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第6話 「プリズン・ブレイカー」

〜プリズン・ブレイカー〜

…人は、いや、知識を持つすべての生き物は

あらゆる物事に囚われる宿命にある。そう、

それはまさに牢獄に閉じ込められたように。


…プリズン・ブレイカーはそう言う囚われごと

に対し強気で、なおかつ反抗的に考えることで

屈強な鉄格子や心の曇りを破る肉体増強の魔法だ。


…とにかく使いやすくコスパの良い強壮魔法

だが使いすぎると、約束や決め事といった

わざわざ破らなくても良いものすら壊す可能性がある

「(あのバカズキは何を考えているんだ?

 この期に及んで反省しているわけでもない)」

野上の脳裏に疑問が浮かぶ

実際、あれから目立った騒ぎは起こしていない。

だからと言ってクラスの人間が(さげす)

様子は見られない。


昼休み。カズはクラス一の体力自慢に声を

かけてみることにした。


「…という訳。だから少し付き合ってくれね?」

(だり)いからパス。てか、あのさ

一つ聞きたいけどなんでわざわざお前が

首突っ込むんだ?」

「理由なんかどうだって良いだろ?

なあ、頼むよー」

「俺じゃなくても良い気がするんだけど…

まあええわ、乗ったるわ」

「おけ!じゃあ放課後校舎裏な」


そして昨日のようにメンツを呼んで

アームド・モダニズムで化身を召喚する。が…


「(ただ言うこと聞くだけじゃおもん無いな…

 そうだ、少しだけ力めば魔力とやらも…!)」

イタズラに微笑む和田勝(わだ まさる)

よからぬ事を考えているようだ。


魔石を陣に置いて全員で魔力を込める。

勝はわざと大量の魔力を込めていった。


「…?おい、勝!強すぎだ!」

「なんだよ、こうでもしないと

俺は集中できないんだよ!」

「だからって息荒立てる必要はねえだろ!

おい、中断だ!カズ、ダイ!離すぞ!」


しかし時すでに遅し。

昨日よりも図体も見た目年齢も強く大きな

化身が召喚されてしまった。


「面白ェ、やってやるわ。

と言うかお前が俺らの言うこと聞くわけねーよな」

「あ?まずはお礼が先だろ?

目的の物は出せたんだ。ありがてえよな!?」

「こいつ…!」「よせサト!今は隠れるぞ!」


ダイは二人に緊急脱出用にエナドリを渡すと

作戦通り一貴を残して散会した。


召喚された化身は昨日の個体とは一転し、

一貴を睨むと一心に竹刀を振り回してきた。


ズバァンッ!ズバァッ!バシーン…!!!

「(昨日の奴より100倍は重い!

流暢(りゅうちょう)にしてる暇はないか…!)」


あまりにも強い押しに一貴は何度も体勢が

崩れていく。2倍早い振り、4倍は凄む押し、

威圧感は16倍と言ったところか。


ターンステップを踏みながら

相手の動きを見るが圧倒的に距離の詰め方で

向こうが有利を取ってくる。


打ち合わせなら耐えれても決め技なら

大きなノックバックが入る。

力技で一方的に追い詰められていったその時。


「カズ…やっぱダメなのか…!?」

「いや、最後まで信じよう!倒れても

救急セットもエナドリもある!今はとにかく…

カズが勝ってアイツを召喚陣に戻すのを

祈るだけだ…!」

「そうだな。福吉の言うとおりにしようか」

「え…?」「やば…」


野上だ。先生がやってきた


「事情は和田から聞いた

お前ら、話は後でしてもらおうか。」

「はい…あ、先生もおひとつどうぞ」

「うむ…ってオイ…別に観戦にきた訳じゃねえぞ…」

クーラーボックスに入れてキンキンに冷えた

アレナリンGをゴクゴクと飲みながら

筑前の様子を見守る。


化身が竹刀を縦に構えて赤いオーラを纏う…


「何を打たれても、打ち砕く!」

そのとき、筑前の頭の中である疑問が浮かぶ。

どうしてわざわざ未知なる相手の出方を伺う

のだろう、と。


化身は波動衝撃波を打った。

「ああっ!カズ!避けろー!!!」

「………」


一貴は考えた。

魔力で召喚した体が魔術に勝てないことは無い!


「さっきからずけずけといけすかねえ化身だ…

俺の出る手を封じて、まるで"力技の檻"

じゃねえか…」

化身が切り上げるその瞬間


「その一太刀斬り伏せる!

 (プリズン・ブレイカー)の名の下に!」

プリファールで全身を強化した後

頭の中で檻を破るイメージを展開した。

途端に一貴の体は強靭なマッスルボディに変わり果てる。


阿修羅のような形相で睨むと

高く飛び上がって思いっきり振り下ろしで

化身の一撃を無力化させる事に成功した。


「逃すか、オルァッ!」

化身の必死のカウンターを見事丁寧な技で

払い除ける。最後には胴を三本決めて

最後には一本を取った。

魔力が切れると体を元に戻った。


跪き倒れる化身。

「一本!それまで!」

「げえっ!?この声!?」

「筑前、どういうつもりだ」

「はいはい…話しますよ…」


そのまま三人とも生徒指導室に連行された。

一貴はあの日何を見つけたのか赤裸々に話す。


「…ってことよ」

「わかった。お前の気持ちもわかるが、

先生である以上お前達を危険な目に遭わせる

訳にもいかない」

「だから勝負を受けて欲しいんだ。

俺が勝ったら同行させてくれ」

「…わかった。条件は飲んでやる

ただし!勝負は一回きりで勝っても一日だけだ」

「よっしゃあ!約束破んなよ!」


三人で指導室を駆け出すと明日の試合に向けて

河川敷に向かって走り去っていった。


「…はぁ〜あ…大変なのは俺だってのによ…

ま、俺も昔はあんなんだったなぁ」

野上も過去に大きな事件を起こして

一貴みたく怒られることがちらほらあった。

だからこそか、どこか応援したい気持ちが拭えない。

閲覧いただきありがとうございます!

計画がバレたものの、なんとか先生をその気にさせた

一貴達。剣道一本勝負の行方やいかに!?

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