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14話
4時間目が終了。
昼食を摂るようにと指示があった。
この学校には食堂が完備されている。
弁当を持参することも可能だが、ほとんどの生徒は食堂を利用するだろう。
桜原と食堂に行こうとすると、清水、藤井、石岡が一緒に行きたいと言ってきたが、特に無下にする理由もないので一緒に昼食を摂る。
「午後からの授業、何だろうね?」
突然藤井が言い出した。
「俺、聞いたんだけどさ、実戦やるらしいよ」
石岡がそれに答える。
「へぇ、実戦って何やるんだろ?何かと戦うのかなぁ?詩、少し怖いなぁ……」
清水も会話に参加する。
何気なさを装ってこちらを見てくるが、気づかない振り。
「あれ、愛ちゃん、もう食べないの?」
「う、うん。私、小食だから……」
桜原は以前から食が細い。
本人曰く、食べたいが食べられない、だそうだ。
体調も崩しやすいそうで、よく保健室に行く姿を見ており、いつも俺は心配になるが、その度に桜原は笑って、大丈夫です、と言う。
その笑顔の裏に何が隠れているのか、俺はまだ知らない。
その後も、和やかな雰囲気で食事は進んだ。