表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/51

第14話 「エンター・ディベロップ」

〜エンター・ディベロップ〜

後悔しない選択肢を求める時こそこの魔法を

使うべきだ。エンター・ディベロップは分身を

作って別の行動をさせる魔法である。


火の攻撃が通じるのか、それとも水の攻撃が

通じるのかといった悩ましい状況で使うと

両方のうち通じた物のみが結果としてでる。


使った後は分身を戻して結果を脳裏で振り返る。

これで気に入った方を決定したら完成だ。

本物の行動を消しても、

死んだわけでは無いので安心して欲しい。

学校が再開して1週間が経った。

一貴達は平穏になった日々に少しずつ体も

慣れていっている。ついでに言うなら部活動も

再開されているので野球部の福吉は大忙しだ。


「ほい、約束の課題な」

「うわぁ、サンキューな!どれどれ…」

当然、高等学校の課題なので量こそ制限されても

中身は激ムズだ。一貴は先日の件でお礼として

一学期中は課題を少し手伝うと約束している。


「完璧だよ!マジでありがとう!

でも良いのか?いくら部活やってないって言っても

自習してんだろ?」

「良いの良いの。第一死に目に遭ってもらったのに

こんなんじゃ足りないかもなんて思うくらいよ」

なんやかんやで3人とも付き合いが良い。


5月の4週目、とある日の授業にて


「…よし、今日はVRを使って魔術を使った

戦闘訓練を行うぞ!2学期から本格的に

魔法を使った授業になるからここで体を

慣らしておくんだ、いいな!」

「またプリファールですか?」

「あー…それもそうだが…

とりあえずみんな、教科書の30ページを開け!」


ページを開くとそこには表が載っている。

題目は基礎攻撃魔法の一覧と書いてある。


「まずは"バブル"これは対象にぶつかると

強い衝撃を起こして破裂する泡を出すぞ。

新西!(ナンバー・バブル)の効果を答えてみろ」

「はい、雷のエレメントと合わせているので

弾けると対象を麻痺させる弱電衝撃波を起こします」

「よし!正解だ」


一貴は少し考えた。

この魔法はどっちかと言うと演出用だなと。

何故戦闘で使うのか気になって仕方がない。


「では次は"キャリバー"これは属性(エレメント)

刃状に伸ばして対象を切断させる。

じゃあこれは藤村!(ウェル・キャリバー)なら

どうなるか答えてみろ!」

「え!?えーと…」

「(美沙希ちゃん、ウェルは溶接って意味だよ)」

新西が悩む藤村美沙希(ふじむら みさき)

センドワール・ワードでヒントを与える。


「えーとー…相手を焼き切ります!」

「….まあ、ギリギリ正解としよう。

強いて言うなら炎のエレメントを合わせて

ゆったりと熱で溶かしながら切断する、だ!

それと…新西!甘やかしたらダメだぞ」

万智は頬を赤らめて謝るが藤村から満面の笑みで

感謝された。


こうしてその日は知るだけ知って授業が終わる。


「…なあ、俺らが使う魔法ってさ、

英単語の合成みたいなもんだよな」

「あ?あー、確かにな。それがどうかしたん?」

「いや…なんか引っかかるんだよ。

"ならなんで魔法以外で使う英語なんて

勉強する必要があるんだろう"ってさ」

「それな!過去形とか過去進行形とか

使い分けめんどくせーのなんのっての!」


それを聞いていた野上が口を挟む


「お前ら…死に目に遭って

よくもそんなこと言えるな…」

「うお!?びっくりしたー…

稲荷万次郎かと思ったわ」

「先生は怪談師じゃねえ…

そんなことより聞こえたぞ、

なんでも英語が面倒だなんてな」


野上は語る。英単語が魔術名になっているのは

その起源が海外だったかららしい。勿論日本にも

独自の魔素が繁栄していたので魔術そのものは

存在している。


だがとにかく扱いが難しかった。

それもそのはずで、魔法そのものが無限大の

可能性を秘めた力なので政治の実権を握る者は

必ず庶民に対する魔法への向き合いを考えて

政治を行なっていたのだ。


つまり、「免許証が必要」や「貴族のみ特別に

魔法の使い方を知ることができる」といった

感じで庶民との差別化を図っていた。

詰まるところ、庶民は魔法がなんなのかを

知ることができなかったのだ。


「だが海外の連中はそんな庶民にも

魔法を使わせる様に簡易な物を伝えた。

何故かわかるか?」

「え…言われてみれば確かになんでだろう…

技術を伝えるってことは何かしら代価が

欲しかったんだろうけど」

「カズにしては結構深い思考したな」

「うるせえよw」


何故わざわざ未知の相手に技術を教えるか。

答えるならば、"掌握するため"だった。


皇家(おうけ)は最初から賛成だった。

だが当時政治を支配していた連中は良しとしない

その連中は決まって貴族か武家だ。」

「確かに皇家そのものは武力を持たない。

お決まりのパターンっすわ」

「でも皇家は独自で魔法を使えたんすよね?」


確かに皇家は魔法を使えた。単純な武力なら

所持していた、が…


「皇家は自らが支配者である以上下の者に

手を出すわけにはいかないと考えたんだ。

そのうちに人口を増やされて戦争を繰り返し、

手出し出来ないうちに全く持って打ち勝て

なくなってしまったんだ」

「でも開国した…あ、その時に会ったんだ」


開国した時に皇家は外国と友好条約を結ぶ。

そして外国の魔術を味方につけた皇家は

独自の術と海外の膨大すぎる戦力を持って

最後の支配者こと将軍家を10数年の内に

倒幕してしまったのである。


「そして完全に依存させた…

粗方無理のある難題でも聞いて貰えるように。

味方したからという事実の為にか」

「それが社会だ。そして、自ずと日本独自の

魔術ではなく海外の使い勝手が良いものが

馴染んでいってしまったのだ。」

「だから英語が必要になった…」


途方も無い話に一貴と丘咲はうんざりするが

叛骨心みたいなものが芽生えた感じがする。


「今の俺たちは外国の言いなり…ってか。

ムカつくけど…依存せざるを得ない」

「過去の人間も大概だけど…

俺たち全員の責任なのかって言われると…」


そうこう話している内に帰りのホームルームだ。


「…というわけで、連絡は以上だ!

今日は担任の先生の代わりに俺が担当だったが、

明日から来ると思うからそのつもりでな。

じゃ、気をつけて帰れよ!」

「ありがとうございましたー」


帰り道

一貴は電車に乗ろうとするとふと思い出した。

宿題用のノートを引き出しに入れっぱなだ。


「やっべ…取りに帰るか…?」

「ええ!?ここまで来たなら帰ろーや…」


迷っていたがあの魔法を使う時が来たようだ。


「(エンター・ディベロップ)

おし!どうなるかなー?」

一貴の形をしたレイヤーが学校に戻っていく。


「うわ!なんやそれ?

透明のお前がフワーって…」

「まあまあ、とりま行こうや」


その日の夜、魔力を感知した一貴が振り返る。

「夕飯前だな、どれどれ…

あ!このノート、サトの約束の分じゃん!

あっぶねぇ〜…」

ノートは里流の物で課題を代行する約束を

していたものだ。


「よし、ディサイド!」

レイヤーが再び一貴の体に混じると静かに

目を閉じる。


目を開けるとどっと疲れが出た。


「おわ…やっぱ取り帰りはキツいわ」

言うや否や課題に取り組むことにした。

閲覧いただきありがとうございます!

平穏な日常を取り戻せてもわからない事だらけ…

黒男の騒動はもう少し続きそうですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ