七十九話「封印」
遅れてすいません。先週は予定が空いてなくて、書く暇がありませんでした……。今回もちょいと短めですが、79話です。
その戦場に訪れるのは混沌であった。それぞれの思惑が衝突し、一筋縄ではいかなくなり対処のしようがなかった。
「………」
「弘太、ファイ……あとそこの……レオ・サルソン。 メルダーたち4体を一人ずつで抑える」
「ヴェルズの指示か何か?」
「少なくとも彼が一人で何か始まる。 色々アレだが、戦場を終わらせる能力は確かだ」
痛いほどよく分かる。主に爆弾やらバズーカで解決されてるが……いや、もしかして“剣”を使うのか?
「……そろそろ良いかな?」
ブラッターを身に纏うメルダーは銃剣を構え、ヘルシャーのパラドネスは装甲を展開し青く発光。ケンプファーによりヴェリパーの制限を解除され関節から黒の靄が漏れ出る。
(ディレイブのクールタイムは?)
(後、10時間を要します。 現状では再変身は不可能です。 ですが、先ほどのディレイブでの戦闘でシンとケンプファーの大まかなデータは取得済みです。 “適応可能”でございます)
「……了解」
それを聞いた弘太は一瞬の安堵に包まれながらもシリスにシンとケンプファーを任せてほしいと告げる。
「……了解」
シリスはファイと目を合わせ、残り二体に視線を向ける。
「―――――――じゃ、俺は」
耳にヘッドフォンを当て、大型銃に込められた緑の次元エネルギーは溢れ出んばかりだ。
引かれた銃から放たれる弾丸が混戦への誘う。
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アクロバティックに“風”を横切り、手にしたマスケット銃を構え周囲の警戒へ気を配る。
(姿が見えないとなると正攻法では無理だな……森か……ふぅ)
一息置いたヴィオは目の前の地面に発砲し、道を外れ森林の中へと入っていく。そして、マスケット銃片手にレイピアを持ち出す。
「………」
地面を走る音が聞こえる。情報通りに人型であるのは確か……後は位置を特定して、視認出来るようにするだけか。めんどいな。
次元エネルギーを込めたレイピアで空を切り、残った斬撃のエネルギーは木々の枝を切断し。辺り一面に散らばる。
移動するその何かの速度は緩むことなく、その地帯へと突入。切断された枝や枝から剥がれた葉っぱがその勢いに呑まれ吹き飛んでしまう。
「……!」
その先へと向けたマスケット銃の弾丸の軌道は綺麗に描くが、敵はそれを弾き。ヴィオは正確な位置を把握して直撃しそうになる寸前に避ける。
(……後は!)
ヴィオはすぐにマスケット銃を自身を追い越したその物体の背後を狙い射撃する。
「―――――――!?」
その存在は動きを止め、少しの静けさの後。それは姿を現す。
「……ビンゴ!」
黒い革のコートを着た男、目撃情報と一致している。姿を隠す事も出来ることからの幽霊なんだろう。しかしなんで今回の行動はかなり変わって……。
「!!!」
コートの男はレザーを付けた手に眩いばかりの電気を発生させ、こちらに殴りかかってくる。
「っ!!」
腹部に直撃されかけるも、レイピアを盾代わりに免れる。が連続した攻撃であり、それを防ぐことになるが……どれも腹部に集中したものだ。
(……もしかして、ルリーヴか?)
以前に鎧の創無がルリーヴを守っていることを考えると、この石は奴らに惹く何か……と言うより、有害なものでも含まれてるのか?
身体の奥から明らかな熱を覚える。ああ……活性化している。これではまたレビト・シギンスに変貌してしまう。抑えつつか……。
まだ確定していない変身を使うわけにもいかない。アレになった時の記憶も曖昧ときて、断片的にしか記憶できていない。使用することへのリスクも判明しなければ、使用は困難だろう。
マスケット銃を背中に背負い、レイピアのみでの接近戦へと彼は持ち込む。コートの男は電気を纏ったその拳で対抗する。
「ハァ……ハァ……」
身体の消耗が激しい。何故だ。そこまでの体力は使って……。
「……!」
男の拳は“次元エネルギー”を込めて、ヴィオへと放つ。
(ただの幽霊……ではないよな、やっぱり!)
地面を蹴り、後ろへと勢いよく後退したヴィオはさらにバク転で男の拳から放たれるエネルギーの球の数々を躱し切った。
(創無……なのか一応。 見た目は完全な人でかつ色も黒ではない……)
「………」
「―――――――一つ、聞きたい。 能力者……とかなのか?」
「……だとしたら、どうするんだ?」
――――――――!? 喋った!? 喋った……能力者なら当然……いや。
「……どちらでもお前を倒しに来た」
「無駄な質問だったな」
「名前を名乗れ」
「……気になっていた。 なんだそれは?」
……なるほど、創無だ。俺たちと持っている前提知識と違う……!
「……その物に与えられた“自分”だよ」
「――――――――我々の理解の外のようだ」
男は人としての皮を脱ぎ捨て、骨と化してからのさらにその先の姿は実に幽霊と呼ばれるものであった。
(……水の色)
全身が薄い水色で透き通ったそれは目撃された幽霊とも言うべき姿そのものだ。
(……体力の消耗した今。 残された手段は……)
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「……!?」
ヘルシャーをシリス、ファイが。メルダーに対してはレオ。そして、弘太はケンプファーとシンの相手をしていた。
(ホワイト、行けるな?)
(行けます。 その前に一つ、身体の限界は?)
「……無視だ」
ホワイトは機械の義肢を必要量のエネルギーを回し、シンの爪やケンプファーによるヴェリパーのコンバットナイフを的確に掴んでは、その力任せで“圧倒”していく。
「……!!」
(―――――――内部機関安定。 ですが、あと5分程で西幸様の身体の限界を迎えます)
(ああ……久々に“能力”を使う)
(―――――――完全な生身ではない西幸様の“加速”は自殺行為です……!)
シンとケンプファーに対しての攻撃の裁き方が尋常ではないほどに速くなっていき、彼等に対して放つパンチやキックも強烈なものであった。
「ハァ……ハァ……」
『西幸様、お止めください! それでは身体の老化が……!!』
「……シリス、弘太を止めてくる」
「ああ……何のための刀だと思って……!」
(ふーん。 一応、ナンバーⅣの実力があるんだ……なるほど、白神なる人物はだから僕をここに呼んだんだ)
レオはメルダーのナイフによる攻撃をギリギリに避けながら、的確に相手へと撃ち込んでいた。
(……追加の仕事になるね)
「ハアァァ!!!」
『……!!!』
「ハーイ、そこまで」
一瞬、一瞬だった。目の前にいないはずのヴェルズが僕を蹴り、彼が封印したはずの剣を振り回しシンとケンプファーにその剣技を見せつけた。
「……使いたくないんだけどねぇ」
締め切り決めてギリギリ書くのも良いのですが、それだと今以上に酷い内容になりそうですのでゆっくりと書いていこうと思います。
執筆環境がある限り、失踪などはしません。なくても何度でも復帰する所存です。戦闘もこれで一度終わり、次回はディレイブと弘太……と言うより、ヴィオも含めた加速について話していきます。
次回は来月ですね……。




