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黒絶草   作者: Outsider
第一章 「虚憎」篇
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七十五話「偽装」

遅れましたが、七十五話です。最近、寝落ちが多かったので今回は短めです、申し訳ありません。

「はーい、皆。 所定の位置に着いたね。 10分後に作戦開始だよー」


 ヴェルズの緊張感のない声に三人は平常を保ち、アルゴスは何やら興奮気味である。


「ハァ……弘太、準備は?」


「問題ない。 これ以降、緊急時以外連絡を受け付けない」


 弘太はアモリに入り、一万の創無群がっているエリアの中心の座標で待機していた。会議中に決定した項目において、私がヴェルズの試作爆弾を使用するのは確定している。彼の発明品とあって、確かな効果と膨大な不安を抱えることになるが、ホワイトの処理した計算結果に従い、直径10センチほどの爆弾を二つ両手に持つ。


『合図とともに、こちらも動きます。 その後、戦闘を行い時間を稼いで、マシンディノープへとお乗りください』


「……再確認」





「ったく、もう。 どうして、こんな数いるかなぁ」


 軽口を叩きながらも、後方にてスナイパーライフルの調整を行っていた。数が数なので、精密射撃の必要性を感じなかったヴェルズは対物へと変更し、大爆発を起こすためにジープにミサイルランチャーやらクレイモア地雷などが積まれていた。


(……こんなにいて、肝心のボスが出ないってことはここで明確な目的を以て、それを果たそうということか。 いずれにせよ、派手に爆破することは決定事項だ。 誰にも邪魔させない……!)






「……ふぅ」


 目先に広がる敵の群れを睨み、右手に持つエストックの次元エネルギーを白へと引き上げる。周囲に展開している鎖たちも同様に白を帯び、殺意は満ちていた。


(―――――――奴らは徹底的に潰す)






「わー、いっぱいだなぁ」


「アルゴス。 興奮するのは良いけど、もう少し落ち着いて、ね?」


「えー、いいじゃーん。 どうせ、僕たち突撃して戦うんだしぃ」


 と言いつつも、二人は準備を終えていた。アルゴスは今回斧を持ってはいるが剣を使わず、代わりに何故かチェーンソーを握っていた。


「……さっきから気にはなっていたけど、やっぱり不審人物にしか見えないわよ?」


「でもねぇ。 敵しか周りにいないなら、パッートやっちゃたいじゃん! それにアレ全部倒しちゃっても、みんな文句言わないし」


「まぁ……程々にね」


 いえーい!っと、彼は陽気に返事をしながら作戦開始30秒前へ突入する。





「……3……2……1……ハイ、開始」




 ヴェルズの合図と同時に敵地の中心の空は割れ、その中のアモリから出てきた弘太は早速試作爆弾を投下。それとともにD-02を地面方向へと射撃。これによりおかしな挙動になるも、爆弾との距離を取ることに成功した。


『お二方もお願いします』


 着地し、クレーターの出来た爆心地で逆手に持ち替えたナイフで弘太は回避や防御するなどして生き残った創無を無差別に切り刻んでいく。その様子を確認したシリスは前方に確認できるアルゴスとファイに向かって、鉄球の付いた鎖を派手に飛ばした。


「きぃいいいいいいたああああああああああ!!!!!」


「……あまり気乗りしないわ、やっぱり」


 二人は鉄球の高さに合わせて跳躍、タイミングを合わせたそれは鉄球に直撃し創無へとミサイルの如く吹っ飛ばされる。


「ヒャッハアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


「あぁ……もう!」


 ある程度、アルゴスに譲歩した案であった。賀霧雅哉と同じ狂化能力を持ち、それを伸ばすという意味もあるが、ファイを巻き込んだのは申し訳なくヴェルズは……思ってるかは定かではない。


 黄の次元エネルギーを武器に注いだアルゴスは斧とチェーンソーでかち割っていく。かなりの笑顔だ。最早、常人の笑顔ではない。チェーンソーは明らかにぶれた軌道を描き、あらぬ方向の部位を攻撃する。アルゴスはお構いなく、身体が真っ二つになるように最後まで切断した。


(……後で、胃腸薬でももらおうかしら)


 先ほどの衝撃で酔いが回った彼女は一呼吸置き、ガントレットを構える。ガントレットに備わった爪を展開、茶の色へとエネルギーの段階を上げ、静かに戦いの幕を開けた。










「んー、やっぱりシンのやってることって……」


 人間態のメルダー、ヘルシャー、ケンプファーは次元エネルギーの反応を遮断し、遠くから眺めていた。彼等は感じていた、人の姿を獲得した時の感覚を。もし、感じていることが事実なら自分たちがシンに対しての認識を改めなければいけない。


「そうだねぇ、どうやら僕らよりずっと早く“進化”してる……かな」


「………」


「……では、行くとするかな。 奴の本性曝け出せるかな~」


 三体はそれぞれの怪人態へと変身し、あの無双している能力者たちの元へと向かった。









「ファイア……!」


『SHOT』


 D-02から放たれる光線は射線上の創無を全て貫通した。そして、死んだ創無の亡骸を蹴り、丁度自身の姿が亡骸で敵から視認できなくなるタイミングでステルスを用いて行方をくらました。


「……!」


 創無は警戒するが、一向に気配を感じることが出来ない。


「……ふぅ」


 両手で逆手に持ったナイフにエネルギーを溜め、ステルス状態で一度飛びアモリの中へと入り、狙いを再度定めた弘太はすぐさまアモリから飛び出し、創無に仕掛ける。


『タイミング、バッチリです』


 その言葉の通りに二体の創無の間を縫うように通過、二体は切り殺されるは勿論。周囲の創無も同様の傷を負って、死んでしまった。


(このまま継続……)


 集中し、いくつもの敵にも同じ傷を負わせていく。


「その能力、割とめんどいんだよねぇ」


「……!」


 後ろへ振り向き、左手をハンドガンに持ち替えてメルダーと対峙する。


「――――――決着をつける」


「前にあんなに負けたのに、よくそんな大口叩けるねぇ。 まぁ、落ち着いて。 今回はね~、生憎僕らは主役ではないらしい」


「……どういうつもりだ?」


「そのままの意味だよ。 本能のままに動く化け物は本能に従う分、僕らを欺くことも厭わないのさ。 それが必要な事だからね」








「………」


 人の指を喰らっていた少年は立ち上がり、地下室から上がり薬品工場の表へと出た。工場内は少年の歩く環境音が場を支配していた。


 それは不気味に響き渡り、外の戦闘の音すらも掻き消していた。






「………」


 ヴェルズは戦慄した。工場の窓からこちらを見据える少年の姿を。照準に合わせるように現れた。距離はかなり離れている筈だ。何が……。


 悪寒が全身に走った。これ以上の作戦継続は失敗を招くと。いや、全滅する可能性が高い。だが、メルダー、ヘルシャー、ケンプファーが出現したこの戦場を放置できはしない。


「クッ……」


 これから起こるのは、ある化け物の進化である。それを止めることはできない。たとえ、アルゴスと言えど。メルダーでも止められやしない。闘争本能のままに動くをその怪人は静かに覚醒を始めた。















 次回はここしばらく出なかったあの怪人の回です。正直、この作品、まだ語ってない設定が多くてどうしようか迷ってます。明かしていない設定に関してはまだ作中でも出してないので、追々明かす感じです。

 あと、外伝Ⅰのほうで賀霧雅哉を出しました。と言っても、話の中核ではなく話を引き立たせる立場であり、尚且つ時系列で言えば、1年半の雅哉なので黒絶草を読む上で支障はありません。

 あくまで、彼は過去にこんな仕事もしていたんだなぁ~と言った感覚です。読んでくれれば幸いですが、外伝のほうは個人的にぐだってる感じが否めない。

 1章完結まであと125話! 恐らく、2020年か2021年ぐらいに第一幕が閉じます。2016年からやってて5年も掛けて1章を終わらせるのに、時間が掛かりますが今後ともご愛読してくださると幸いです。

 長文失礼しました。

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