第40話 天に舞う火の鳥(ライズアップ・ファイアーバード)
ライズアップ・ファイアーバード
分類 攻撃魔法
コスト 火属性の基礎攻撃魔法を10種類会得する。
また、ロジンのような粉を吹く物。
属性 火
放つ攻撃に火の鳥のオーラを纏い威力を増大させる魔法。
プロ野球なんかでは火の鳥ストレートなんかで名前が通る。
その際、受け止める側も相当な訓練を要する。
スポーツで利用するのも、ほどほどに。
白熱を増しに増す期末テスト紅白戦。
準決勝ラウンドに駒を進めたのは2組、3組、5組だ。
「よし!じゃあ準決勝へラウンドを進められたな。
では次の試合のルールを説明しよう」
「え?全部試合じゃないの?」
「全試合やってたら夜が明けちまうぞ。
だから次の試合はホームランダービーだ」
ホームランダービー…
ホームランを打つ前提とした打撃戦のことだ。
無論テストなので投手も容赦はしないが、
三振はあっても打者は一巡するまで終わらないのだ。
「フォアボールは一点だ。
だが三振はツーストライクで決まる、
たかを括るはやめたほうがいいぞ。
あ、投手は1人ずつなら交代オーケーだ」
そう言うとどの組が最初に打席に立つかを
じゃんけんで決めた。結果は5、3、2の順番で
打つことになった。
「これ先手が有利なのか後手なのかわかんねえな」
「うーん…先行取って体力を温存するか、
後攻を取って背水を取るかだよな。悩むわー」
3番手の2組が守備についた。
「大翔、後ろには拓哉が付いてるから
お前はひたすら真ん中狙っていけ」
「おけ、ランナー居ないし楽に行かせてもらうわ」
プレイの指示が降る。
1番、2番と討ち取るが3番バッターでいきなり
初球でホームランを取られた。素人なら3人でも相手するのはかなり体力の消費が激しい。
茹だる夏の暑さが1人討ち取るたびに容赦なく投手を襲う。
「やべ…」
「気にするな!これはダービー、
打たれてナンボだ。ドンと来い!」
「いや…その…ドンっがもうキツくて…」
「よし、ならゆったり目の球を真ん中に投げてくれ」
それでいいのか、と思い投げる。
ボールはすっぽ抜けてカーブのかかった緩すぎる球となった。
「今だ、プリファール…
進高速化!」
浮いたと思った球が急激に球速を増し
105キロまで数値を増した。
「うおっ!?ゆるゆるのボールが魔球になった…」
「カズにだけ良いとこばっか見せられなくてな、
悪いが沈んでくれや」
「…舐めんなよ…2組の連中が優秀なのは知っている。俺だって推薦狙ってんだ。こんな所で沈む訳にはいかねえ!」
5組のキャプテン、4番を勤めるのは
断末麗斗。
高校1年らしからぬガタイの良さと視力が良さで
高校野球の希望の星として名を馳せる。
襲撃の際も他のクラスの応援に駆けつけようとしたがクラスの安全を優先して、先頭に立ち皆んなを宥める役を買ってでた。
「麗斗…今日は敵同士だな」
「テストが終わったらまた味方だ。
その時まで楽しもうじゃねえか、この状況」
2球目
真っ直ぐに走るストレートインコース。
これを逃すまいと麗斗はプリファールを詠唱。
「夏中の空へ上がれ、勝利の不死鳥…!
天に舞う火の鳥!」
内角を攻めたボールをタイミング良く捉える。
誰もが本能で求めるような快音を響かせると、
ボールに火の鳥が宿り観客席に落球した。
「(…やるな…!)」
「クソ…すまねえ…もう投げる気力もねえや…」
「気にするな、よし!投手交代だ!」
変わった拓哉は3者連続三振。
しかし残る2人のうち1人がマグレで
高らかにホームランを打ち上げる。
得点3と、上々な結果を打ち出した。
「おつかれー」
「おつー、いやー!キツイ!
中継見てるだけじゃわかんねえわな」
「まあ誰だってそんなもんさ、
良い経験になったろ?」
「違いねえや」
続く3組、5組の投手陣に苦戦するも
力戦奮闘し2点をもぎ取った。
これで2組は取るべき点数が明確になった。
同点ならエキシビションマッチで2位決定戦を行うので2点でも3点でも優勝は危うい。
優勝したいなら4点を取る必要があるのだ。
持ち越しても良いという考えは浮かぶ。
だがもし中途半端に3点を取れば、
5組の麗斗を相手にしなければならない。
そして3組も打撃で魔法を使うを使う物はいなかったが、もしこの中でセンスある人間が居たとして、土壇場で魔術を使われるとそれこそ勝つ可能性はとても低くなる。
「拓哉…わかってるよな。
俺たちが取るべき点数は…!」
「4点以外ありえねえってなあ!
2組!しまっていこーぜ!」
「「おう!」」
一方で家庭科室。
一貴は他の希望者と調理のテスト中だった。
他のクラスの人間もいたが、気楽に取り組めている。
「ただ料理作るだけだしなあ…
校庭の連中はさーぞかし盛り上がってんだろうな」
「いーじゃん、昼ごはん代浮く訳だし」
「藤村さん、あくまでも公費から引かれている事を
お忘れなく」
「はーいはい」
不真面目な返答に指摘をいれるのは
羽田桐曛だ。ちなみに副委員長でもある。
「曛姫、フライパン、フライパン見てみ」
「え?…ああっ!?」
「かわいいよねw」「ねーw」
フライパンの上には煙を上げ始めたウインナー。
慌てて顔を赤らめながら火の威力を調整する
おっちょこちょいな所を見て和む一貴と美沙希。
そうこうしている内に米が炊けたと他のメンバーから声が掛かる。
何事も無く終わるはずだった。
本当に誰もがそう思っていた矢先。
奴は突然現れた。
「あ、お皿取ってきてー」
「はあい、どうぞ♡」
「ちょwだれー今のキモい声…え…?」
身長およそ2.5メートル。
天上スレスレで優雅に立つのは
街灯の頭をした園芸品の体を持つ異形だった。
「…!
動くな!」
一貴が一瞬で冷気で氷漬けにする。
家庭科室に悲鳴が響き渡った。
先生も他の生徒も振り返ると漸く気づいた。
いるはずのない何かがこの教室にいた事に。
時が凍りつき始める頃には一貴氷結はバキン!と
音を立てて砕かれた。
「うふヒヒヒッ…!
あぁ〜んら、可愛い子達ばかりね」
「目的を言え。
黒男の手先か、鬼島の部下か?答えろ!」
「誰かしら?そんな人達、アタシ知らなあ〜い」
舐め腐った態度で応対する。
「…ま、ここで話すのもナニかだしー?
そこの氷の坊や、放課後25時にまたここへ来なさい。来ないのなら…ウフフっ!とんでもないこと起こしちゃうわよ〜!」
「ふざけんな!せっかく復興したってのに
お前みたいなキモいババアに荒らさせはしねえ!」
「口の利き方に気おつけた方がいいわねクソガキ」
ランタン女は手を怪しく挙げると開いた平手の上に水色の炎を灯す。それを強くグッと握ると
一貴は途端に倒れ仰向けになり苦しみだした。
「ぐっ…!?あ"…ああッ…!!!」
「ウッフフフ!だから言ったでしょお〜
じゃ、25時ね。バア〜イ!」
家庭科室からでたランタン女は
軽やかな足取りでどこかへ消え去った。
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私が好きな魔球は千賀投手のゴーストフォークです




