表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/46

#9


キーケースから自転車の鍵を外して、私は勢い良くペダルを踏んだ。勢い良く走り出す自転車は軽快なスピードで坂を下って行く。

白いワンピースがパタパタと風になびく感覚がなんだか照れくさかった。

坂を下りてすぐのコンビニにも立ち寄らずに、街を駆け抜けて駅へ向かう。

昨日はあんなにゆっくり進んだ道を今日は急いで進んで行った。

街が私から離れて行っているのか、私が街から離れて行っているのか分からなくなるくらいのスピードで、額に湿る汗を拭いながら私を乗せた自転車は走っていた。

自転車のカゴの中で暴れるキーケースと財布が急げって私に叫んでいた。ような気がした。


駅に着いて、私は自転車の鍵も掛けずに切符を買って改札をくぐり抜けた。

ホームには出勤中のサラリーマンや学生とかたくさん居たような気がしたけど、私はそんなことも気にせずにホームから線路に顔を乗り出しながらなかなか来ない電車を待っていた。

どんな気持ちが私にこんなことをさせているのか、私には分からなかったけど、このときはただ、ミカちゃんのあの言葉や、そうちゃんのいつものノリで言うあの言葉が頭から離れなかった。


やっと来た電車に子供のように一番乗りで乗車した。

目的の駅に着いたら、すぐに降りられるように私はその駅で開くドアの前に立っていた。

流れる街並みを目で追っていると、薄らと明るく透明な窓に写る自分の姿が見えた。

額には汗をかいていて、髪の毛もぺったりとしていた。

そんな化粧もしていない私の顔は、なんだか化粧をしているときよりも可愛く見えて、少し笑いそうになった。

二つの駅を越えて、私は電車を飛び出して改札を抜けた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ