第33話 滅亡を拒絶する管轄(パンドラ・セキュリティ)
パンドラ・セキュリティ
分類 魔導呪術
コスト 動きを封じる魔術を50種類取得する
+羽毛や髪の毛(人間の物ならなおよし)
属性 物
管理するには余りにも難しい、だがこのパンドラ・セキュリティなら亜空間に物質を閉じ込めることができるのだ。
毛を使用するが、それらに包むことで完全に包囲され
対象を封じることができる。
野上が招待した店は(ミスティカ・アーツ)とは呼ばれる魔力で構成されたアイテムの販売所のコンセプトカフェだった。
アーツひとつひとつに元になった魔法がある。
クイズ形式で当ててみると何となくだが面白みが湧いてきた。親身に店員の夜咲も答えてくれる。
「この紫色のヤツはカース・エッジでしょ?」
「あたり。流石に簡単だね
じゃあこれはわかるかい?」
「なんだこりゃ…ヨーヨーだよな…
うわ!すげえ、ビックリするほど扱いやすい!」
(スリンガー・ビヨンド)のアーツはヨーヨー。
トリックが決めやすく遊びがいのあるおもちゃだ
「ハイクオリティなプラモデルがある…
これもそうなんですか?」
「そうだよ。なんなのか当ててみて!」
「んなこと言われても…
んん?もしかして(ビンテージ・アモ)かな?」
「おお!よくわかったね!正解。その証拠に…」
プラモデルに魔力を込めるとまるで自我を持ったように狙撃を始め、少し先の的を意図も容易く
撃ち抜いた。
「プリファールのペンダント…
みんな綺麗だけど…俺のと何か違うんだよな」
「凄いな、その年で純正品を作るなんて。
言っておくが君のペンダントは売れば数百万は
下らない価値になるぞ」
一貴の目が飛び出した。
高校が起こした偶然たまたまがまさか数百万円もするお宝になってしまうとは。
「じ、じゃああのショーケースの中の物は…」
「君のと同じ純正品。
あの火属性のやつは昨日予約が入ったけど
225万円だよ。」
「な、な、なあんだとお〜!!?
ちょっと待て…え、じゃあ俺のコレって!?」
「…へぇ、良いねコレ。
僕なら580万で引き取るよ」
一貴は泡を吹いてぶっ倒れた。
「あーあー…お前には刺激が強すぎたか」
「夜咲…さん、だっけ?
あの、この店で1番高い商品ってなんですか?」
「んーとねー…」
全員をレジ前に案内すると奥のショーケースから
滅亡を拒絶する管轄の厳重なロックが掛けられた箱を出すと、中の様子を見せてくれた。
「この箱には厳重な守りの魔術を掛けている。
出すのは取引が成立してからしか出せないからさ」
「なんすか…これ…ブラックホール?」
「アンドロメダ銀河って聞いたことある?
それをギュウギュウに押し込めて作った飴細工」
「「食 べ ら れ る の !?」」
「宇宙の力の一部を取り込める
この世で最強最悪の飴玉さ。値段はざっと
2537兆1127億1700万2048円だよ」
空いた口が塞がらない。
バカみたいな額はともかく、なんと言っても
その額さえ払えば銀河の力をその身に宿せるなんて。
「く、食ったらどうなるんすか!?」
「んー…その光年にたどり着ける分の
知識や肉体的栄養素や魔素とかを得られるよ」
「もっと具体的に言うと?」
「例えば今から新幹線で250万光年かけて
アンドロメダ銀河まで旅行に行くとする。
その際に延々と筋トレやら勉強をしていたと
しよう。」
「うわ、なんか聞いたことある話だ。
ウン億年ボタンだっけ」
「お、知ってるんだ!
なら話が早いね。ようはそれさ…
1光年は地球7周分…1周を大体5000日として
7かけるの5000で35000日。それを250万倍
して…」
「うぎゃあああ!!!死んどるわあ!」
「はははっ!そうだね。
なんならこの飴玉を舐め切る頃には
ショックで死んじゃうかもね」
「(ま、この計算だと諸説しかねえけど
とりあえず良い例えにはなるわな)」
野上はコーヒーを飲みながらほのぼの見守った。
ちなみに舐め切るのにかかる時間は市販の大きめの飴玉とさほど変わらない。
一貴が目を覚ます頃には30分経っていた。
「むにゃ…あー、気イ失ってたわ」
「やっと起きたか、少し前まで面白い話を
してたってのによ」
「自分でも偶然できた努力の結晶が
いきなり580万円もしたら無理もないっすよ…」
「それはそうだな」
一方でそれからの丘咲と福吉はアーツの魅力に
夢中で、時間も忘れて夜咲に質問攻めをしていた。内容はともかく面白くてしょうがないようだ。
「ねえ、さっきの飴玉はなんの魔法から
出来たかわかったりする?」
「宇宙の力を取り込む魔法?」
「あー、その考え方だとウンともスンとも
言わないね。考え方を変えるとわかるかも?」
「なら…宇宙を創造する魔法?」
「そこまでスケールは大きくないけど
短命の銀河を創造する魔法、が答えさ」
夜咲が箱を戻すと奥にしまった。
「…ねえ、なんで夜咲さんは
それを手に入れられたの?」
「そりゃあ機会があったからとしかねえ」
「そこを何とかもう少しわかりやすく…」
「…そうさなあ」
夜咲は元々魔術師の中でも最上位の階級まで
登り詰めた曰く付きの魔術師だった。
上には上がいたが、生きていくのに困ることはないレベルで卓越した技術を持ち、免許を皆伝していった。
そして30歳のある日、国家試験最難関レベルの
魔術試験に合格した暁として授与されたのがこの飴玉だった。
「成分を調べてびっくりした。
だって糖類を使ってないのに味があるんだ。
少なくとも、舐めてみないとわからないけど…」
調べに調べて3年。ようやくこれが何の魔術を使って発生するアーツなのかがわかったのだ。
「(ノヴァ・プラズマ)
本当はもう少し長いけど言うととんでもない
ことが起きる魔法だからね」
「ネットに転がってんじゃないの?」
「僕が見た以上はまだ載っていないな。
どれも不正解で完全な物は無い。仄めかす
者もいるが、解明して確かめても足りてない」
ノヴァ・プラズマ…
これだけでも十分な魔法だ。
なんなら普通の人が使おうとしても
何も起こらない。が、わかるものが使うとどうなるか。
時空が歪み宇宙を生み出される。
そしてその歪みはどう言うわけか宇宙空間へと
繋がっており人間なら圧で潰されるのだ。
閲覧いただきありがとうございます!
ビンテージ・アモのプラモデルは様々な経験を積んでいます。なので普段はしないような動きもしてくれるんです。




