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黒絶草   作者: Outsider
第一章 「虚憎」篇
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七十七話「劇争」

3日連続寝落ちというとんでも事態に見舞われましたが何とか出来ました。


「―――――――!?」


 その派手な見た目とは打って変わって圧倒的なステルス性能で詰め寄られ、ケンプファーは剣で辛うじて爪を防ぐもそれで終わる筈がなかった。


「………」


 不意にシンの身体から剥がれ落ちた試験管が割れ、そこから漏れ出る茶色の液体が気体へと変化しスモークが辺り一帯を覆う。


「……!!」


 シンに距離を取られ、彼は居場所を見失った。


「クッ……!」


 今度は弘太の元に攻撃が届く。すぐに離脱すると思いきや、宙に試験管が飛び、その中の薬品は見事に爆発を起こした。


「弘太……!」


「……問題ない」


(―――――――アレは一体なんだ……!?)


(以前より行っていた薬品に関する箇所の襲撃の理由はこれと断定できますが……あまりにも被害に遭った薬品との性質が違い過ぎます……!)


 爆発にスモーク、少なくとも襲撃された場所にそんな種類の薬品は存在しない。仮に我々の把握外で摂取したなら、可能性はあろう。だがあんな物を保管しているなら必ず監視下にしているので、一番に可能性として高いのは奴自身が新たに生成したという点だ。


「……見計らって変身する」


『了解しました』


「……へん、し……ああ。 えぇ、分かったわ。 私も補助に回る」 


 ファイの協力を得られた弘太はハンドガンをしまい、刀をD-02の銃口の下部に接続する。


「……ハァ」


 青へと段階を上げた次元エネルギーが刀に収束していく。雷のようにバチバチと鳴るエネルギーは静かにボルテージを上昇させていく。


「……離れて」


「えぇ……!」


 辺りを警戒しながら、彼女はスモークを突破しようとする。







「へぇ……何かやるみたいだね」


「ですねぇ……少し観察しますか。 ケンプファーは戦闘に興じたいようですが」


「………」


 ケンプファーを変身をそのままにヴェリパーの視界補助機能を使用する。それはスモーク内の影をより鮮明に映し出し、砂一粒すらハッキリと認識できた。


 次に奴が何をするか不明だが、こちらから先手を潰せば問題ない。その考えでケンプファーは動こうとした。


「………」


 スモーク内に能力者以外の存在は確認できない。今は奴らよりあのシンが優先だ、また新たな好敵手となり得るかもしれない……そう思うだけで、この高揚感は止まらない。











「シリス……! どうなってる!?」


「一部の動き出した創無に足止めされてる。 アルゴスは御覧の通りだ」






「フォッヒャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」


 斧とチェーンソーの作り出す無軌道な攻撃は辺り一帯を肉塊の山と化していた。


「……ああ。 それより、応援を出した。 もう少しで来るが……この状況は不味いぞ」


「把握している。 来たからには策はあるんだろう?」


「勿論あるとも、では―――――――――」











「――――――――!」


 刹那、ヴェリパーのコンバットナイフが描く軌道はシンへと迷うことなく刻んだ。


「!?」


 驚きの中、白と黒の色をした試験管を二つ割り白い液体は一瞬のうちに霧となり黒の液体はそれに触れ、霧を固めてしまった。


 防がれたコンバットナイフを手から離し距離を取りケンプファーは空間を繋げ、そこから自身の大剣を取り出す。


「………」


 次元エネルギーと言う黒に染まりし剣はマグマの溶かす性質を取得、高熱を放つ大剣を彼は軽々と振り目の前の霧を消し去ってしまった。


「………」


 シンの試験管の隙間から、何やら薄く茶色の何かがシンから剥がれていった。


『――――――――脱皮です』


 抜け殻は完全に離れた後、独りでに動きだし蜥蜴の怪人へと姿を変える。


(……奴が度々人間と一緒に居た情報は……)


(はい。 ご想像の通り、脱皮した後の皮のみの存在を我々はシン本体と誤認していたようです)


嗚呼、なんてややこしい。目撃された情報のみとは言え、まさか同一個体であるとは予想の範囲外であった。


「新たな対策……」


『少しお時間を』


 言いつつも弘太は刀を連結したD-02に溜められた次元エネルギーを放出する。

 

(叩くなら、今か)


 自身の周りのスモークを消し去り、彼はフェニックスモードのマシンディノープから降下を始める。



『Fill in the blanks』


「……変身」


ディレイドライバーを腰に巻き付け、ナイフのグリップのトリガーを押して挿入した彼は地面へと着地。そして、バイクモードへと形態を変えたマシンディノープが後ろから覆い被さり、ものの2秒でディレイブへの変身を完了した。


「アタック、キック」


『戦闘モードへと移行します』


『RELEASE』


全身が変形しラインが展開。青く発光し、彼の走る5秒間は凄まじいものだった。


「!?」


「……!!」


シンとケンプファーに一撃を与えながらもディレイブはシンが作り出した怪人や周辺の創無を一掃していく。


『3秒を切ります』


『……!』


ディレイブは二体に殴る蹴るなどの打撃で体勢を崩し、止めを刺そうとする。


『CHARGE END』


「フィニッシュ……!」


『FINAL STRIKE』


エネルギーを溜めた右足のD-02は青く稲妻のように過ぎ去り、二体へとその必殺キックが襲い掛かる。


「………」


 シンは僅かながら動くことに成功し自身の意図した試験管を当たるように動きを調整され、ディレイブのファイナルストライクが直撃し、その試験官は割れると同時に中の液体は泡のような見た目へと変わり、膨張していった。


「――――――!!!」


 機会を得たケンプファーは大剣をディレイブにぶつけ、自分を吹き飛ばす形で離脱した。


「ハァ……ハァ……」


 変身を解除した弘太は疲労を感じながらも逆手に持ったナイフで構える。


「……ごめん、何も出来なくて」


「いや、対応出来るアイツ等がおかしい……」


『――――――非常に厳しい事態に陥りましたね。 光速でも対応出来るとなると尚更対策が……」


 その時だった、レーザー光線がこの戦場に撃たれたのは。そして……。


「……音楽?」


 ヘッドフォンから漏れ出る大音量のヒップホップは瞬く間にその視線を集めた。


「……へぇ、こいつらか。 楽しそうだね」


 黒いキャップを深く被り、片手で持つには大きすぎる大型銃を持つ少年はそこに立っていた。


「結構数多いな……まぁ、いいや。 結局みんな死ぬんだからさ……!」


 ヘッドフォンを装着し、全てをシャットアウトした彼の音楽に身を委ねた戦闘はさらに戦場を混乱させる―――――――――。

















 メインヒロインがここ数話出てきてないけど、気にしない気にしない……。展開を考えると84話まで零華や柳は出てきません。

 突発的に新キャラを考えて今回ぶっこみましたが、シナリオに影響はないように考えてます。

 時々自分の作品のジャンルが迷走しているように思える、異能力を使ってるか怪しい戦闘もあり、変身ものも加わり、ヒロイン多いけど別にヒロイン主体の物語でもない。まぁ、やりたいことを詰め込んだ結果ですが、ヒロインもまだ増えることですしそれらを生かしたシナリオにしなきゃですね……どちらにせよ弘太の成長には必要ですので。

 次回はラストに出た謎の少年が活躍する回です。お楽しみに!!!

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