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やっと着いた!
街に入るのには沢山の人が並んでいて、しばらく待たないといけないらしい。
しかし、日が上がっているときに着いて本当に良かった。
あぁ、ちなみに俺は黒髪黒目で八重歯が出てないように偽装してる。魔法の中でも吸血鬼の皇族でしか使えないような、最強のやつを使って。
「お次の方~。」
「アオイ、俺らの番だぞ。」
「あ、ごめん。」
門番の前に行くと門番が固まっていた。
「あの~、大丈夫ですか?」
「はっ!いえ、何でもありません。すいません。」
そう言いつつも、俺の顔をガン見してくる。
なんだかな~。
「あの、早くしてもらいたいんですが。」
リュウが声をかけると、ひっ!と言いつつも、やってくれた。
身分証がない人は金を払えば入れてくれるらしい。
ちなみに、金はどこから出てきたのかというと管理者が俺の《時の間》に大量に突っ込んでいた。
城が買えるレベルだった。
多すぎだろ。しかも、リュウの腰には小さなメディスン・バックの様なものが着いていたんだかが、それが《時の間》の能力がついた簡易型のものになっていて、その中にも大量に入っていた。
多すぎだ、管理者!
まぁ、そんなことで無事に入国出来た。
「まず、ギルドからいくか?」
「そうだな、場所も聞いたし行くか。」
歩いていくと、ドン!と言う感じで城の次に立派そうな建物が出てきた。
「あれだな。」
「興奮してきたぜ!」
「そうか?マンガの読みすぎだろ。」
目の前に着くとさらに迫力が凄かったが、リュウは気にせずどんどん前に進んでいった。
ドアを開けると中は想像以上にキレイだった。
カウンターがあったのでそこに向かう。
「いらっしゃいませ。
初めての方ですよね?」
「はい。登録をしたいのですが。」
「分かりました。」
机からごそごそと紙を二枚取り出す。
「お二人ともで良いんですよね?」
「はい。アオイ、良いよな?」
「うん、問題ないけど…。
登録したら、必ず依頼を受けなきゃいけないとかはないですか?」
「それは、ないですが、冒険者の特権を受けられません。身分証明書になるくらいですかね。」
「なら、大丈夫です。」
「では、これにお書きください。」
書く欄は性別、種族、名前、職業だけだ。
ちなみに本名でなくてもいいらしい。
俺は性別 女
種族 人間
名前 アオイ
職業 魔法師
…性別に女を書くときに手が震えた。
ちなみにリュウは
性別 男
種族 鬼
名前 リュウ
職業 侍
と、書いていた。
「これでよろしいですか?」
「はい。」
「では、カードを作っている間暫しお待ちください。
そこの冊子に詳しいことは載っておりますのでぜひ、ご覧ください。」
そう言うと、受付嬢は奥に入っていった。
ペラペラと冊子を捲る。
「アオイ、ランクCには直ぐなれそうだな。」
「そうだろうけど、俺には無理だぞ。」
「そう言えば、かくしてるしなぁ。」
ドタドタ!
「お~い!そこの嬢ちゃん!黒髪の!」
2階からおっさんが降りてくる、周りを見渡しても俺とリュウ以外には黒髪はいない。
「なぁ、リュウ、俺を呼んでるのか?」
「そうだろ。」