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第42話 鏡像写し(ツヴァイ・ミラージュ)

ツヴァイ・ミラージュ

分類 召喚

コスト 物体を反射して映すもの

属性 物


鏡を使って出したいものを召喚する。

魔法陣で召喚するより性能は良いがスマホや鏡と言った

(映す)物が必要である。


学校の一室を借りて寝泊まりする一貴。

借りた部屋はなんと保健室だった。


「保健室のベットで一晩過ごすのか…

なんというか…すっげー違和感」

病院のベットとさほど変わらない質感。

入院なんてしたことないので新鮮味すら感じてしまうのだ。


机には少し汚れたノートが置いてある。

名前を見ると勝の物だった。

こっそりとページを開くと数学のノートだったらしく、びっしりとわかりやすく書き留められている。


「あいつ…頑張ってんだな

ていうか、頑張ってねーわけがないか」

少し寂し紛れに一言つぶやいた。


時計の針が進む。24時を過ぎても

学校内の廊下は全て灯りが点灯しており、

恐怖が薄れた肝試しをするような気分だ。

やがて野上が迎えにきた。


「いるかー?」

「ういー、そろそろ行きますかー?」

支度をしてガラリとドアを開ける。

そのまま足早に廊下へ出た。


教室だけ暗く廊下だけ明るい。

異質な空間となった通路を進んでいく

家庭科室の前では遥秋が待っていた。


「さて、筑前君。家庭科室に入る前に

君に一つ警告しておくことがあります」

「何です?」

「くれぐれも奴の挑発には乗らないように

最悪守れない可能性もあります」

「…どういうことだ

教師として、今の発言は気にかける」

「あなたもですよ。野上先生」


違和感だ。

とてつもない異質な感じがする。

それもとんでもなく嫌な感じをヒシヒシと伝って


家庭科室に入ると遥秋だけはすぐに外に出た。

こちらをずっと睨んでニタリと笑う。

はっきり言って薄気味悪い。


「筑前、わかっていると思うが」

「それをいうなら背中合わせましょうや」

部屋の真ん中まで進むと強烈なオーラにお互い背中を預けざるを得ない。会話したら何かが起こる。そう思った矢先に」


奴が頬を撫でた

一貴が咄嗟に冷気で動きを止める!


「…!」

「筑前、よく気づいたな」

「ああ〜ら!ビンゴ!素敵なセンスだことね!」


レディ・ランタンが現れた。

期末テスト中のあの時と変わらず舐め腐った態度は変わらない。


「ウッフフフん…貴方若いのにすごいわねぇ

その研ぎ澄まされた感覚。"ソードマン"が見たら

絶頂しちゃわよ!」

「こんな時間に呼び出して、一体何の用だ!」

「私は招待客。言うなればアタシも呼ばれたのよ

…あの人にね」

「首謀者がいるのか。そいつは誰だ」

「誰だって良いでしょ?

ワタシの口からは言いたくない人なのよ」


そういうとランタンは鏡像写し(ヅヴァイ・ミラージュ)を使う。野上の前に鏡が現れるともう一体のランタンが現れた。


「男はタイマンが好きって聞くわ、

それじゃ、イッツ・ショータイム!アンドdai!」

「筑前、背中は任せたぞ!

…いつの間にか、こんな逞しくなりやがってな」

「せんせーこそ、

カッコいいとこ見せてくれよ!」


お互いがプリファールを唱えると

自身の属性でウエポンを作り出す。

一気に攻撃を畳み掛けた


「(アイス・ヴァジュラ)!喰らえ!」

「あア"んッ!激しいのね!大好きよん!」

「(オネエなのか…!?間近で見るとキショいなあ)」

氷の金剛杵(ヴァジュラ)がその三又の爪から

引っ掻き斬撃を繰りなし、容赦なく向かい打つ。

しかしランタンはふざけたままだ。


「(カース・エッジ)…

(エスカトン・カオス・エフェクト)!」

「ウフフっ!(クレイジー・ミラージュ)!」

黒曜石の剣を突き立て魔法陣に突き立てると

見るも悍ましい黒竜が現れて黒い炎と紫の雷、

さらには灰色のブリザードを一つのブレスにまとめて吐き出した。しかし、恐れることもなく自身を鏡に変えるとそれらを吸収したのである。


「(ピング・ハンターズ)!」

「アタシ、美味しそうって思われたの初めて」

ペンギンの魔素オーラが8匹で見事なコンビネーションを取り、四方八方から突進攻撃。

うまく対応できずにランタンはダメージを負う。


「うむ…ではテストで頑張った生徒を見習って…

(トリニティ・アニズム)」

深呼吸をして居合を決める。無論決めた技は三段斬りになった。バリンと割れる音がする。

倒したかに思えたが、なんと無傷で立ち尽くしていた。


「一気に決めるぞ、(ダミング・ルーム)!」

「ならば熱源化(ヒート・ネック)!」

野上を心臓に熱を蓄え、一貴は家庭科室の温度を無くした。急激な温度変化に弱まるランタン。

弱点らしき灯火を狙い野上が炎の拳を打つ。


水蒸気爆発が起こった。

霧が晴れた先には…なんと無傷のランタンが居る


「ウフフっ!残念、貴方が討ったのは鏡像よ。

万華鏡(テンサウザンド・)の君(ミロ)はこう使うと無敵の魔法…ね!」

「そんな!」

「まるで"最初から鏡を相手にしている気分だ"!」

「…(いや、違和感あったなら言えっての)」

一貴は辛辣な目を向けるも考えてる暇はない。

どこかにいる本物を見つけなければ終わらないようだ。


その時、異変に気づく

遥秋はなぜここに入ってこないのだろうか。

本人は追っているはずだがここで参戦しないのは

少し言っていることが的を外す。


一貴が廊下を見ると笑顔でこちらを見る遥秋がいる。尋常じゃないほどに狂気が剥き出しだ。


「なあ、ランタン女

今廊下からこっちを見てるのは誰だ?」

「廊下…?…はっ!?」

「(妙な反応だな)」


何かに気づいたようにランタンが家庭科室を出ると、焦り気味で物凄いスピードを出しながら階段を登って行った。


やがて屋上への扉を勢いよく開けると

遥秋が静かに佇んでいる。


「貴様ッ、何故ここに…!?」

「君を討伐できる絶好のチャンスだよ?

なんで逃す必要があるのかな」


「それより良いのかい?

もう学校中には結界を張り巡らせたけどね」

そう言って指パッチン。

学校の周辺が急に夏祭りでも始まったかのように

そこいら中で灯りが灯り出す。


「アンタだけはッ…アンタだけは許さない!

アンタのせいで…アタシは…あの人を…!」

「時代が悪かった。

これで満足か?」

物事の確信を突くような言われように

逆上の炎が燃え盛る。一貴達がようやく追いつくと遥秋は消えていた。


「そうか、貴方達はあの男の手先なのね

フフフッ…フハハハハッ!!!ならもう弄ぶ

理由なんてないじゃない!」

「何を激情しトチ狂ったか知らねえが

こっちは今年だけで3回も襲撃を受けてんだ。

お前らのようなアホ沈めるだけでてんてこ舞い

なんだってんだよ!」

(やかま)しいわ!

お前達に…ご都合主義で殺された愛人の恨みが

わかるとでも!?なら証明して見せなさいよ!

私を殺して見せなさいよ!」


スパンっ


刹那の瞬間、野上が背後に周り横一閃で

首を落とした。


「…生徒にまで残業を押し付けるとはな。

生憎(あいにく)、時は令和だ。関係の第三者を巻き込むなら

元空挺団の一員として容赦はしない」


ランタンの灯火は呆気なく消えた。

一貴は一体何が起こったのか何も理解できずに

ことの終焉を迎えることになった。


「先生…今どうやって…」

「さっきのも魔法でどうにかできる技の一角。

案ずるな、今はまだ知る必要はない」


その場を後にすると一貴は保健室に戻って就寝、

野上も残った仕事と事後報告書を書きまとめると

駐車場へ行きトレノのリクライニングを倒して

眠り始めた。


午前4時

再びエアリル・ウォーカーを使い屋上に戻ってきた遥秋。レディ・ランタンは消えていた。


「…まさかこれ程までに怨念が熟していたとはね

もし筑前君だけだったら危なかったかな。


と、いうか相変わらず凄まじい力だね

野上先生。僕もウカウカしていられないな」


レディ・ランタンは逃げ延びた。

用具室の中でじっくりと気を伺っている

いずれくる8月5日、夏休みも中盤の日に全員が

集結するその時こそが最大の一手を仕掛けるチャンスなのだから。

閲覧いただきありがとうございます!

突然ですが鏡の前で笑顔を使ってください


はい、それではその顔で明日は

外を出歩いてもらいます。いってらっしゃい!

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