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一球入魂

作者: N澤巧T郎

次が、最後の一球か・・・。


ストライク以外なら負けだ。

やっとココまで来たんだ。

やっとココまで追い詰めたんだ。

いつもどおりやればいい。

練習どおりやればストライクなんて取れるんだ。


・・・いや、ダメだ。


練習どおりやればいいだって?

フンッ。

そんなんで取れるはずねえだろ。

これは本番なんだ。

たった1回のチャンスなんだ。

次がないかもしれないんだぞ。

それを練習と同じ?

そんな気持ちで勝てると思ってんのか。

負けたくない。

勝ちたい。

勝ちたい!!

限界まで引き出すんだ。

集中するんだ。

すべての力をココに出すんだ。

フォーム、スピード、コース、回転。


すべてを完璧に・・・。


その時、音が消えた。

見えるものは目の前の一直線上だけ。


そして、ゆっくりと動き始める。


彼独特のフォーム、投げる腕を高々と天に振り上げ。

そして、一気に振り下ろす。

球は重い衝突音とともにレールの上を転がっていく。

左から右へと鈍い音を出しながら転がる。

その軌道は自分の頭の中で何度もなぞった完璧なコースだった。



曲がれっ・・・!!



ガタンッ


球はそのままレーン横の溝に落ちた。


その瞬間、後ろから大歓声が巻き起こり、一人の男にカメラマンやら記者が群がる。



終わった・・・。



一人の男が近づいて来て言った。


「最後まで自分を捨てずに、まっすぐ向かってきてくれたからこそ私は勝てた。私はここで待っている。這い上がって来い。」


右手を前に出された。


また最初から、ココまで来なくちゃいけないのか・・・。


でも、次は負けない!!


ズキズキする右手で力強く握り返した。




tHe EnD


ボーリング世界一決定戦、最後の一球。

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― 新着の感想 ―
[一言] ボウリングですね。私は苦手で苦手で…… 野球なら「ストライク」でなければいけないなんてことはありませんものね。
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