第16話 「召喚魔法(リライズ・アビス)」
リライズ・アビス
分類 召喚魔術・化身解放
コスト 800〜Kcalと空気中の魔素粒子
(属性不問)
属性 無
己に眠る魂の写身を召喚する魔術
リライズ・アビス。
主人の真の姿は、術者の属性と運命力で
彩られており、信念と願いが形を作る
カラーレスビル、地下5階の会議室。
「…今度は鬼島に動きがありましたね
平尾台で大人3名が採れた…と」
「鬼島一人の活躍では無いと聞いた。
…確か奴は会社の御曹司とな?」
「はい。彼に信頼を寄せる者は多数いると
噂に聞いております。中でも特に"隊長"は
別格なんだとか」
「…そうか、ならば引き続き見張りを続けてくれ」
ゲームなんて謳っているが
やっている事はただの人攫いと原子化(エサ集め)
この吐き気が止まらない現実は
一体いつになったら終わるのだろう。
一貴達は三限が終わったあと四限の準備中に
突然野上から連絡が入った。なんでも黒男の
正体に繋がるヒントがわかったらしい。
「…と言うわけだが今日の放課後は空いてるか?」
「いーっすよ。あ、ただ二人には連絡しといて
くださいね?」
「野球部の福吉はともかく、
丘咲は説得してこい。アイツも暇だろ」
「うわあ…それ言っちゃいますか」
そして放課後…
3人は会議室に呼び出された。
「とりあえず、よく集まってくれた。
ここに呼び出した理由は他でも無い
取り調べだ。」
「てことは先日の空襲のやつですねー」
「まあそこいらについて聞かれる
ちなみに宮前はもう少し後で来るから
もう少し待ってくれ」
と、ここで以前先輩がいっていた魔法帳を
思い出す。せっかくなので聞いておいた。
「魔法帳は以前乱用事件があったからな…
一定の合格率を出さないと卒業のにまで
渡せない事になっている」
「でも記録簿ですよね?
そんなもんなら悪用のしがいが…あるか」
少し前に乱用事件が発生したのだが
その内容があまりにも悪質なので学校側は
対策を取らざるを得なかったようだ。
「免許証や資格証明書…それらの代理になるから
社会に出る以上は便利な物である事に間違いは
ない。お前らはこの事件の加担して無事だった。
素質があるから一言声を掛けるが
絶対に虚偽の報告だけはするなよ。
できない事をできますなんて言っても
混乱するだけだ。死にたくなければ口を濁せ」
真剣な顔に少し面食らうも言ってる事は
事実なので頷かざるを得ない
そのうち宮前と警察署の人が入ってくると
取り調べが始まった。
「えー、それでは先日は捜査に協力いただき
真にありがとうございました。
本日は拉致された側の状況も踏まえまして
積極的な言論を発表いただけら幸いです。
てはよろしくお願いします」
攫われた時、黒男の行動は覚えているかと
聞かれても気絶していて意識は薄れていた。
ただ、持っていたスマホから何かしらの操作を
するくらいには気が持っていたらしい
「…ってそれ気絶してたっていうより」
「痛みに悶えながら死んだフリ…だな」
宮前は赤面するが事態が事態。適切な判断だ
一貴達が追った時は先輩が残したスマホと
黒板の落書き、そして謎のダクトが新たな
情報源となった。
「工事の音が聞こえなかったのがビックリだよな」
「普通聞こえる筈だが…先生として不甲斐ない…」
宥めるも少ししゅんとする野上。
準備室の景色が変貌して、
突如結界魔術でタイムスリップ。
1945年の日本へ時空旅行だ。
「昔の学校て今よりシンプルな感じ!」
「物は無かったような時代だしな」
「俺は久しぶりに焼却炉を見たけどな…」
野上と遥秋に視線が向く。
黒男との死闘。そして敗走からの
生徒は合流で窮地を脱出。
「マジで不安しかなかったわ…
こんな年で死に目とか勘弁してくれよな…」
「あの時に魔法帳の存在知ったわ」
なお警察手帳にも引き継がれるらしい
警察手帳を犯罪者に掲示するだけでギブする
犯罪者もかなりいるんだとか。
そして体育館での再戦と合流。
事件が一件落着したその瞬間だ。
「野上先生!
またカース・エッジ見せて下さいよ!」
「…お前は自衛隊に行った方が良さそうだな」
カース・エッジがどうかしたのか聞いても
興奮したままの遥秋先生は答えもしない。
「お話、ありがとうございました。
ですが…流石に不明点が多すぎますね…」
「一つ一つ紐を解きますので
今日は一つだけ推定しましょう
お聞きしたいのは黒板の文字です」
黒板の文字は誰が書いたのか
一番初めに疑われたのは遥秋だ。
行動が不明瞭すぎる上に対応が出来すぎている。
しかし遥秋はここで財布からある物を出した。
昼ごはんでコンビニまで行っていたが、
その時のレシートを掲示する。
「…わかりました。このレシートは押収しますね
返却はどうしますか?」
「流石に大丈夫ですよ」
他の先生も既に聞かれているが
それらしき行動をしている人はいない。
ただ誰がそんな物を書いたか…だ。
ここで一つ考えが浮かぶ、
黒板の文字の犯人が黒男だったらとすると
どうだろうと。
「攫った本人がわざわざ書くか?」
「もし書いていたら流石に間抜けすぎるだろ」
一貴曰く、だったら何故結界なんて張って
迷路を作ったりしたのだろうと繋ぎ、
結局おって来なければ意味が無いことが
想定されるとした。
「たしかに…攫うだけなら結界は必要ない。
それは確かにそう言えますね」
「…そういえば黒男の詳細はわからないか?」
「申し訳ないが、unknownだ。
そもそもこの時代の人間かどうかすら怪しい」
上に逃げろの叫び、急変した態度。
白々しいにも程があるとしたら、
演技の可能性すらある。
結局話は纏まらずその日の
捜査は終わる事になった。
「じゃ、気をつけて帰れよ」
「はーい」
夕暮れの校舎をバックに一貴達は自転車を
走らせた。
次の日…
「よし、今日はまず心理テストをやってもらう」
「なんでですかー?」
「今日学ぶ魔術に関係するだ。
さあ、プリントを配るぞー」
学習機材をコピーしたプリントなので
少し安心する。手書きなら吐き気が止まらない。
終わったあとは解説だ
各回答で意味が深掘りされるが
的中率の高さに驚くばかり。
「当たってやがる…大きな音とかビビるとか
最近の降雨で発生した落雷の音とか」
「16にもなって雷で怖がるの可愛すぎーw」
「そう言うオメーはなんなんだよ」
「圧倒的なカリスマ性…かな(ドヤっ)」
「な、なんだと!?そんな回答…
ってお前題門ちげーだろ!」
結果を言い合ってワイワイしているところを
沈めると説明が始まった。
「さてと、今日はゲスト教師を"召喚"しよう」
「有名人!?」
「どうかなあ?…ふんっ!」
野上が力を入れると魔法陣が現れる。
赫い魔法陣からはツノの生えた大きな悪魔が
ふんぞりかえって現れた。
「うお…誰だあのオッさん」
「知らんか?お前らのよく知る悪魔だが」
「悪魔? …ソロモンとか!?」
「よく知ってるな、
だが今召喚されたのはアスモデウスだな」
異質な存在感、堂々とした態度。
まさに本物だが本当にアスモデウスなのか。
「そんなに気になるなら喧嘩売ってもいいぞ?」
「い や だ よ ! ?」
「ノガ先ってホントたまに
ドン引きする発言するよな…」
「さてと…この心理テストでわかるのは
召喚する自らの分身体の種類と属性だ!
自分の得意な属性についてしっかり向き合えよ」
そう言うや否や歓喜するものとしゃがむ者がでる
属性によってその者の得意や苦手が
ハッキリとわかるのだ。
例えば早さを象徴する空属性なら
体育大会で足が遅くても魔力装填が効くので
切り札としてリレーのメンバーに選ばれやすい。
武力を象徴する火属性なら格闘技やプロスポーツ
選手、場合によってはパフォーマーにと向いている。熱量が他の者と比べて違うのだ。
「え〜…俺地属性なのか…
火が良かったんだけどなぁ」
「でも召喚獣は牙竜類じゃん!全然当たりだろ!」
「いや…後輩が火だったらレギュラー外されそう」
「その考え方からしてオメーは地属性やな…」
「はっ…!」
「やりい!雷属性ゲットお!
就活終わったら遊びほけてやるわwww」
「でも闘獣種ってサルとかゾウだろ?
受かるんかねぇそんな思考回路で」
「五月蝿え!痺れ焦がすぞ!」
「おっかねー!山猿みてえな脳みそ!
昔遊んでたハンティングゲームにいたな!w」
その時後ろではその光景をくだらなさそうに
見ている人物がいる。勝だ。ようやく今日から
復帰していたが話しかける人物がいない。
「よ!お前はどうだった?」
「関係ねえだろ、
そんな事よりアイツらうるさすぎ」
「俺は氷属性の竜王類だったぜ」
「聞いてねーし…まあ、火属性の獣王類だよ」
「お!お前も当たりかよ!」
聞くだけ聞いて場を離れた一貴に溜息ひとつ。
居心地は悪くどうにもイライラしてしまうようだ。
「召喚分身は"類目"で別れるぞ
理科の授業で学ぶ生物分類学的階級とは
少し違うからな、覚えとけよ!」
階級は元々界から始まり門、綱、目、科、
属、種に分けられる。では類目はなんなのかと
言われるとこれらの階級をモデルにして
さらに大雑把にしたものだ。
例えば先程生徒の内で雷属性の闘獣種がいたが、
戦う獣を思い浮かべるなら知能が発達した猿や
愛する者を求めて戦うキリンなんかが存在する。
キリンはそれでもう分類があるから
魔素によって進化したことも踏まえると
さらに複雑化するため、学者が新たに類目を
作る事にした。たまにイレギュラーがでても
無理やりハメ括る事ができるのである。
心理テストは契約書になっている。
名前を書けば自動的に召喚分身を呼べるのだ。
ただし教材なのであえて不完全な状態でしか
呼べない。
昼休み…
「なあ、どんなやつが出るか召喚されるか
試してみねーか?」
「やるか!」
早速召喚する生徒もいた。が、一貴は控えている
「ん?カズ!オメーも行こうや」
「俺はいーよ、なんかお楽しみにしたい気分」
「ふーん、じゃあ俺は行ってくるわ!
先に出して使いこなしてやらあ!」
召喚魔法は
己の深淵より信念を形にして呼び覚ます魔法だ。
ただの召喚魔法じゃない。
現れた化身に、皆驚愕するのだろう。
丘咲もそのうちの一人だった。
閲覧いただきありがとうございます!
みなさんも自分の分身を召喚できるとしたら
何を召喚したいですか?




