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ぼくは。  作者: 青夏まーく
2/6

傍観するもの

ここに一人

とある世界から


ハチノヘ ヒロカ


という存在が消えた様子を観ている者がいた



「くくっ、行ったいった…間抜け面」


その者は月のような金糸の髪をもち、深い緋色の瞳をもつ

その瞳は少し吊り上がっており口元は弧を描いている

糸のような髪は長く、床に着くほどの長さであるが痛みを知らない

流れるような四肢には程よく筋肉がついており、積もり立ての雪のように白い肌


長袖の白いチャイナ服には銀の糸で花の刺繡が施されている

履いているのは脚の形がよくわかるタイプの白スキニー


その者は眼前の水面に映る映像を見て満足そうな笑みを浮かべて、

節くれだった人差し指を自分の口元にそっとあてる



「満足そうだな」



凛とした声が金糸の後ろから聞こえる

その声はどこか不機嫌だ

不機嫌な声の主は

黒いイブニングドレス

黒いフードがついたケープ

黒いロンググローブ

黒い編み上げのロングブーツ

黒い髪は緩くウェーブがかかっており、ハーフアップで腰まで長さがある

黒いつりがちな瞳は金糸をうつす


全身黒のオンパレードの中にひとつだけ違うものがあった

腰の黒のベルトに、金、銀、ブロンド…様々な色の無数のカギが

1つの輪にまとまってついている



「おーおー、んな怒んじゃねーよ

ちゃあんとお代は払ったろーが」


金糸は黒髪に向き直って悪びれずに言う


「まあそうだが…叱られるのは私なんだぞ」


「お前はアレに気に入られてるだろう。叱られたとしてすこーしだろ」


「はぁ…まったく私のお人よし加減にも呆れる。

 …奴は路頭に迷うぞ」


「ふぅん。それは予言か?」


「いや、摂理だ。お前は介入する義務があることを忘れるなよ」


金糸は黒髪からの忠告を聞くと、水面に向き直る


「…あぁ。…さぁ、取り敢えず独りで、そのくそつまんねぇ道をぶっ壊すんだな」














八戸 尋夏は森の中だった


「…え。」

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