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黒絶草   作者: Outsider
第一章 「虚憎」篇
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八十一話「耐時」

また遅くなりましたが、更新です。

もう少しで投稿してから早2年になります。(後1ヶ月ほど)

リアルが変わらず忙しかったり、サボりたいと思う時もありますが何とかやってきました。

失踪は余程の事でないと、しないので気長にお待ちいただければと思います。










 ジープを運転し後部座席にいる二名に話しかけるヴェルズは今後の予定を喋り始めた。


「えーと、ロズトルまでまだ時間が掛かるので説明をするね。 弘太、レオ、まず質問とかある?」


 最初に口を開いたのはレオであった。


「俺から。 さっきの戦闘であんたは何をやったんだ? それに剣を使ってるのも珍しい様子だった」


「あぁ、そのことね。 詳しくは言わないけど、過去の任務で大失敗を犯しちゃってねぇ。 それがきっかけで武器も変えて、前よりも兵器の開発に専念してるだよね。 いやぁ、失態、失態」


「ふーん……」


「で、戦闘で何をしたかだったね。 答えは簡単、僕の能力だよ」


「……移動速度、ではないよな?」


「違うね。 僕のは“時間停止”……かな?」


「……? 何故、ハッキリしない?」


 ヴェルズは少しの間、沈黙を保った。正直に言えば、彼自身も完璧に把握できていない。時間を使用できるが、それが停止だけさせるのか……と。


 能力自体の発現は15……16年前の“秘匿記録:D-99”と称される『戦争』と差し支えない戦いの中で、確認された。


 恐らく、この戦いが人類が二度目に経験した戦争である。一度目はヴィオ・バロックが存命した時代に起きた。創無との争いに疲れ切った我々、人類にとって人間同士の戦争など行う余裕がなく、異なる生命体の存亡を懸けた戦いを軸に文明を発展させている。

 

 その中でも、秘匿記録:D-99は人類の分岐点とも言える。現に現役だった能力者の殆どが戦死し、僅かなベテランと若手の我々しか残されていない。


 正直、5万人も満たない人数で全世界を守るのは無謀だ。そして、最も重要なのがこの戦争において、“時間”に関係した異変が起きている。


 当時6歳の私の能力が突如覚醒したこと。それと今行くロズトルの時間停止……他にもあるが、大事なのはあの場にそれを引き起こす“何か”が居たことだ。


 あの日、15年前の私はそもそも戦場に居なかった。6歳なら、尚更戦力外と言うものだ。だが、この男の原石はもう遅かったのか、この時点で既に完成してしまっていた。


  図書館に籠り、ひたすら本を読み漁っては新しい本を読む。ジャンルは雑多であったが、その中でもミリタリーものが多くを占めていた。


 しかし、決定的に違うのは彼はまだ純粋であったことだ。冷めきったこの界隈で一際熱くさせるくらいの真っ直ぐな少年だ。


 その彼が今のような性格になるのは、また別の話であり……いつかの日、少年だったヴェルズも戦闘に巻き込まれた。


  これをきっかけに彼の異能力は覚醒し、彼を襲った創無も同様に時間を操ることができた。


 あの秘匿記録において、時間と言うものがどれほどの重要なのかは一目瞭然だ。ロズトルも同じように時間を停止させる創無によって、全てを停止させられた。


これらの事から、あの日の殆どが時間を停止させる出来事に関連しているが……ヴェルズの場合はそうと言い切れない。理由は一つ、難しい話ではない。


「制御できてない……ね」


「恥ずかしいことにね。 停止だけ使うのなら問題ない筈なんだけど、それでも誤作動を起こすんでね。 時々“加速”するような現象を確認できてるんだけど、一瞬の出来事過ぎて詳細を今も掴めていない」


「それで曖昧な訳か……俺からは以上だ」


「―――――――もうそろそろ着くね……弘太?」


「……ああ」


「考え事かい?」


「少し」


「……着いたよ。 付近のスペースに停まるね」


 一目で分かるほどに、本当に全てが止まっていた。


 遠目でも空を飛んでいる筈の鳥は宙で動きを止め、落ち葉やゴミも風の抵抗をものともせず、まるで固まったかのようにただそこに存在していた。


「……僕も含めて、みんな初めてかな。 この街に15年間、守り続けている能力者が居る。 彼と合流して、事態について話そう」











「……来たか」


 ヴェルズたちは停止している人々を躱し、あるビルの地下に存在している支部の支部長室に入室し、その男と対面する。


「やー、やー! 初めてになるねぇ! “ギーシュ”君!」


「はい。 こちらこそ、初めまして。 私は“ギーシュ・オルフェノン”、ギーシュで呼んでくれて構わない。 ようこそ、元第二支部へ」











___________________________________


「はい、帰ったよ」


 自警団本部に戻るなり、彼はボスの前の椅子にくたばるように座った。


「ハァ……ご苦労。 報告を、その調子だと出たよなぁ?」


「仰るとおりに出ましたよ、それは。 しかも、真っ黒ではなく色が付いてた。 そして、人の言葉を発した。 音を出したんだ」


「なんとまぁ……重大過ぎる報告だな。 世界中のお偉いさんが恐怖でいっぱいになりそうだな」


「軽口どうも……ハァ、そいつはクローズと名乗った。 閉じる、だったか?」


「……確かそんな感じだったな。 どうせ、エラマのところで調べてもらうんだろ?」


「あぁ……後な。 あの怪人……レビト・シギンスって名前をルリーヴ、から情報をもらう訳だが。 そのクローズは俺をシギンスと認識した」


 ――――――――確かにそう言ったらしい。ああ、また上の連中に報告だ。ある程度の知性は分かっているが、今までになかった音を発せることに加えての言語習得ときた。


 本当に面倒くさい。彼等、創無と戦うに当たって日々の研究は欠かせないが……創無はさらに困難を進める。


 死体が回収できないのも理由であるが、それ以外としては深刻な創無に対する研究者、医療者が不足している点だ。


 相手の特性を知るには観察も大事だが、その対象を解剖したり捕獲して実験するのも重要なのは明白である。しかし、創無たちに対してはそれが“出来ない”状況にあり。さらに研究不足故に創無に特化した技術者たちの誕生が出にくくなっている。


研究が進まなければ、対策は遅れる。医療も例外ではなく、能力者と言う特殊な患者を治療するには、それに関する専門を知識を有し、扱いに長けていなければならない。


 一から学ぶにはあまりにも膨大な教育時間が必要なため、ベテランの医者が学んで受け持つか、研究者の一部の人たちが足りない人員の代わりに医者に異動することもある。


 それらを考えれば……。


「―――――――ヴィオ、エラマの元へ向かうぞ」


「俺から言っとくが?」


「いや、今回の報告で新しい試みを始めようと思う」


「新しい……? 一体どんな?」


 彼は気付かなかった。これが周囲の人々を巻き込む始まりになるとは……いや、この後、話すことになるエラマに会うまで知る由もなかった。








「簡単な話だ。 準備を進めた上で、“創無との対話”を試みる」

















ディレイブの解説を予定していましたが、次回に延期です。すいません。

ですが、1章は200話で終わらすので解説が省略されることはありません。絶対ありえません(断言)

どうにか、2年目に合わせて弘太の海外での行動を終わらせたいので85話進行を優先に外伝Ⅰを少し遅らせるかもしれません。こちらも申し訳ないです。

更新が遅いですが、読んでくださってる読者さんには感謝しかありません。今後とも黒絶草をよろしくお願いします。

では、次回まで。

また!



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