新年祝賀パーティ
今日は新年を祝うパーティーが王家主催で行われる。
アイヴィーはまだ16歳になっていない為、出席ができない。
わたしをエスコートしてくれるのはお父様である。
王家主催の新年パーティーのため大勢の人数が出席している。
次から次へと挨拶をしていくが覚えられる訳がない。
だんだんと笑顔が引き攣っていく。
やっぱり私に社交は向いてないわ。
落ち着いたところで、ザインさんとソフィア姉さん夫妻が近くにいた。
ソフィア姉さんは相変わらず美しい。
「エルシー、また美人になったんじゃないの?こちらの料理美味しいわよ。食べなさいな。あとAランク冒険者になったと聞いたわ。それに学校でもA組の一位なんだって?」
ソフィア姉さんからローストビーフを受け取り一口食べる。
柔らかくとてと美味しい。
「まぁ、それなりに頑張っているかな」
「それなりで出来ることじゃないでしょ。やっぱりあのアイヴィーが関係しているの?」
「そうね。アイヴィーは凄い人よ。常識で測ろうとすると火傷するわね」
「あなた達が心配なのよ。アイヴィーは何か不気味なの。エルシーも注意してね」
「何も心配する事はないわ。アイヴィーは素敵な人よ。ソフィア姉さんもちゃんと付き合えば理解すると思うわ」
厳しい顔をするソフィア姉さん。
「エルシーはすっかりアイヴィーにやられているのね。分かったわ。それでも私は警戒を解く事はないわね」
「アイヴィーは私の夫になる人なの。ソフィア姉さんとも仲良くして欲しいわ」
「今のところはそれは無理ね。当分ブランバル伯爵家とは距離を取らせてもらうわ」
ソフィア姉さんは私から離れていった。
やはり世界征服にエバンビーク公爵家は立ちはだかるのだろうか?
一つため息を吐くと後ろから声をかけられる。
「失礼、エルシー・ブランバル嬢かな?」
振り向くと穏やかな笑顔を見せる青年だった。
艶やかな青色の髪、笑顔から見える白い歯が印象的だ。
懐に入り込んでくる笑顔だ。
全体的な印象は理知的である。
確か今年で22歳のはず。
この国の王太子のパウエル・ロードだ。
「これはパウエル様、はい、エルシー・ブランバルです」
「おぉ、やっぱりそうか。姉のソフィア嬢にも引けを取らない美しさだな。Aランク冒険者になるほどの剛の者と聞いておったからゴリラのイメージがあったぞ」
ご、ゴリラって…。
少しは言い方があるでしょ。
結構失礼な人なのか?
「私は婚約者のアイヴィー・ブランバルに付き添った程度ですから」
「謙遜することではないぞ。鷲の翼のカイドルとの決闘についても聞いておる。カイドルと言えば名前が通った冒険者だったからな。それを容易く倒した話は有名だ。それにロード王国高等学校ではA組の1位というじゃないか」
「ロード王国に貢献できるように非力ではありますが頑張っております」
「うむ、エルシー嬢のような素晴らしい人材が我がロード王国の礎だ。これからもよろしくお願いするぞ」
言いたいことを言ってパウエルは去っていく。
やはり社交は苦手だ。
お父様に言って、そうそうに帰る事にしよう。
その後お父様と合流し、少し疲れたから帰ると言ってパーティ会場を後にした。
家に帰ってからアイヴィーの部屋に行った。
吸血をしてもらうためである。
いつものように快感に身体を震わせていると、アイヴィーが途中で吸血をやめてしまった。
「エルシー、何かパーティで魔力を乱すものを食べさせられてきたな。血にその魔力の味がするな」
魔力を乱す物?そんな物に心当たりがない?
「ソフィア・エバンビークと今日は絡んでいないか?」
ソフィア姉さんと?
そういえばローストビーフを渡されて食べたわ。
「ソフィア姉さんからローストビーフを渡されて食べたわ」
「たぶんそれだ。魔力を乱す物をかけていたんだな」
え、それじゃ、もうアイヴィーに吸血してもらえないの!?
そんなの嫌!
アイヴィーは私の服に手を入れ、直接左胸を触る。
「何、眷属紋からそんな魔力は駆逐してやるよ」
胸から暖かい魔力が流れ込んでくる。
全身にその暖かさに包まれる。
「よし、これで大丈夫だ。それにしてもソフィア・エバンビークはやってくれるな。今後も注意をしていかないとな」
「ソフィア姉さんは、当分家のブランバル伯爵家とは距離を取るって言っていたわ」
「何かしら画策されると面倒でな。できれば少しずつエバンビーク侯爵家が孤立するようにしていきたいな」
その後、アイヴィーはまた吸血を再開した。





