格付け彼女
わたしは26位の女
恋愛なんてただの暇つぶしだと思ってた。
付き合ってきた男は、みんな私との恋愛を暇つぶしに使っていたし、私も彼らとの恋愛を暇つぶしに使ってきた。
結婚もその暇つぶしの延長戦で、飽きない暇つぶし相手を自分のものにするだけの契約に過ぎないと私は思っていた。
そしてそれが世界の当たり前だと思っていた。
思っていたはずだったのに、暇つぶしじゃ物足りない恋愛を私は見つけてしまったみたいだ。
冬になった。
人肌が恋しくなる季節、親友の奏恵は彼氏が欲しいと嘆いていた。
「彼氏欲し~くっつきた~い寂しすぎる~死にたい~合コン行きたい~…合コン!!そうだ!!合コンしよう合コン!!」
奏恵は思い立ったら即行動タイプの性格で、私はそんな奏恵に振り回されてばかりだった。
「合コン♪合コン♪美佳も来るよね?」
「あ~あたしはいいやっ」
「え~なんでぇ~」
「一応…彼氏いるし」
奏恵には彼氏の話はしたことが無かった。
私に彼氏がいることも、その彼氏が奏恵の知っている人だってことも。
「なにそれぇ!!きーてないー!!」
奏恵はぷっくりと頬を膨らませて私を睨んだ。
「ほらっチャイム鳴ったよ、席戻んな」
幸い、チャイムが鳴ったので、私は奏恵を自分の席へと追い返すことができた。
次の授業は日本史だった。
チャイムが鳴って少ししてから、教室のドアがガラッと開いた。
ストライプのワイシャツに紺色のネクタイを締め、細身の黒いパンツを履いた若い男が教室に入ってきた。
「しょーちゃんおはよー!」
しょーちゃんと呼ばれる彼は生徒に人気がある。イケメンだから特に女子生徒に人気だ。
私はそんな彼の授業がなんとなく嫌いだった。
小林将平
25歳
男
日本史教師
そして
私の彼氏。