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第5話 「アームド・モダニズム」

〜アームド・モダニズム〜

…大きく、強く、頼りになる。友人に欲しい

と思った何かを見た事があるだろう。人によってはイマジナリーフレンドなんて言うだろうか。


…そんな偶像とまるで何かしらの契りを交わして

いるように巨大なオーラを召喚して使役する魔法がある。

それがアームド・モダニズムだ。


…組織として、思念のモジュールを骨とした

魔素の肉体を持つ化身を召喚できる。

しかし完全体でなければその実力はうまく

発揮されないだろう。

一貴は必死になって探していた。

魔素物質となる元の自然物、つまり河原の魔石を

鷹の目でさがしている。


「無いか、どこかに無いか…!」

河原は市民の憩いの広場なので魔素が何かと

消費されやすい。しかし、ここで探すのは

かなりの量を持った魔石だ。


…一貴の考えている作戦はこうだ。

どうしても野上先生が戦っている姿を見たいなら

もう自らお願いして一緒に消えた黒男を捜査するしか無い。そこで実力を認めてもらうために、

勝負を仕掛けることにした。


仕掛ける勝負は剣道。一本取ったら勝ちという

ルールで試合を行う。また友達に迷惑をかける

ことになったのであらかじめセボドで複数人に

連絡をしておいた。


「みんなお願いがある」

「断る」「早いw」

「てか早退してから態度変やぞー?」

「それはどうでも良いやろw

俺の頼みはノガ先を誘導して欲しい」

「なんで?」「屈服させる」


突然の連絡にみんなびっくりしたようだが

里流を含めて複数人OKを出してくれた。


およそ30分が経過した頃か

数10キロはする岩をどかすとわかりやすく

光る魔石が見つかった。


「あ…これならいける!よおっし…!」

早速荷物をまとめるとスリンガー・ビヨンドで

来た道を伝って足早に帰った。


翌日…一貴は放課後に里流と優大、新西万智(あらにし まち)を屋外のワークスペースへ呼んで

お願い事をした。


「まっちー、良いの?たしか推薦目指すんじゃ…」

「いいのいいの!だってこーゆーのって

今ぐらいしか出来無さそうだし!」

万智は全国模試で上位100位に昇る秀才。

推薦を目標下にいれている大人しいけど

どこか野心家っぽい女子生徒だ。


「よし、じゃあ武装化身を召喚するぜ…」

「カッコいいやつ!頼むぜ!ほら、ムサシとか!」

「そんなヤベーの召喚したら今度こそ

俺ら退学になんだろ…そんじゃいくぜ!」


教科書に載ってた魔法陣を書いて

その中心に魔石を置く。それぞれがシャーペンに

魔力を込めてプリファールの魔術をかけた。


陣が輝き出す。魔石の輝きが陣を伝って輝きを

更に強くしていくとそのまま誇大がしていった。


一貴が前に出ると夕焼けの影を陣に入れた。

すると剣道着を纏う化身が一貴と顔を合わせて

召喚されていった。成功だ。


「…くっ、よし!」

「せ、成功ですね!やりました!」

「一貴…暴れ出したら頼むぞ…!」

手伝ってくれた三人は魔力を使ってスタミナ切れだ。


化身は一貴を見ると腰に刺した竹刀を

構えた。一貴も背中の竹刀を手に握る。


風が吹き抜けると化身が一気に距離を詰めてきた


お互いの竹刀がバシン!ズバン!と鳴り響く。

練習試合みたいな感じでだがかなりハイレベルな

試合になっている。


「つ、強え…」

「あのカズが押されてるのか…!?

未経験とはいえ喧嘩はつえーほうなのに!」

一本、また一本押されていく。

遂には壁際に追い詰められてしまった…!


「(打ち合ってわかった。

 コイツの弱点は…"隙間"だ。)」


化身の面打ち、胴打ちは驚くほど正確だ。

防戦一方の一貴はただ見ることしか手がない。

と、思いつつ弱点くらいは探していた。


パターンがある。縦に下ろした勢いでそのまま

強力な右横払いからの連打を5発打つと、

3秒ほどラグが出てくる。すると今度は振り翳し

から左打ちでワンツースラッシュを繰り出した。

そしてまたラグが出る。変わらず3秒でだ。


バシン!ズバン!…ス…ズバシンッ…!

「くっ…詰めたっ、ならここまでか!」

詰め寄りを払い面を狙った竹刀を回し払いした。

しかしその瞬間。


スパー………ン………!


「あ…一本…」「カズが…負けた…!?」

回された勢いで足を踏み込まれ、

そのまま面を神速で討ち取ったのである。


「カズ!平気か?」「おうよ…」

その場で崩れる一貴に駆け寄る頃には

化身は礼をすると、そのまま魔法陣の中へ

戻っていってしまった。


その場は解散した。その帰り道…

一貴は力無く自転車を押し歩いている。


「あーあ…俺、みっともねえな…」

「ん?どうしたんだよ。いつも人を見下す発言

ばっかしするお前がいきなりヘラっちゃって」

「なんかさー…高校生活も中坊同様に

勢いとかでなんとかなる!って思ったら…」

「仕方ねえよ。俺だって、魔法がこんな

複雑で強力無比な物だって知らなかったし」


アームド・モダニズムを使った後か、

里流も少し疲れているようだ。


一方、校舎では

野上や別の教職員がいまだに警察の

協力の元に捜査を続けている。


「野上先生」「む…遥秋先生でしたか」

同じ教員の遥秋誓御(はるあき ちかお)

缶コーヒーを持ってきてくれた。


「大変ですね…まさか新入生が来てこんな…」

「それもこれも政府が動かない所為でしょう」

黄昏の中、エメラルドマウンテンのやや甘い

風味が体の疲れをほんのり取ってくれる。


「未だに刺された生徒も犯人も行方知れず。

事件は学校内で起こった筈ですのに」

「だから迷宮入りしてるんですよ…

とにかく、親御さんはもうパニック気味で

私らではもう対応できないですし…」

「それはそうと野上先生、

目撃者からもう少し詳しい話は聞いたのですか?」

「いや…あ、そういえば筑前から

聞き込みをしていませんでしたな」


ふと思い出したが一貴の行為にばかり

目が映り怒鳴るだけ怒鳴ったせいで本来の

目的を忘れてしまっていた。


次の日…二限が終わると野上は一貴を呼び出した。


「筑前、ちょっといいか」

「ん、なんすかー?」

「お前丘咲と抜け駆けて勝手に捜査に向かったろ」

「…そうっすけど」

「何か他に見つからなかったか」

「…何も。特には見つからなかったですけど」

「そうか、ならいい」


野上は気付いていた

筑前が隠し事をしていることに。

閲覧いただきありがとうございます!

一貴は野上に対し何をしていくのでしょう。

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