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眷属の女性

アイヴィーは一度エバンビーク侯爵家の屋敷を更地に変えた。

その後、新しく屋敷を建て替えた。


アイヴィーはロードバル公爵として、ロード王国で押しも押されもせぬ権力を得た。

私はアイヴィーが16歳になった時に結婚をした。

国中の貴族が集まる結婚式になり、アイヴィー・ロードバル公爵の権勢を誇っていた。


そんな時、王都の冒険者ギルドに新たなAランク冒険者が現れた話が流れてきた。

王都ダンジョンの活動でAランク冒険者になる為には30階層制覇が必要だ。

オーガの壁を越えて、30階層の試練の間のガーゴイルを倒す必要がある。

ガーゴイルを倒すためには遠距離攻撃が必要になる。

しかしガーゴイルは俊敏だ。

普通の詠唱を唱える魔法では倒すのは困難だ。

そのため倒すには魔力球が必要になってくる。

魔力球が使えるという事は魔力制御が高いという事だ。

そうなると不老になっている可能性が高い。


その情報を聞いたアイヴィーは難しい顔になった。


「間違いないな。俺の同郷か、眷属だな。ちょっと冒険者ギルドで情報を仕入れてくるか」


私とアイヴィーは冒険者ギルドに向かった。

その途中の道で女性がこちらを見て微笑んでいる。

とても綺麗な女性だ。

黒い長い髪が特徴だ。

色白な肌と赤い唇が目を引く。

整った顔が冷徹な印象を与える。

その女性を見たアイヴィーが怒りに包まれる。


「貴様!よくも俺の前に姿を表す事ができたな!八つ裂きにしてくれるわ!」


アイヴィーの右手には魔力球が現れる。

微微笑んでいた女性が高笑いを始める。


「ハハハハハハ!全く変わってないようで安心したわアイヴィー!そんな物騒な物を街中で放つのは止めてね」


少し冷静になったのか、アイヴィーは魔力球を消した。

私はホッとした。

アイヴィーの魔力球は50㎝は超えていた。

あんな物を街中で放ったらとんでも無い事になっていたわ。

それにしてもこの女性は何者?


「あら?貴女が新しい眷属かしら?私もアイヴィーの眷属なのよ。ハルって呼んでね」


アイヴィーが歯軋りをしていた口を開いた。


「どこの眷属が主人に敵対するって言うんだ!お前は既に眷属でもなんでもなんでもない!」


微笑みながらハルは話を始める。


「あら、本当の眷属ってのは主人のためを思って動く事なのよ。私はアイヴィーの事を思って行動したのだけど…」


「それがあんなペンダントを俺にする事か!おかげで500年も魔力を固めて対処する事になったんだぞ!」


「そのおかげで貴方は感情を無くしていないわ。私は貴方の感情に死んで欲しくないの。その為には貴方と敵対してもしょうがないわね」


アイヴィーの感情を無くさせないために敵対するって…。

これは歪んだ愛情なのか。


「まぁ良い。所詮お前如きは油断さえしなければ俺の敵ではない」


「そんな単純かしらね」


ハルは右手にジャラジャラとペンダントを取り出した。

顔の表情が固くなるアイヴィー。


「これは貴方が500年していたのと同じペンダントよ。まだまだたくさんあるのよね。私は今、ハーランド神聖教国にお世話になっているの。いつでも復讐に来て良いからね。それじゃね」


そう言ってハルは立派な馬車に乗り込んでいった。

悔しそうな顔をするアイヴィー。

こんな顔のアイヴィーは初めてだわ。


「エルシー、またお前の強化計画の再開だ!」


な、何故に!?

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