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ぼくは。  作者: 青夏まーく
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突然すぎてよくわからない

ぼくの名前は八戸 尋夏

字だけ見ると女っぽいけど、高校生男児

今は五月。ぼくは今年の春から一年生

この時期だと、普通はもうグループができてて、仲いい友達なんていうのも、

普通ならいるはずなんだろう

だけどぼくはいまだに、クラスに馴染めずにいた


かろうじて隣の机の生徒は挨拶をしてくれる程度


「おはよう」


挨拶を返し、リュックを机のわきにかける

ネイビーのスクエア型でたくさん入るリュックだ

椅子を引き座りスマホをいじる



ぼくは取り立てて、これといった特技がない

特徴もない

地味

黒髪、茶色っぽい目

顔は…普通だと思う…

痩せてるわけでも、太ってるわけでもなく

筋肉があるわけでも、貧弱なわけでもない

しいて言えば、めがねをかけていることくらいだろうか

そう、何においても普通、なのだ。


こんな普通のぼくでも、人と違うことがひとつだけある



夢見がちがすぎる



ということだ



もし空から女の子が降ってきたら…

実は自分にはかわいい許嫁がいるんじゃないか…


とか

考えてしまう

高校生にもなって恥ずかしい、ことかもしれない

以前中学生の時にぽろっと仲良くしていた友人に言ったら、


お前ってメルヘンチックだな

と褒めてるのかけなしてるのか…そんな言葉をもらった

いやきっと悪気のない、けなしなのだろう


もちろん想像に四六時中浸っているわけではない

ふとした瞬間考えて、また現実に戻る


寝る前に、明日になったら何かが変わってるんじゃないかと

思いながら眠りにつくのはもう習慣化している


と軽く自分語りをしてみたものの

ほんと特になにもないなぁ…


別に悪いとは思ってないけど


特になにもないまま学校が終わり、

部活にはってないぼくは一人で帰路に就く


ぼーっととりとめのないことを考えながらのそのそと歩く


「(いや別に人気者になりたいとか、そういうことじゃないんだ。

ただ…ただちょっと変わらないのはつまらいから。ずっと同じはつまらないから)」


悶々と考えたところで行動に起こさなければ、

何も変わらないのは、身に染みるほどわかってるつもりだ


それでも変わらなかったのは…


なんでなんだろう…


変わることが大変だから?

面倒だから?

怖いから?



「わからん…」


そうこうしているうちに家の前にたどり着いた

リュックのフロントポケットにある鍵を手搾りで探し、

鍵を開けて中にはいる


「ただいま」


この一言を最後にぼくはこの世界から消えた

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