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妄想のメシア  作者: 柊 潤一
ボスを目指して
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次の村への出発

 最初は戸惑っていたあつしも、今はゾーイと楽しそうに話し、食事に舌鼓をうっていた。


 センタと凪沙も、給仕に着いた村の娘が取り分けてくれる料理をセンタが凪沙の口に入れてやり、また凪沙が箸でセンタに食べさせてやっていた。


 その間にも村人は楽器を演奏し舞い踊り、村に訪れた平和を喜んでいた。


「なぁ、凪沙さん」


「なぁに?」


「この食事ってさぁ、いつお腹がふくれるんやろ?」


「さぁ?確かにずっと食べてるけど全然お腹いっぱいにならないわねぇ。でも、美味しいものがずっと食べられるんだからいいじゃん」


 凪沙はそう言いながら食べ続けている。


 センタはもう充分食べたと思った。


 そう思うと急にお腹がふくれた気がしてきた。


 その時、村長が宴席の中央に立った。


「さぁ、皆の衆。宴のフィナーレじゃ。救世主さまを送らねばならん。みんな、集まるが良いぞ。ささ、救世主さま、こちらへ」


 そう言うと、村人は村長の周りに集まり、センタとあつしと凪沙の三人は村長のそばに寄った。


 村長は、腰の高さまである小さなテーブルの上に、ボスが落とした二つのものを置いた。


「さぁ、いきますぞ」


 村長はそう言い、四角い箱のくぼみにもう一個のものをはめ込んだ。


 皆はかたずを飲んで箱を見つめた。


 箱は、はめ込まれた物のまわりが円形に半周回転し、真ん中から左右に別れて丸いくぼみが出来ると、中から半円の球体がせり上がってきた。


 そして、球体は輝き、虹色のまばゆい光を出してサーチライトのように大きく空を照らした。


 虹色に照らされた雲がザワザワと騒ぎ、その中から金色の龍が三匹、最初は小さく、そしてだんだんと大きくなり、絡み合うように、また舞う様に空を泳ぎだした。


 皆はその美しい光景に見とれた。


 三匹の龍は、遊ぶ様に戯れながら、やがて寄り添い、回転し、球体となって地上の広場に降りてくると消えた。


 そして、そのあとの空間には丸くゲートが現れていた。


 ゲートの向こうには、鬱蒼とした森に囲まれた村が見えていた。


「あれが次の村ですじゃ。あなたがたのお陰でこの村も平和になりました。サエも喜んでおりましょう」


 村長はそう言って、センタとあつし、凪沙、三人を見て


「どうか、魔王を倒してこの世界を平和に導いてくだされ」


 と言った。


 そして、センタと凪沙の手を取り


「どうかお二人で、サエの分まで幸せになってくだされ」


 村長は涙ぐみ、センタと凪沙は神妙な面持ちで村長の言葉を聞いていた。


 あつしは、ゾーイとの別れを惜しんでいた。


 二人は抱き合い、見つめ合ったあと、長いキスを交わした。


「さぁ、次の村で皆待っております」


 三人は、村長と村人たちに見送られて、そしてあつしはゾーイとの別れを惜しみながら、ゲートをくぐっていった。



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