解説スキルは高性能すぎやしませんか
短いです
虫型魔獣またはモンスターの生態についての本をめくっていくと思った通り、蜂の項目がある。
ビンゴだ。この世界には蜂がいる。
私は早速知恵の泉に聞いてみる。
「この世界ではちみつの入手は可能ですか?」
(可能)
「市場価格はどれくらい?」
(時価、かなり高額である。また市場に出回ることはほぼない)
おおっと何だか雲行きが怪しい。
「理由は?」
(はちみつの入手はとても困難を極めるからである。はちみつは蜂型モンスターからしか取れないため、貴族に依頼されハンターたちが採取をする)
なるほどこの世界には貴族がいるのね。それにハンターも。テンプレだ。
ところでそろそろ私の脳みそが限界である。知恵の泉は高性能すぎて使っていると頭痛がしてくる。
情報をじかに無理やり脳みそに入れられている感じだ。
「通常の蜂の主となるエサは?」
(動物の死骸、また生きているものを襲うこともある)
なるほどこの世界の通常の蜂というのは肉食系か、スズメバチみたいなのかなマジヤバイわ。
(スズメバチ、該当項目がありません)
これも質問として扱われるのか…
次が最後の質問になりそうだ。何だか頭が焼けているような錯覚を覚えだした。
「この世界における、動物や虫のモンスターや魔獣それと通常のとはどう分かれているの」
(通常のものとモンスター、魔獣の区別は魔力を持っているか否かである。魔力を持っているものをモンスター、魔獣と呼ぶ。モンスターと魔獣の区別には明確なものはなく、大きさや攻撃性などを総合的に人間が判断して分けている。主により大きく攻撃的なものを魔獣と分類している。その歴史は…)
私はまだ続きそうな解説をスキルをオフにすることでぶった切る。
とりあえず欲しかった情報を手に入れることができたが疲労感が尋常ではない。
少し仮眠をとりたいが寝てしまったら地球に戻ってしまう。
というわけで神託スキルオン。
「神くん聞こえる」
「感度良好、どうぞ」
いや無線じゃないんだから。
「一度言ってみたかったんだよね」
たしかにちょっと中二心がくすぐられるセリフなのは否定しないが…
「でしょ!いや~わかってもらえてうれしいよ。で要件は何?」
「二時間寝たいから、二時間経ったら起こして。それと地球には戻んないから」
「りょ~か~い」
私は床に横になって薄手の毛布をかける。
これがこの世界の普通なのかもしれないがさすがにベットか敷布団くらいは欲しい。
とりあえず家具を充実させないとなと思いつつ眠りについた。