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第38話 魔粒子可視化(ミクロ・スコープ)

ミクロ・スコープ

分類 強壮魔術

コスト アイ・デザームを会得する

属性 無


空気中や水中に潜む魔素の粒子を見えるようになる魔術。

もっとも見えるようになるのは魔素なので元素は見えない。

別に高飛車という訳でもなく、女王という訳でもない。寧ろ話しかけやすく周囲からの評価は嫌味な所がなくて、一緒にいて楽しいと言った所。


足が震える

真夏なのに悪寒がして収まらない。

視界がふらっとしてきた。

そう、茜音はクラスで唯一プリファール以外の

魔法が使えない生徒なのである。


だからと言って練習を怠った訳ではない。

友人に勉強を教えていたから時間はそれなりに

取れていなかったが、それでも足りなくなるほどではない。


頑張った。それはもう物凄く頑張った。

親からの期待もありながらも必死で練習した。

だが例として一貴と比べると天と地ほどの差が

あり、魔素を集中させようとしてもブレがすぐに出て安定しない。


一貴達が問題に立ち向かっている間、

自分には勉強があるから大丈夫。

そう言い聞かせていた。

当日になってそうなるとは知らずに。


「次!西園寺!」「…はい!」

女子からは視線が集まる。

男子は相変わらず私語三昧だったが、


プリファールを唱えて集中する。

最初の課題、アームド・モダニズムで召喚する物は

おもちゃの幻影だ。一筋の光線を放ち、

魔法陣を作る…が一瞬で消えた。


「…もう一度やろう」「…はい」

「あかねー!リラックスだよー!」

後ろから美沙希が声援を送るもただのプレッシャーにしかならない。


操れる魔力の量が少ないのがせいだが、

その際は周囲の魔素を吸収すれば良い。

広範囲から手中に呼び寄せるような感覚で

練り合わせることで可能とする。


しかし、それでもできなかった。

野上は点数を記録すると次の魔術を指示する。

しかし、体力もメンタルもこの時すでに

限界に達しており、野上に見抜かれて

保健室に向かった。


「ちょっと、しゃがみ込むくらいキツかったなら

行っても大丈夫だったのにー…」

「ご、ごめんなさい…」

「…?(え?そんな縮こまる事もないけど…)」


その後教室にて…

「以外だよねー、茜音って魔術苦手なんて」

「そうね…勉強とか、人付き合い

これ以上になく完璧なのに」

クラスの女子達はざわついている。

正直、みんなは今まで完璧な姿ばかり見ていたので衝撃的だった事に違いは無いだろうけど。


しかしみんな少しホッとしていた。

勉学でも立ち振る舞いでも湧き立て役なんて、

と考える物も少なからずいた。


異様なムード。一貴は少し心配していたが、

本人の問題なので立ち入る事はできない。

しかしこの安堵感は少し妙だと感じていた。


「…なあ、里流。

もしも、俺たちが女子だったらさ、

あんな風に安心ちゃうのかね」

「ブフッ!w………

いきなりなんだよ気持ちわりーな!?」

「いや…だってさー、

美沙希とかまっちーらへん以外なんか反応が

塩っぽい…ていうかさ」

「いーのいーの。

男には男の悩みがあるってえーのに」


先に書いておくと、一貴はダントツで1位だった。それも学年1位だったようで野上からは思わず採点計算中に苦笑いが出てくるようだ。

しかし、その真反対にいたのが5教科のトップ。

気づけなかった自分を少し情けなく思う。


「騒動だらけで思うように目が届かなかった…

なんて言葉だけは絶対に吐かん。

しかし…どうしてここまで…」


現代において魔術は科学と同様に発展を重ね、

今や医療、軍事においては議論においては欠かせない存在だ。企業によっては魔術のレベルにおいて、一定に満たない者を採用しない所もある。


特に大手はそうだ。

いくら優秀でも肝心な所が抜け殻だと

大損害に繋がりかねない。人徳、知識、魔法

全てにおいてそうだ。


「一貴から見て、茜音はどう映るの?」

「…なんつーか…"鈍臭く、かつ嫌われている"

そんな風に見えるのよ」

「え!?周囲と意見が全然違う」

「あくまでも魔術に関して、だぜ?

まあ無論対人に至ってはその逆だけど…

なんかさ、魔素に嫌われてんのよ」


"魔素に嫌われている"…

里流は今ひとつ理解に及ばなかった。

しかし一貴曰く、魔素に対してのリスペクト

みたいなのが無い…と言っている。


「なーんかねー…

"魔法なんて信じない"って思い続けてる感じ。

ま、確かに俺ならそんなヤツ近づきたくねえわ」

「原因かなんかあるんじゃない?

ほら…過去のトラウマがーとか」

「それはありえる」


ちなみにテスト中、野上同様に違和感を感じた

一貴は魔粒子可視化(ミクロ・スコープ)を使っていた。


そこで見えた物…集中した粒子が反応しようとした瞬間、急に力同士が反発して拒絶しあうように

散らばっていく。


やがて失敗が目に見えるようになった時には

もう魔素は側には無く何も見えなくなった。


「おい、里流。今日の放課後は暇だろ?」

「あったりめーだろ!

テスト明けなんだからよお!パーッと

行くっきゃないでしょお一貴さんよお!w」

「どこのリーマンやお前は!w

…保健室言って、話聞いてみようや」

「ま、それもええわな

どの道補修は確定だろうし、気い楽にさせようか」


一方で他の男子は次の時間の副教科のテストの

話で持ちきりだった。体育を選択した人間は体操服に着替えて校庭に出発していた。


ソフトボール…3回裏までの短いゲームだが

どれだけ生き生きと動けたかや、チームプレーを

見せつけるかが高得点を取る上での条件である。

しかし…


「念の為言っておきますが

評点5を取りたいならまずは勝たなくては

なりません」

前日の帰りのホームルームで担任の先生は

言っていた。大学進学でスポーツ推薦を狙うなら

この評点は必須級である。


2組の最初の相手は1組。

どうやら先生がくじ引きで決めるようだが

余った1組はシードとなり優勢となる。


もう一つのカードは4組対5組。

3組はシードとなり、2回戦からスタートだ。


他にもルールはあるが

5点差をつけたらコールドという

小規模だからこそかなりシビアなルールも

付け加えられている。魔法は使ってよし、

ただしベンチからの支援や誘発は禁止。


「拓哉!先発崩すんじゃねーぞ!」

「わーってらい!」

参加しない他のクラスメイトから激励を受ける。

先発に選ばれた鳴上拓哉(なるかみ たくや)

頼もしい笑顔を見せてくれた。

閲覧いただきありがとうございます!

みなさんも見える人には見える黒繊維状のアレ。

自分は菌かなんかかなー、て思ってたんすけど


アレって、見えたらダメな奴っぽいですね

そう言われてからは滅多に見えなくなりましたけど。

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