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ボーイズラブの項目をつけましたが、実際の所主人公がそういうものが好きで、妄想が膨らんでボーイズラブ的な描写がされているだけ、という落ちが多いです。


後、音楽やアイドルを入れているお話ですが、作者はピアノ経験しかない為、他の楽器の知識は薄く、ほぼ独自で勉強した知識で書いております。

なので、間違い等があれば教えていただけると助かります。

「ああああああああああ、ムギきゅんhshsハスハス!! ムチムチftmmふとももprprペロペロしたい!! 挟まれたい!!」

 小麦君 ―― 長い事αテストをしているVRMMOのマスコットであり、その愛くるしい外見やあざとい表情から、女性はもちろんの事男性までもショタコン道へと導いてしまった小学生のような外見の男の子である。つい最近は、女装をする機会も増えた為、彼を男の子と知らずにファンになった男性ファンも少なくはない。人々は、これを小麦ショックと呼ぶ。


 そして、私が手にしている雑誌には体育服の小麦君が載っている。箒にまたがりつつ、ペロリと舌を出す姿は非常にあざとい。小麦色の頬がほんのりと赤くなっているのもあざとく、非常に私の心を鷲づかみしている。人によっては、こういう狙っています的なショタは嫌いという腐女子は多いものの、一目見た瞬間に私のハートは鷲づかみ。本当は、彼がマスコットを勤めるVRMMO『ArkMagicalOnline』の情報雑誌なはずが、小麦君にしか目がいかない事で有名だった。当の私も、このAMOよりも小麦君の事ばっかりでゲーム情報は全然頭に入ってこない。パッとゲームの情報を見てしまえば、AMOと小麦君との関係は全くなさそうに見える。ただ、可愛いショタッ子を看板にした。ただそれだけだった。ペラペラと雑誌を捲って見るものの、小麦君はゲームのNPCというわけでもなく、モンスターを擬人化させたマスコットというわけでもなく……、どうやって彼がマスコットになったのかについては謎のまま。


 肝心なゲームの内容はというと……、パッと見て、他のVRMMOと変わらなさそうで。魔法のシステムも武器のシステムも殆ど同じ。良くも悪くも量産ゲー。世界観は、中世ファンタジーというよりお伽話みたいなメルヘンチックな世界観。可愛い物好きな私には、赤い水玉もようのきのこの家とか、妖精が出ててきそうな湖やら、風景のほうに目がいく。一応システムほかも見ているのもの、他のゲーム等からコピペしてきたのでは? と思うくらい似たような世界。それを補う為、別なゲームでは種族を作っているものの、このゲームは種族等は作らずに人間のみ。別に、私が活字嫌いという訳ではない。逆に、活字好きだからこそ他のゲームの情報も読み漁ってしまって、目が肥えているというほうが正しい。


 迫力満点のストーリー! と見出しがついているものの、どうも私の心には響かない。全てを見終えてしまえば、言える事はただ一つ。この雑誌の編集者が悪い。ストーリーの何処が魅力なのか……、名場面を載せないでただスクリーンショットを載せて『これ凄いでしょ』ってやっているだけ。


 システムのほうも、同じ事が当てはまるのでは……、そう思った私はパソコンで情報サイトを開いた。

そうして、開いた情報サイトには様々な情報が載っていた。

どの情報も、AMOの情報雑誌には載っていない魅力的な情報ばかりで。

一番魅力的に見えたシステムは、パートナーシステムだ。

1人だけ相棒となるプレイヤーキャラクターが出来たら、2人でパートナーを組んで相棒登録が可能。

しかも、これの他にもプレイヤーキャラクターとカップルになる事が出来、1人のプレイヤーキャラクターとカップルとパートナーになる事もできるものの、別な人とパートナーやカップルになる事もできるという仕組みだ。

しかし、よくよく思い出してみれば30年生きてきて一度も親友になる程親密な友人が出来る事もなければ、愛し合う事が出来る恋人のいない自分には不必要なシステムだった。


カップルやパートナーシステムの最後には『俺達の戦いはこれからだ!!』という文字とともに、男キャラクター達が肩を組んでいる画像が載っていた。

察するに、カップルにまで至っているプレイヤーは少ないという事かもしれない、と考査した私は、この世界でなら……、ボッチが多そうなこのゲームでなら私も生きられると信じて、近くにあったヴァイオリンを片付けると部屋の隅に追いやっていたヘッドフォン付のヘルメットのような物を取り出す。

勢いよくヘルメットを被り、AMOの公式サイトを表示させた後、IDとパスを入力してAMOを起動させた、のだが……。


      ――ご入力のIDはキャラクターが作成されていない為、ゲームを始める事ができません――


私は、そっとAMOを終了させてヘルメットをとった。

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