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黒絶草   作者: Outsider
第一章 「虚憎」篇
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八十七話「雷命」・中編

今週と言いながら、2か月経過しましたね(白目)

本来なら一話で完結する予定でしたが、三部構成になりました。

本当に申し訳ない。後編が長くなると予想されます。

まぁ、進捗自体は進んでいるので悪しからず。


(機を見てマリヤへ入る……!)




 歯車のダバーソンと交戦中の弘太は確実に撃破すべく、自らの空間へと引きずり込む算段を立てた。相手との交戦データをサーバから引き出してこの機械からだにフィードバックすれば奴を確実に連れていける。




「Kick……!」




 右足を青の靄で覆い始めたタイミングと同時に一息ついた身体は地面を両足で踏み、刃と化したドロップキックをダバーソンへと浴びせる。




 ダバーソンは腕の歯車を最大限に稼働させてはその腕で彼のキックをまともに受けず、ボディーへの直撃を回避。




(威力が分散したか……!)




 着地した弘太がマリヤを生成しようとした直後。




「キャァァァァァァァァァァァ!!!!!」




「何が―――――――!!?」




 完全に油断した隙を突かれた彼の腹部に直撃している腕の歯車はさらに回転し、次第に身体を抉るように巻き込んでいく。




 焦燥に駆られるも引き千切られまいと腹部にエネルギーを集中させながら、ダバーソンの腕へ強い打撃を食らわせるも回転が増す歯車はその威力を消していく。




(――――――――ッ!!!)




 奴の頭上にヤモリを展開、その先の空間にはマシンディノープがスタンバイしており、まさに今落下する瞬間であった。




 ダバーソンは驚いてすぐ離れようとするも回転を止めた腕はガッチリ弘太に挟まれており、こちらから抉りに来た為に容易に引き抜くことは出来ず、怪人はそのままバイクの下敷きになる。離れた弘太は血と冷却用の水の漏れ出た傷を無視して、一階へと降りていくが……聞こえてくる筈の女性の声はなく、砕ける音と肉のような何かが潰される気色悪い物音しか耳に入ってこない。




 降りた直後に視界に飛び込んできたのは辺り一帯に散る血液と女性の上半身を完全に呑み込んでいるダバーソンの姿だった。




 歯車は回転を再開、獲物を捕食するように女性の身体を潰し無惨にも骨の入り混じった肉片が散らばる。大半は歯車に挟まっているが次元エネルギーによって、一瞬にして消し去られてしまう。




「―――――――――」




 絶句の一言……だが、ここで動かない訳にもいかない。咄嗟にアモリからD-02を持ち出してトリガーを引いた。しかし、“2体目”のダバーソンはそのエネルギーの銃弾を悠然として受け止めてしまった。まるで風を受けているかのように微動だにしないその姿は最早恐怖だ。




 人を食い殺した狂気は未だ止まる事はない。回り続ける歯車は軋りと音を立てながら……消えた。




(―――――――逃げた、ではなく単純に興味を失くしたのか?)




 奴は次元の世界へと帰った。




 嗚呼、何という事だ。また守れなかった。言い訳にもならない。何度目だ、何度繰り返してきた。本当に……どこまで繰り返すつもりだ。




 “後悔”と言う覚えてしまった感覚、“希望”と言う覚えてしまった期待。以前までの彼は感情を持ち合わせていない。こんな世界でなら尚更だ。だから……。




(―――――――西幸様?)




「こんなの……」




 “望んでいない”。その言葉を涙と共に胸に呑み込んだ彼はバラバラの女性から離れた。いや、逃げてしまったと言っていいだろう。少しずつ溜まっていた淀みは一滴ずつ器から漏れていく。




 それを誤魔化す様に弘太はこの事件を早急に解決しようと考えた。怖い、怖い、怖いんだ。いつか自分が皆を守れなくなることを。違う、もう守れていない。エミルとユーリを守れなかった……!




 あの時、復讐を立てた。なのにその復讐ですら果たせていない。それだけでは奴を倒せないのは分かっていた。だから、恋も、愛も、友情も、愛情も、欲望のままに手に入れたんだ。それが苦しい、苦しくて仕方がない。前までは死体なんてゴミと同然の扱いだ。殺人マシンとして適切に処理をしていれば良かった。




 思い出してしまう。エミルとユーリの死んだ日を、2人の死んだ瞬間を。山のように積まれた継ぎ接ぎの子どもたちを。あの異常を目の前にした時間から抜け出せない。それを掻き消そうと、あの被害者の女性を追い始める。




















___________________________________




「なんだ?」 




「いやな、お前が時々おかしいのは分かってるんだ。 だが最近はそれよりも違うと感じるんだが?」




「ん? いつも通りじゃないか?」




 どうにも違うらしい、そこまで変化があるのだろうか。




「……なんだ? もしかしてルリーヴとか怪人の事について言いたいのか……?」




「まぁ……それも含め言ってるな」




 それを考えると確かに否定できないかもしれない。自分のどこに変化があるのかは皆目見当つかないが。それにしたって、不思議なのはあの夢のような光景だ。どこか遠い場所での出来事なのは明白だが、それがどこの物なのかは検討が付かない。




 そもそもアレは……今なのか?




 ふと、そんな疑問が脳裏を過る。どんなに疎くてもあの服装や武器はあまりにも我々の知るものと違う。心なしか材質も良さそうと来た。一度触ってみたい気持ちに駆られるものだ。




 銃からしてだ、かなり小型のもので自分の知る物と同じ要領……いや、より簡易的に使用されてた印象だ。とても同じ世界を生きているようには思えない。何て言えばいいだろう、あれは未来とも言うべきなのか。明らかに技術の水準が高い、それも数年程度では追いつけないと考えられる。




 だとしても何ともおかしな話だな。何故ルリーヴを通じて、遠い先かもしれない奴を見ているなんて。それとも幻覚か何かとも考えたが仮にそうだとしても、それを俺に見せる意味とメリットが見いだせずにいる。




 そう考えていく内に少しずつ頭の中に朧げなイメージが浮き出てくる。偶然なのか必然なのかは分からない。ただ彼に言えるのは。




(アイツ、何しでかすんだろうな)




 冗談の入り混じった期待を載せた夢のような現実を楽しそうにヴィオは受け入れた。









正直どれだけ早く言おうとしても2か月更新になりそうな気がするので、このペースで当分行こうかと。

何を今更って感じですがね。

急いでクオリティ下げるよりはマシだとは思うので2か月使って後編じっくり完成させます。

リアルの事情が事情なので、そっち優先になりますが余程の事がない限り失踪することはないので、今後もご愛読していただけると嬉しいです。

ではまた次回までに。

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