八話 「愉快」
柳は街中を散歩していた。
「はぁ~」
散歩するほどにやることがない、そんな感じであった。
(弘太にも友達か~、初めての事だし良い思い出になれば良いんだけどなぁ)
(レーダーには異常エネルギーも探知されてないし問題ないか、まぁここの担当の能力者に少し遠ければ任せるが)
(ん~、このまま街を回るかな)
そのまま街の中を徘徊していった。
「さて、泥の片づけを始まる!」
「おおー!」
「……おおー」
3人は泥の片付け作業に入った。
「朝からあってどれくらい経ったっけ?」
「40分ぐらいだよ」
「割と時間経ってないね~、今日もいっぱい遊ぼう!」
「うん、楽しもう」
「……コウタさんは明日までしかいないの?」
「……そうだね」
「もう来ないの?」
「……また来るさ、ユーリやエミル達に会いたいしね」
「……その時もまたたくさん遊ぼうね!」
ユーリは満面の笑みを浮かべた。
「その時は3人一緒で遊ぶだけじゃなくて別の事もしようよ!」
「例えば?」
「……お互いのまた会うまでの思い出を語るとか?」
「……うんいいね、自慢出来る体験をいっぱい作ってくるよ」
「僕もたくさん思い出作るからな!覚悟してろよ!」
「……負けないよ」
「私も負けない!」
「っと、終わりだー!」
「ふぅー、やっと終わったか」
「……疲れた」
「少し休もう」
弘太たちは近くのベンチに座った。
「……ハァ~」
「掃除してから40分経ってるな、2時間半ぐらいでお昼だな」
「うん、時間たくさんあるな」
「……コウタさん、お昼、一緒に食べてくれますか?」
「良いよ、柳さん……おじさんからお昼代もらってきてるし」
ユーリ「いや……うちで食べて欲しいんです」
「……良いけど、行って大丈夫なのか?」
「!!……うん、大丈夫!」
「パパは仕事行ってるしママは家に居るけど知らない人じゃないし大丈夫だよ」
「ならいいんだが……そろそろ休みを止めて遊ばない?」
「それもそうだね、よし、やるぞー!」
「頑張る!」
3人は雪で玉を作り始めた。
「ふふーん、もう20個作ってるもんね!」
「まだ7個……」
「……」
弘太は黙々と雪玉を作っていた。
「すげぇ……えーと、1、2、3……もう70個も作ってる……」
「凄いよコウタさん! まだ5分も経ってないのに!」
「褒めてくれてありがとユーリ、作業するの慣れたからかな、早いのは」
「へ~、ねぇねぇコウタさん!今までどういう事してきたの?」
「……う~ん、そう言われても何かあったかな~」
「絶対何か凄い事してるよ!」
「僕はコウタが何してきたか知りたいなぁ」
「エミルまで……ハァ、楽しい事じゃないけど一つだけ教えても大丈夫?」
「うん!大丈夫!教えて!」
「……僕、実は人助けをしてるんだ」
「人助け?ってことはたくさんの人を助けてるってこと?」
「それって凄いことじゃん!コウタはヒーローだね!」
「……そんな名で呼ばれることはしてないよ、さて、雪玉は作り終わったよ僕は」
「100、101、102……200個、まだ10分しか経ってないのに……300個作るぞ~!僕は!」
「……50個作れれば良いや」
「ユーリ、手伝おうか?」
「!……うん!」
「ずるいぞ!くそぉー!一人で300個やってやるからなー!」
雪玉を作ってる3人はとても楽しそうだった。
エミルは対抗心を燃やし、ユーリは弘太といて何か幸せそうな笑顔をしていて、弘太はそんな2人と遊んで子供心が復活している。
15分後
「ハァ……ハァ……300個できたぞ!」
「おお!凄いよエミル!」
「15分でよくできたね~」
弘太とユーリはゆっくり作っていた、2人ともとても笑っていた、ユーリが弘太と仲良くなれてよかった、僕たち兄妹以外は同い年の子いないしユーリも久々に笑ってくれたし。
(ふむ、仲良さそうで良かった、また会うときもこうして遊べればいいなぁ~)
「さて、雪玉の数は多すぎるほどにあるし、やりますか」
「ああ!手加減しないぜ!」
「3人だけどどうやって分けるの?」
「……チーム組みはなしで個人で分かれてやる?」
「うん、全員ライバルってことだね」
「負けないよ!」
「よーし! 全員離れるぞ!」
3人とも別々に離れた、弘太だけ着いた場所で雪で壁を作っていた。
(弘太もう壁作ってるよ……僕も……!)
(お兄ちゃんには負けないぞー!)
……みんな準備はできた、後は……
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」