第20話 「輸送線番(ダイヤル・ゴンドラ)」
ダイヤル・ゴンドラ
分類 精製魔導
コスト マップとダイヤ(鉄道のあれ)
属性 物、光
始点と終点があれば
この魔法は成り立ったも同然…
なんて訳にはいかない
普段から使い慣れた列車というのは
ある意味奇跡の交通機関だ。
レールと線で人や物を定刻通りに運べるのだから
間違えても遅延の責任を人間にぶつけない事だ。
再現すればわかる。
幾つもの安全要素が重なって
ようやくゴンドラは動き始めるられる、と。
「さあ、始めようか」
「面白え!遠慮は無しだ、行け!」
ペガサスに跨ると大雑把にも
(フラム・キャリバー)を生やし、
校長目掛けて突っかかった。
縦下ろしの火の剣、校長は目を瞑ると
バク宙一つで回避した。すかさず返しを切り
勇敢に掛かり切り上げを繰り出したが、
なんと今度はジャンプ一つで躱わすと
ストっ、と刃先に乗っかかる。
仰天した里流は慌ててフラム・キャリバーを
放り出すと、地面に着地した校長は構えから
跳び蹴りを放つ、
「ヒヒイッ!?」
「うお!大丈夫か!?」
余りにも強い蹴りはペガサスのオーラを
弱めるには十分だった。ぶっ飛ばされて落馬した
里流。ただの蹴り一つで大きな衝撃だ。
そして何より後ろの白虎は一歩も動かずに
ふんぞり帰っている。
「ふぉっふぉっ、センスはあるが未だ未熟…
野上先生、さては課題を出しておりませんな?」
「校長先生…課題をどうこうよりも
まずは手を抜いてはいかがでしょう」
「ふっふっふっ…冗談ですよ
第一、魔法の使用は授業でのみの許可」
よろめきながらも立ち上がる里流とペガサス。
今度は白虎への攻撃を任せて自分は校長と
直接ぶつかり合うことにした。
フラム・キャリバーを振り回すも
中々当たらない、というか当たったら大火傷だ。
縦、横、切り上げ。全てがどこまで届くのか、
どんな技が飛び出るのか、どんな被害なのかすら
全て理解の中だった。
「うおらあ!!!」
「どこを狙っているのかね?ホレ、こっちじゃ」
羅漢から更に突進、しかしいずれも掠りもしない
「なら…おらよっ!」
「うむ!…今日の夕飯に味噌汁は外せない」
「…!ふざけやがって…!」
横切りで何を閃いたのか豆腐とじゃがいもだった
ペガサスは勇猛にも(ホーリー・ドライブ)を
仕掛けるジャンプで躱されると、後ろから
(オーラアタック)で転倒させることに成功した。
足掻いて立ち上がってもその上から
ヒップドロップをかます。立っていられずに
潰れてしまったが、ここで里流が気づいて
(ファスト・エイド)で体力を回復させる。
しかしのその一瞬の隙に強い脳震盪を起こす
ハイキックでノックアウトした。
体が動く!と咄嗟にペガサスは
インファイトに持ち込む。自慢の脚から
高速の後ろ蹴りや蹄振り落としを放つも
あしらわれ、すり抜けられしまった。
そのまま15分。
結局ペガサスは胴を抑えられて羽をもがれて
消失。里流もヘトヘトになってぶっ倒れた。
「ど、どうなって…やがる…」
「ふむ!よくわかった。
…(ドレス・コード)を身につけるには
少々早いかもしれんな」
そんなことを言われてもと、疲れ果てた里流は
救われたような顔で力を抜いて仰向けになっている。ここまで攻めて打つて無しだ。
「あの日もこんなんだった。
突然目の前に現れた太陽に、
俺達はただ震え上がるだけ…
へっ、みっともねえや」
数日後…
一貴は魔導走行車運転免許をとりに
自動車学校へ来ていた。
「魔導車免許も結局は自動車学校で取るのかよ。
てか高校生なんて基本いねーんだな」
しかしのほほんとしているのも束の間、
最初の学科の授業が始まる際に隣に来たのは
なんと勝だった。
「…ん?え!?お前!なんでこんな所に!?」
「声でけーよ…落ち着けや、サル」
「ははっ、相変わらず口の悪いゴリラだなw」
流石に今の発言にはキレたか睨みつける
平謝りの一貴だが一つ気になった。
「なあ、なんで魔動車の免許受けんの?」
「必要になったからだよ…文句ねえだろ」
「なるほどねぇ、お互いに無免許運転経験者
ってかね」
一緒にされてむず痒い気持ちと口の軽さに
呆れる勝。無視して教本にメモを書き出した。
「魔導車は"魔導バイク"と"魔導四駆車"に別れる。
今日ここにいる18歳以下の子達はバイクだけ
乗れるようになるから気をつけてね」
「え、じゃあまた取りに行くのかよ、
同じ種類の免許だろ?」
「違う。あくまでも年齢制限がかかるだけだ、
流石にそこまでカネは取られないから安心しろ」
一貴は早速だが教本のバイクに興味津々だ。
「ボンネットを開けるとこんな風になってます。
特に魔素を入れる用機のメンテには気をつけてね」
「魔素ってガソリン?」
「…というより魔鉱石だったりする。
言うなれば、液体だったり個体だったりだ」
少し顔を歪ませる一貴。
うわ、ダル…と顔に書いたような表情だ。
「最後に魔導車動かすための魔法だけど、
プリファールすら使わないから安心してね」
「(アルティメット・ハイペリオン)なら
話は別なんだけどなー」
一斉に大半の人間の視線が集まる
「あ、あっはっはー…高校の先生はたしか
そういってたっけな!あはは!」
「…お前、ホント口に気をつけろよな…」
「悪かったよ…」
その頃、カラーレスビルでは
「…さて、黒男の件だけど」
「すみません、逃がしております
ですが必ずや捕らえますのて何卒」
「ふーん…ま、できるものなら、ね」
大空洞と幾つもの穴のある場所に出た。
待っているとあちこちに張り巡らされた
電線からフックが辿り着く
(ダイヤル・ゴンドラ)
そう言い放つと二人を囲むように壁ができ
ゴンドラが出来上がり発車した。
「ふふふっ…やはり、あの男は別格だね」
「課長、気に触れるようですが
現在のトップは以前として鬼島です。
ヤツに比べれば…」
「…攫ってきた人間を見てみるといいさ
鬼島がもし味方なら真っ先に僕は首を斬るよ」
ゴンドラが目的地に着いたようだ
「(…全く何を言うのやら…)」
講義が終わると勝から呼びかけられた。
どうやらカーチェイスの事らしい
「お前なあ、滅多なことするんじゃねえぞ。」
「んなこと言ったってよ…じゃあオメーら
暴走族で倒せば良かったのに…」
「倒してたぞ」
そういえばそうだったとふと我に帰る。
「…だが、流石にここまで悪さしているなら
話は違う、お前らなんか隠してんだろ」
「人聞きわりーなお前!?
てか言ったって信じねえだろ。
ていうか聞いたぜ、あの話」
「お前ら、クラスの女子拉致ろうと
してたんだろ」
「…!野上の野郎…!」
「オイオイ、こっちの話は終わってねえよ、
なんなら相談だけどさ
…手伝ってやろうか?」
閲覧いただきありがとうございます!
襲撃テロを支持する一貴の思惑やいかに




