表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋の魔法、学びます。  作者:
真実
39/48

38話

それからまた一月経った。

今は12月。

外は冬景色となり、葉の落ちた枝には白い雪が積もっている。

制服も冬仕様となったそんなある日。

俺と愛は生徒会の仕事、というか雑用で暗くなってから寮に帰ることになった。

足元もよく見えず、風が冷たい。

ふと、一際強い風が吹き、目の前に人影が現れた。

「……誰だ?」

俺達は杖を構えようとした、ができなかった。

体が動かない。

「なっ……」

「嘘……」

人影が口を開く。

よく見ると、人影は2人いるようだ。

「……手荒な真似をすることをお許しください。お2人には我々と共に来ていただきます。……失礼」

と、体が抱えあげられる。

声は中性的で男か女かの判別はできない。

人影はマントのようなものを着ていて、コウモリのような羽を広げた。

……俺達はなんとか口だけは動かせるようだ。

「吸血鬼か?」

「ええ。……あなたがたの血は吸わないように言われているので、ご心配なく」

俺と愛の両手に輪がかけられ、魔法が使えなくなった。

以前愛がされていたものと同じものだろう。

「余計なことはなさりませんよう。あなたのパートナーに危害が及びます。私共としても、そのようなことはしたくありませんので」

……俺は叫ぼうとした口を閉じた。

(この距離なら聞こえると思ったんだがな……)


抵抗する術をなくして俺達はされるがまま、吸血鬼に連れていかれる。

「目的地は」

「ローズ様のところです」

「目的はなんだ」

「お2人の勧誘だそうです」

「俺達をどうするつもりだ」

「私にはわかりかねます」

「俺達の身の安全の保障は」

「お2人次第です」

「戻れるのはいつだ」

「それもお2人次第です」

俺はできるだけ情報を聞きだそうと思ったが、既知のものしかでてこない。

これ以上は無意味だ、と俺は大人しくすることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ