22話
翌日。
朝早めに起きて、これからやらなければいけないだろうことをまとめる。
まずは寮監兼先生に今日から桜原を入れられるかを確認しに行き、何とか許可を貰った。
その後教室へ行き、林先生に相談を持ちかける。
「先生」
「お、なんだ?萩田」
「5時間目の魔法学のときに、少し時間を頂きたいのですが」
「どうして?」
「……ここ最近のクラスについて少々話したいことがありまして」
「……わかった。好きなだけ使え」
この反応を見る限り、薄々は気づいていたのだろう。
それにも苛立ちがつのる。
「……先生も教室にいてくださいよ」
「ああ」
昼休みになったので、この時間に桜原に言っておく。
「桜原。今日の魔法学のとき、俺がお前のことについて話す」
たぶん桜原は自分だけではうまく話せないだろうと思ったからだ。
「え?」
「生徒会長としても、クラスの一員としても、もちろんお前のパートナーとしても、許せることではない。いきなり話すと、桜原を驚かせてしまうと思ってな。桜原はいいか?俺が話しても」
とは言っても、もう許可は取ってあるが。
だが、桜原が反対しないことは予想できていたので、これはこれでいいだろう、たぶん。
「はい。……でも」
「でも?」
「私も自分の気持ち、ちゃんと言います。……うまく言えないかもしれないですけど」
……桜原は俺が思っているよりも、強い人だったようだ。
「わかった。言いたいときには言ってくれ」
「はい」