第35話 天空武闘(フライング・ファイト)
フライング・ファイト
分類 強壮魔法
コスト 浮遊する魔術を会得していること
属性 風
ただ飛ぶだけでなく、陸地で戦うように戦闘を行う為には
このフライング・ファイトが必要となる。
例え魔素が途切れて墜落しても
この魔術を会得していれば受け身を取ることができるのだ。
とある高級住宅街。
そこは勝が住んでいる市街地だ。
交通の部、道路の広さ、どちらをとっても
非常に便利な場所だ。
勝は親からの命令で一人暮らしから強制的に送還された。事実、職を失わせて家へ連れ戻すチャンスと踏んだ親の策略である。辞めた直後なら思考も混乱しているので、良い機会となるのだ。
ランカーキラーモーターズ前社長…
現在は大手認定の自動車整備工場で代表を
勤めている。トップの立場としては、息子が
暴走族をやっていると言う事実は度し難い。
「…ただいま…」
「よく戻って来てくれた、
母さんも心配していたぞ」
「知らねえよ…」
部屋は掃除されていた。
押入れの中には幼い頃買ってもらった
87,red zoneのラジコンが眠っていた。
「変わらない…変わらないさ…
ただ…親父は知ってないから俺はあの日…」
ある日の夜、勝は見てしまった。
父の部屋から工具をくすねようとこっそり入り
入った時、机の上にはズラリと魔導車の資料が
並んでいる中、取引の紙が混ざっている。
「何これ…(取引に応じた場合、貴殿の業務全般に
指定額の支援を行う。ただし、業務の制限等は
甲が行うものとする…)だって!?」
そこからは早かった。
毎日のように暗雲の如く知らない人が
工場内に出入りするのを見かけるようになった。
「鬼さん、最近の魔導車ブーム
なんとかなりやせんかねェ。
お金目的でドライバーが増えたせいで
下手なヤツが多すぎるんすよー」
「まあ、そう言うな
だからと言ってウチの自動車整備業が
崩れるわけがねえよ、流行りなんてそんなもん」
そして、その数日後。
13歳の勝に突然、父親はこう告げた。
「良いニュースがある。
今朝、大手メーカーとの取引が上手くいった、
今後は時代に取り残される自動車の修理や
臨時生産に悩まされることはない」
「そんな!今までの工場の人達は…!?」
「無論引き継いでも良い。
だが業務は一新されるから、辞めるものも
いるのだろうな」
ネットを開けばすぐに悪事がわかる。
それを踏まえた上で強行したのだろうか、
取引先のメーカーは大手だが黒い噂が
流れ放題だった。
「クレームは向こうが引き受けるけど
だからと言ってそれで問題が解決するわけが無い」
というか、今までの運営方針のおかげで
愛される町工場だったのにそれを切り捨てた
となると不安しかなかった。
「親父言ったよな…
デカくなったらコイツをウチの工場で
作ってお前にくれてやる…って…ウソじゃん…」
その頃鬼島は…
「よし、ここだ…
お前ら、今日からはこの鉱石の納品を
手伝ってくれ」
「そ、それは良いですけど…
何ですか、この神秘的な大鉱石は…!」
ローズピンクに輝く大鉱石。中ではエネルギーの流動体が絶え間なく蠢めいている。
鬼島は指示を出すと早速動き始めた。
それから時は動き出し
7月の1週目も終わる頃、いよいよ期末テストの
日が迫る。そんな中、一貴は放課後に野上に呼び出しを喰らった。里流と優大も一緒に
「何だよマジで…帰ったら勉強なのによ…」
「嘘つけ!どーせお前なら机に向かって
3秒で寝落ちするぞw」
「な、オイ!3秒はねーだろ!
課題やってるから放課後遊び呆けてるけど!」
「お前ら仲良いのは良いけど
廊下ぐらい静かにあるいてくれよなぁ」
「そんなこと言わずに
お前からもなんか言ってくれよ!?w」
職員室前では野上が待っていた。
隣の生徒指導室に入るとそこには
信じられない人物が立ちずさんでいた。
「よく来てくれた。
私が君たちと同じ年齢なら逃げ帰っていた」
「な、お、お前は…!」
「黒男…!」
生徒指導室に緊迫した空気が張り詰める。
何故ここにいるのかさっぱりわからないが、
とにかく座って話を聞く事にした。
「…なんで校舎内に入れたんすか。
こんな危険なヤツ…」
「すまない…だがどうしても話がしたいと
中々聞かないんだ…昼間からまた拉致事件を
起こされるよりかはマシだろう」
一貴はその言い分をウソだとすぐにわかった。
第一、ひと言交わせばいつでも抹殺できる戦闘力がある人がそんな回りくどいことをするなんて
メリットのかけらも無い。
ハンデだ。
しかも何故か俺達生徒に解決させようと
している…!?
黒男は静かに口を開くとこう言った。
「謎の勢力が大きな動きを見せた」
暴走族がまだ諦めて無いとわかると
一貴はそちらの目的は何だと聞く。
「俺がここに来た目的はお前達を誘いに来たんだ
ゲームに参戦して協力して欲しい」
「お断りします。
散々殺しかけといて、今度は協力…
都合が良いにも程がありますよ」
「ならそうだな…
代金として…天空武闘を
始めとする空中での作業に有利に行える
魔法を教えてやろう、どうだ?」
3人とも呆れた。
対価の話をしているわけでは無いが
側で野上が何も言わない以上、やっては良い。
結局一貴達は期末テストの後で引き受ける形で合意した。夏休みに入るスレスレの第3週目だ。
閲覧いただきありがとうございます!
空を飛ぶ、その後に滑空するだけなら良いのですが
加速したり戦ったりするならまた別に魔術が必要です。
タケ○プターがどれだけ優れた道具なのかよくわかります。




