そして対面には所々鎧を模した制服に身を包む若い女性が座っていた。

たいして俺の状況は先ほどの初老の男から貰った布切れ一枚だ。

俺は裸であろうと相手が男であれば気にしないが、女性であるのなら気にする。

外から入る夕焼けの光を受けているのだろうか、それとも羞恥心からだろうか。

俺も彼女も顔を紅潮させる。

「あのー、そろそろ自分の事について話して貰えない?」

彼女から沈黙を打ち破る。

なぜこのようになったのか遡ること数時間……

――――――――――――――――――――――――――――

「ここまでの案内助かった」

「いいってことよ、ただお前さんはこれからどうするんだ?」

その様に初老の男は話しかける。

先ほどまでの薄暗く狭い洞窟とは対象的な、広く夕焼けが一望できる場所に俺は出た。

「すまないが俺の記憶が正しければ生まれた時代も場所も異なる、

それに生憎俺自身のことに関する記憶も曖昧で自分の名前や目的すらわからん」

自身の覚えていることは"星雲暦"という暦のみ。

おそらくその年に何かしら起きたのだろうがよく分からない。

「……そうか、とりあえず国まで行くか」

何も思い出せることができず、目的すら無いまま初老の男についていくことにした。

ただ三人について行くだけ、会話なんて無い中、

「そういえばお兄さん名前は名前が思い出せないんですよね?名前ないと困りません?」

沈黙に堪え兼ねたのだろう。男が申し訳無さそうに言った。

「確かにな……」

俺は納得する。今後どこに行っても名前がないと困ることは多いだろう。

とりあえず人と関わるのであれば、名前は必須事項であるだろう。

「夕焼け……それなら"ソル"なんてどうです?」

「いいんじゃないですか?」

「太陽の神の名を関する男かぁ、まぁお前さん強そうな見た目してるしいいんじゃないか?」

俺はその様にして身の丈に合わないような名前を考えて貰った。

しかし神の名前を自分の名前として貰うのか。

なんだか少し恥ずかしいような気がしなくもないが。

「ソルか、自分の名前を思いだすまではそう名乗るとしよう」

そんなことを話しながら、歩みを進め気づけば城門までついた。

いわゆる城下町と言うものなのだろう。

そんなことを考えていると、ギィッと音を立てて鎧のような服のような物をまとった男がでてきた。

「すみませんその半裸の男性は誰でしょうか?」

「あっ、あぁ洞窟で保護しました(やべ番兵さんのこと忘れてた…)」

何やら変なものを見た時のような目をしているんだが…

「すまないが我々の指示にしたがって貰ってもいいか?」

と言った。俺について話があるのだろう。

「?あぁいいだろう」

そういって俺は素直についていった。

そうして俺はそこまで距離はない位置にある、詰所のようなところにつれていかれた。

――――――――――――――――――――――――――――

そして現在、身元についてこの女性に詰められてる。

「すまないが本当に自分について記憶がない、あるのはあの三人組の男達から貰ったソルという名と、この布切れ一枚だ」

そういって俺は自身の下腹部を指差し潔白であると示す。

もしかしてこの格好のせいで、なんて考えていると女性が話始める。

「もう……わかったわとりあえずあなたは身元不明な上自分でもわからないと言った具合なのはわかったわ」

「なら…」

そういって解放することを求め用とした際、食いぎみに女性は言った。

「なら我がオルター騎士団に入団しない?」

?理解が追い付かない。俺を騎士団に?なんで?

「これは貴方にとってもメリットがあるのよ」

「具体的に教えて貰いたい」

「まず身元が保証できる、この国は取り締まる機関があるわ、

そしてその機関のもとで働いているのがこの騎士団よ」

確かに身元不明な俺がこの国で生きていくことは難しいだろう。

そのため、身元が確保できるのはいいことだ。

「それに今ならここの建物の部屋が空いているわ、住める場所が確保できるという意味ね」

ここまでの話を聞いて俺は疑問に感じた。

俺の見た目は半裸、かつ無職の少し体が丈夫そうな男だ。

しかしここまでの待遇を見ず知らずの野郎に提供者するかと言えば、しないだろう。

なぜならリスクが大きすぎる。

情報の流出、別組織の暗躍...想像であるのならさまざまなことが思いつく。

であれば、

「しかしそれ相応の働きをしないといけないのだな?」

「さすがね察しがいいところもあるじゃない」

どうやら面倒なことが起きそうな予感がするぞ。

「まるで俺の察しが悪いみたいないいようだな」

「……まぁ貴方の想像通りこちらとしても働いてほしい案件があるわ、

今このイーレス王国では不審な行方不明者が後を絶たないの」

これは厄介だ。

ここの地理すら把握できていない俺が、ベテラン達でも捕まえられない厄介者を確保できるのか?

しかしここでの選択肢で"ノー"といえるわけもなく、

「…まぁ業腹ではあるが引き受けるとしよう」

「ふふっ、じゃあよろしくねソル、私はキル、キルキヌス・ホロウよ」

「ああよろしくキル」

「それじゃあ私たちの仲間を紹介しようかしら」

そういって俺は解放されることはなくキルはついて来るように促す。

しかし...

「すまんキル、まず服をくれ」

「…」

キルは赤面しつつ部屋を勢いよく飛び出した。俺は待ってたほうがいいのか?

――――――――――――――――――――――――――――

しばらくして、服をもってきたキルと共に広間に出る。

そこにはキルを含め男女が5人がいた。

「それじゃあ改めて自己紹介を私はキル、このオルター騎士団の団長よ!」

改めて見るとキルは比較的美形。

かわいいより美しい金髪というイメージが勝る、が話し方から元気が有り余るほどあるタイプだと感じられる。これがギャップというやつか?

「俺はカランディス!カランと読んでくれよッ!」

バシバシッ「おっ、おう」

背中を叩かれつつ挨拶をされる。

この俺と同じくらいの背丈の赤髪がカランか。

これまた熱血タイプなやつだな。

こういうやつはそこまで嫌いじゃない。

何より気を遣うことがないからな、あとこいつの服と俺の服似てないか?

もしかしてこいつの服を来ているのか?

「俺はカイース、カイース・メイヤーここの参謀かな」

「よろしくカイース」

爽やかイケメンとはこいつのことか。

なんかむかつくし、女性をはべらせてそうなタイプ。それだけ。

「わっ、私はフォルナックスです、フォルとお呼びくださいぃ…」

「ああよろしくフォル」

この小さい女性は恥ずかしがりやさんなのだな。

そしてフォルはインテリのような、なんだか知的な雰囲気を感じる。

もじもじしながら自己紹介させるのってなんか変な気分になるな…

「私はフィクサス、副団長を勤めています、

フィクサスでも副団長でもジジイでも何と読んでもいいですよ、

あぁ後私の"レイデン"はありません」

「おう…よろしくお願いする副団長」

白髪の男はフィクサスというらしい。

愉快なジジイだな。あまりにもグイグイ来るから驚いてしまった。

ただ"レイデン"?聞いたことのない単語が出てきたので呆けてしまった。

わけもわからなそうにすると、カイースが反応する。

「もしかして"レイデン"をご存知ないかな?」

「ああここに来て分からないことだらけでな」

すると彼は笑みを浮かべながら、フォルの方へと向ける。

「そうだったのかい?ならフォルちゃんに話して貰おうかな?」

「えっ私ですか?むっ、無理です…」

さすがに傷つくかも、傷ついてもいいよな?

フォルちゃん、ソルさんは恐くないですよ。なんて副団長がいってたかもしれんが俺のメンタルはもうボロボロだ。

「団長命令です!教えてあげなさい!」

「はっ、はい…」

キルさんそこまでしなくてもいいよ…

そんな致命傷を食らった俺をおいて説明を始めた。

――――――――――――――――――――――――――――

どうやら"レイデン"とは端的にいえば異能に近いらしい。

少し高く飛べるだとか、通常の人より早いとかそんなちょっとすごいというものから、

氷を出したり岩を出したり、といった人間とは思えないものもあるらしい。

またレイデンは生まれた頃から存在し、知覚することが出きるとの事。

へぇー 俺にはないのかなんて思っていたら、団員のみんながどんなレイデンをもっているのかを教えてくれた。

フォルは"記憶力がよくなる"ものらしい。

見た目からわかるが博識者というイメージぴったりなレイデンだ。

キルはざっくりと言えば"視界の範囲で瞬間移動"、カイースは"動きを予測する"んだとか。

カランと副団長はないらしい。

一応レイデンがある人の方が多いらしく、二人の方が珍しいようだ。

しかしながら副団長はそんなものなくてもカイースには勝てるのだとか。

よく分からんジジイだな。

「まあこんな感じです…」

「なるほど理解した、ただ一ついいたいことがある」

「なんだッ?」

「……トイレいっていいか?」

俺の膀胱は結構前から限界を迎えていた。

「それなら僕が案内しようかな?」

「すまんカイース頼む…」

こうして俺はこのオルター騎士団に入団することになった。

――――――――――――――――――――――――――――

トイレから帰り、広間まで戻るとそこにはカイースしかいなかった。

「やあ用事は済んだかい?」

「ああ、今はとても気分がいい」

ニコニコとしている俺の方へとカイースは近寄る。

「さあ君の部屋まで案内するとしよう、ついてきて」

どうやら俺の部屋となる場所につれていってもらえるようだ。

床の軋む音が静かな夜を打ち消す中、目的地についたようだ。

「さあここが君の部屋だ、とりあえず寝具だけはおいてある、

団長から伝言で明日の朝君の服などを買いにいくってさ」

団長は気遣いが出きるらしいが、俺は一文無しなのを知っているだろうか?

まあすべておごって貰うとしようか。

「これでそのピチピチなシャツともお別れだね」

カイースは笑いながら言った。

これは俺の趣味ではないといいたいところだが、まあいわないでおこう。

俺は大人だから気にしないのだからな。

「ありがとう、では」

「うん、おやすみ~」

部屋に入り布団に潜る。これからの自分の事を考えながら眠りについた。

――――――――――――――――――――――――――――

「計画の方はどうだ?」

「まあ順調かな、目的のレイデンは見つかったよ」

「そうかなら明日回収するとしよう」

ソル⋯今作の主人公。実際の名前が今は分からない。結構ガタイはいい方で185cmくらいの高身長。賢いのか賢くないのか分からないことをよく考えているが、言い換えると頭の回転自体は早い。

♢今後は3日に1個更新出来ればいいななんて思います、シンプルに4000文字(記号もあるけど)書くのは辛い(´;ω;`)とりあえずこのままノルマ1話3000文字でこれからも頑張るぞ(ง •̀_•́)ง

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