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神くんに報告

 地球に戻って自室で目を覚ました私を神くんが上からのぞき込んでいた。

 文字通り上からだ神くんは浮いていたからだ。


「お帰り蓮ちゃん、だいぶうなされて汗をかいていたけど大丈夫かい?」


 とりあえず私は上体を起す。そしておかしなことを言われていることに気が付いた。


「その大丈夫はルーちゃんに言うべきだと思うんだけど、私が寝ている間はルーちゃんの魂しか私の体には残ってないんじゃないの」


「確かにそうだけど異世界にいる君の状態が椎名蓮に一切関係しないってこともないよ」


 それは初耳であるてっきり寝ている間の私の体はルーちゃんの魂だけが関係して、起きている間は私の魂だけが関係するのかと思っていた。


「それは違うよ、蓮ちゃんが異世界にいても体とのつながりが薄くなってるだけだから強い感情とかは体に影響するよ。それと起きている間もルーリアル・マティアの魂は蓮ちゃんの中にあるから彼女の感情にも影響されることもあると思う」


 初耳のオンパレードである。

 ルーちゃんが起きている間にも私の中にいる?少し変な感じだ。寝ている間は私の魂がルーちゃんの体にいて、空になった椎名蓮の体にルーちゃんの魂が入ってるんだと思っていた。

 で、私が起きてる間はルーちゃんの魂は神くんが管理しているもんだと勘違いしていた。


 ん、待てよ、神くんの説明なら今ももしかして私の魂はルーちゃんの体とつながってるのか?


「その通り!」


 いやその通りじゃない。

 これかなり大事なことだと思うのだがなぜ言わなかった。


「大したことじゃないと思って、それに体を空にしておけないって説明したじゃないか」


 あれで説明したつもりになっていたのか、雑すぎる。

 ごめんね、てへペロじゃないわ。


「それで大丈夫なの?何かあった?」


 神くんは異世界にいる間の私のことは見えないのだろうかと考えたら、管理している神が違うため見ることはできないが神託を通してなら会話が可能といわれた。

 なるほど神託のオンオフは私の筒抜けのプライバシーの最後の砦のようだ。


 とりあえず私はリコルちゃんと会話をしたこと、その時とても怖かったのと緊張していたからうなされていたのではと伝えた。


「頑張ったね」


 え?

 神くんは私のベットに腰かけて私と目線を合わせてきた。


「だって会話ができたんでしょ。今までずっと家族とも会わずに、誰とも会話しなかった蓮ちゃんが薬を渡さないといけないっていう思いがあって、なおかつ顔が見られないってわかっていたからにせよ、そのリコルちゃんと会話をしたってすごいことだと思うよ」


 若干ディスられてる気がするがそれでも人と会話をするという当たり前だけど私にとっては何よりもつらいことを当たり前のようにほめてくれた。

 そのことに私は胸が熱くなっていく。


 やばいまた泣きそうだ、神くんの前でもう一度泣くのは何だか悔しいのでぐっとこらえようとする。

 神くんが苦笑したのが見えた、もう目はにじんできているが涙がこぼれるのを必死に我慢する。


「しょうがないな~」


 神くんは私を抱き寄せて私の顔を肩にうずめさせた。


「ほらこれなら見えないから泣いちゃいなよ」


 めちゃくちゃ悔しい、何かに負けた気がする。

 何にと聞かれたが知らんとぶっきらぼうに答える。


 涙はもうあふれてきていたが私はせめてもの矜持で声を出さないようにこらえた。


 それもばれているからか神くんはよしよしとか言いだしたのでとりあえず腹パンをきめておいた。

ちょっと恋愛要素が出てきたような、ただのギャグのような…

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