メルスト、エルシールームの変態たちよ
「社長!ガサ入れです!!」
空気を切り裂く悲痛な声が響いた。
どうしようもない現実と言う濁流に押し流されそうになりながら、彼女は自分の主に危機を伝える。
だが塞き止めた流れは余りに強く華奢な彼女のか細い腕では、とてもとめられない。
「はいはーい、ガサ入れですよ。さっさと観念して出すもん出して下さいね。社長の尻とか」
「嫌だよ!」
現れたのは変態だった。
にやけた顔が大変嫌らしい上に通常の変態とは、どうもベクトルが違うらしい。
当然ながら社長と呼ばれた男は鳥肌を立てて拒否した。
「やばい、変態や」
戦慄に身を震えさせる社長。
変態呼ばわりされた変態は心外だと言わんばかりに肩をすくめるが、その所作が社長としては心外だった。
「いやいやいや、フライアム社長にだけは言われたくないですわー」
「その言葉、ひま梨さんにそっくりそのまま返しますけど!」
先程の女性の声よりも危機迫るものが宿るフライアムの叫びに、ひま梨はニヤニヤと笑う。
「そんな事言ってていいんですか、社長。私一応、警察ですよ?ガサ入れされたらヤバイんじゃないの?」
あんたは捕まる側だろ、と叫びたかったが彼が警察である事実は覆らない。
国家権力の腐敗が凄まじ過ぎる。
「我が社は健全ですよ?」
「はい、ダウトー。あちこちからロリショタ攫う会社が健全な訳ないでしょ、ロリアムが」
「ひま梨さんから健全なんて言葉が出るなんて!」
衝撃のフライアム。
「兎に角、社長に残された選択肢は2つです。1つ目は罪を受け入れて処刑されること」
「嫌だよ!我が社は健全だと……」
「2つ目は私に尻を献上するこ」
「1つ目でお願いしまぁぁぁす!!」
土下座で頭を擦り付ける社長の何と哀れな事か。
社員が見たら辞職が確定しそうだが本人は必死である。
出来る事なら尻以外のすべてを差し出しい位だ。
「はい、じゃあ処刑決定ー。フライアム社長は私に尻を差し出して散って下さいねー」
「え、話がちが……」
「違いませんよー。処刑の内容聞かなかった、あなたが悪いんですから。さあ、行きましょうか」
「い、いやだぁぁあああ!誰か!誰がだずげでぇぇえええ!!」
こうして、ひま梨に攫われた社長が消えた後に残った女性は涙を流した。
「会社を守る為に我が身をていするなんて」
彼女は後に彼の残した会社のリーダーとなる。
東に泣いてるロリあらば攫い。
西に我が儘言うショタがいれば攫い。
北と南のロリショタをすべてかっ攫う。
(株)ロリアムよ永遠に。