四十六話「戦空」
敵含めて今は5視点ぐらいあるから捌き切るのが大変になってきた感じかなぁ。
今回はなんか特に溜めてたというわけでもないけど何故か出番が今までなかったナンバーⅠの登場です。
「どうしたヴィオ!?」
心配しボスはヴィオに駆け寄るも彼はそれを拒否し、一人になろうとする。
「うっ……グッ……!!! ハァ……ハァ……この感覚、創無が来る」
そう言って右手を腹部へ抉り込み、そこから埋め込まれたルリーヴを露出させ“怪人”であるレビト・シギンスへと“変身”を遂げた。
「この姿が……本当に怪物なんだな」
鷹の眼で遠くを見据える。空を羽ばたく黒く禍々しい鳥を観測できた。恐らく感覚的ではあるがあれはサドゥシングタイプだ。
レビト・シギンスは力を溜め、解放し自身の背中から羽を生やした。鮮血を帯びているその羽を用い、異形の怪人は飛翔した。
カラスのようなサドゥシングへと接近する。それに気付いたカラスのサドゥシングはあちらからも接近、サドゥシングの特徴である変貌を即座に奴は使った。
街を覆うほどに大きくなり、全身からチューブのような物を断面で出しながら生えているが見た目は生物の肉であり断面から真っ赤な血が溢れ出ていた。
醜い姿を曝すサドゥシングにレビト・シギンスは怯む様子もなくその爪で引き裂く。
だが、チューブから溢れ出る血液がそれを防いだ。とても熱く沸騰しておりそれと同時に黒く固まった血液の塊も出ていた。その塊に激突し、塊を砕いたがその中で塊になっていなかった血液がレビト・シギンスに付着しそのあまりの熱さに悶え苦しむ。
その隙を突き、サドゥシングはくちばしで怪人を噛み殺そうとした。そのくちばしの中にも多量の血液が入っており、まともに入れば重傷どころの話ではない。
レビト・シギンスは高速で羽を羽ばたかせ、サドゥシングの移動速度より速く後ろへ回り込み、こいつの羽を鷲掴みにし引き千切る。
「!!?」
音のない悲鳴を上げながらもサドゥシングは一時、怪人から距離を取る。
「………」
レビト・シギンスは次元エネルギーで汚れている羽根を変質させ、金属質の鎖鎌へとその姿を変えた。
鎖分銅をサドゥシングに向かって投げ付け、脚に巻き付けるようにし。その上で、鎌部分を持ち奇声を上げながらサドゥシングへと近付く。
サドゥシングは態勢を立て直そうと暴れ、体中のチューブから噴き出る程に血液を出すも鎖が溶ける事はなかった。
刹那。鎖鎌はカラスのサドゥシングの左翼を切断した。
バランスを保てなくなったサドゥシングは徐々に落ち始めるが、レビト・シギンスは気にすることなく続いて右翼も切断しその後、背中へ跨り何度も鎖鎌で斬り付けサドゥシングを苦しめる。
頃合いを見た怪人は鎖鎌をサドゥシングの中に刺し込み、鎖分銅を持ち背負うようにサドゥシングを山岳地帯へと勢いよく投げ付けた。
投げられたサドゥシングは山へと衝突。巨大な穴が出来た。
「………」
刺した鎖鎌を再び持ち、次元エネルギーを溜め始め。次の時にはカラスの化物は真っ二つに切り裂かれ見る形もなくなった。
「ハァ……ハァ……」
皮膚が溶ける。変身解除の合図を受け、ヴィオは元の人間の姿へと戻った。
「きついなこれ……」
全身に激しい痛みが走る。まだ身体があの怪人に慣れないからであろう。苦痛に耐えながらもミンチになった残骸を隠し持っているナイフで次元エネルギーに変換し、吸収した。
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「くっ……! 今日は妙に敵が多いな……!!!」
「ですが、それは一度に殲滅するチャンスでもあります。 慎重にかつ迅速に終了しましょう」
蜥蜴型の創無、シンが現れたという事で駆け付けたは良いが場所はよりにもよってショッピングモールの中だ。薬を広く扱っている薬局がショッピングモール内にあり、その多さ故にシンが狙いをつけて襲撃したという事だ。後始末がこれまた面倒くさいことになりそうな予感だ。
本来なら何もない荒地に身を潜んでいるシンを挟み撃ちで殺す任務だったが、任務の開始前にシンが移動を始めた。地上を移動するだけならよかったが自分たちの世界である無懺を経由してでの移動だと思われるので対応が遅れてしまったのだ。この世界への侵入を少しでも防げれば被害は減るのだが……。
だが、問題はそれだけではなかった。人型の創無……クラウディラーが出現したことによって状況が悪化した。協力しているわけではなさそうでがそれでも好き勝手に殺戮を繰り返すわけにはいかない。
(あのクラウディラー……ピエロの姿。 洋館の時のか?)
クラウディラーを見て、思い出した柳は殺意を少しずつ増しながら先陣を切った。
逆手に持った短刀がクラウディラーに向かうが複数のナイフがこちらに突っ込んでおり、それを回避したおかげで優勢を確保することはできなかった。
「……キミハ……コホン、君は相原柳で間違いないね?」
「!? 貴様……」
「ふふっ、気が付いたみたいだね。 久しぶりと言った方が良いかな? 僕はメルダー、もう“西幸弘太”には会って来たよ」
アイツが弘太に重傷を負わせ、地元の子ども達を監禁し殺し続けた……。
「相原、今は戦闘に専念しましょう。 私情はその短刀に込めれば良い」
つまり、否定はしていないという事になる……憎しみは短刀に乗せてそれをメルダーに喰らわせる……弘太が敵にしているが俺が代わりにやるしかない。これも仕事だ。
直ぐ近くではシリスが鎖を展開させ、シンの相手をしている。だが、戦況は拮抗していた。鎖がシンを縛るより早く奴は動き、付けた刃や鉄球もものの見事に躱しきっており、エストックを引き抜かなきゃいけない事態になっている。
素早く刺突を繰り出すが、シンは背中を向け尻尾を切り離し爆発させた。
鎖を重ね壁代わりに使い、防ぐがシンは跳躍し真上からの奇襲をかける。
それを自身の右腕に鎖で縛り、力を入れて迎え撃つ。
「面倒くさいね……プロテ、聞いてるか?」
「はい、シリス様」
「近くに能力者はいないのか?」
それを聞いたプロテはすぐさま支部に連絡しつつ自身でも次元エネルギーの反応を探した。
「……結果を申しますと少し遠くはありますが直ぐに駆けつけられる能力者は居ます。 ですが……」
「……言ってくれ」
「別任務中のナンバー“Ⅰ”です」
「了解。 このまま戦闘を終わらせる」
そのナンバーを無視し、目の前の敵を倒すことに集中した。だが……。
「残念ですが、シリス様。 そのナンバーⅠが任務を完了しこちらに駆けつけているようです」
「………」
もう覚悟するしかない。例え奴が来よ――――――――。
「ヒャッホオオオオオオオオオオオ!!!!!!! 元気にしてたか―――――い!!!!!」
あの忌々しい大声は空から聞こえてきた。聞きたくないんだがなぁ。
そして、ダイナミックな着地をし周辺に煙が巻き上がる。
「ふぅ……ナンバーⅠ、“アルゴス・フューリー”! これより乱入しに来た!!!」
シンは警戒し、メルダーは興味津々にアルゴスを観察し、相原柳はキョトンとしていた。
噂には聞いていたがあれが現状での最強の能力者……柳は弘太より若い彼を見て本当なら弘太もあれぐらいの活気があったのだろうと考えながら足にエネルギーを溜めていた。
「何故来た?」
キレ気味に問いただす。
「そりゃあ、創無が居れば来るでしょ普通!!! それはそれとしてとっとと倒してゲームがしたいんだよ!!!!!」
彼は色んな近接武器を装備していたがその中から剣と斧を選び、“黄色”の次元エネルギーをチャージした。
彼が13歳で若く感情豊かになる時期で能力が強くなるのもあるだろう。だがそれと同時にアルゴス・フューリーが異常変化の持ち主である事もナンバー「Ⅰ」のコードネームを与える理由になっていた。
「さてと……派手に暴れるよー!!!!!」
厄介者どもが集まるこの戦いは余計に激しさを極めたのであった……。
気分変えて全く関係ない小説書きたいけどそれしたら失踪しそうなので外伝Ⅰが完結したら書こうかと。
外伝Ⅱは2章でやると思います。Ⅲは3章。Ⅳは5章~6章前半辺りで。
ⅤとⅥは未定。というかⅤとⅥに関してはⅠが終わればいつでも書けるぐらいには同一世界ということ以外は関係ありませんねぇ。でも、外伝として書かないと色々支障をきたすのでめんどくさいです正直。




