41話:龍王の娘
二章はあとこの話を入れて4話分続きます。
三章は短めに終わると思います、多分……
扉の方を見るとウォースパイトと同じ綺麗な銀髪と、こちらも同じく紅の瞳をした人でいう12歳ほどの少女がひょっこりと顔を覗かしていた。
話から察するにこの子が娘だとレイドとリリスはわかった。
「丁度ミレーティアが来たわね」
「……ママ、この人達は誰……?」
レイドとリリスの方をチラチラと見やりながらウォースパイトへと尋ねる少女もとい、ミレーティア。
「パパの友人よ」
「パパのお友達……?」
ミレーティアはそう言って頭に疑問符を浮かべながらレイドとリリスの方を見やる。
なのでレイドとリリスは自己紹介をする。
「はじめまして。アルミラースの友達のレイドだ」
「……レイド?」
「ああ」
「私はリリス」
「……リリス?」
「そう。よろしく」
少しの沈黙の後……。
「わ、私はミレーティア。よろしくなの、レイドお兄さん、リリスお姉さん」
「お兄さん、か……まあいいか。よろしくなミレーティア」
「お姉さん……んんっ。よろしくミレーティア」
お姉さんと言われて満更でもない様子のリリス。
そしてミレーティアはレイドの方へと近づき――思いっきり抱きついた。
流石はドラゴンなのか、子供にしてもそこそこの力がある。
レイドはそれよりも、突然抱きつかれたことに疑問符を浮かべる。
「むっ……」
隣で頬を膨らますリリスの姿。
それによってさらにわからなくなってしまうレイドに、アルミラースが言葉を掛けた。
「どうやら懐かれたようだな」
「……ミレーティアにか?」
「そうね。アルミラースの言う通り、どうやらミレーティアに懐かれたようね」
「……レイドだけずるい」
突然そんなことを言い出だすリリス。
どうやら先ほどの反応はミレーティアが、自分ではなくレイドに抱きついたからのようだ。
「あらあらミレーティアは人気者ね」
うふふと上品に笑うウォースパイト。
「では食事にしましょか」
「そうしよう。お腹が空いた」
「俺もだ」
「私も」
「ミレーティアも!」
みんなはお腹が空いており食堂の方へと移動をした。
移動の間もミレーティアは何故かレイドから離れようとはせず抱きついたままだ。それを羨ましそうに見つめるリリス。
それから楽しく談笑しレイドは自分が元勇者で今に至る経緯を話したり、リリスと仲良くなったりとしているとミレーティアがウトウトとしだしていた。
「っと、結構話してたな。そろそろ寝ようと思うが、俺達はどこで寝たら良いんだ?」
「もう遅いわね。そうね、アルミラースお願いできる? 私はミレーティアを寝かしつけてくるわ」
「ああ、頼んだ。レイドとリリスは私が案内しよう」
ちなみにアルミラースが『我』と言っているのはたんに威厳を見せているだけであり、普段は『私』や『俺』と言ってる。
今日は解散となりアルミラースの案内で部屋へと案内される二人。
だが……
「……おい。ここで寝れと?」
「そうだが? 何か問題でもあるか?」
そう言う問題ではなかった。
「二人でこのベッドで寝れと?」
「別に構わんだろ?」
「いや――」
「問題ない」
「そうか。では私は行く」
「あ、ま――」
リリスに腕を引っ張られたレイドは最後まで喋ることなく連れて行かれるのであった。
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