病院『1』
ハーメルンにも投稿してます
ドクンドクンと自分の心臓のなる音が薄暗い病室に響く
「・・・ッ」
薄暗い廊下に視線を移し『』がいないことを確認し座り込みながら思わず呟いてしまう
「早く・・・主人公君脱出してくれないかな」
私はこの世界を知っている。
ホラーゲーム『黄昏時に』主人公である神凪 甲斐を始めとするオカルト研究部が巻き込まれる脱出ホラーゲームである。
前世の兄がホラーゲーム好きでプレイしてたのを後ろかたまに眺めでただけなので詳しくは知らないが、『黄昏時に』は主人公が脱出することで他のキャラも脱出できるらしい。
オカルト研究部は全員で五人・・・いや四人である
オカルト研究部部長 天魁てんかい 翼つばさ
オカルト研究部副部長 海津うみわたり 沈しずむ
部員の1人 地快ちかい 地華ちか
そして主人公 神凪かんなぎ 甲斐かい
系四人がこの世界のオカルト研究部である。
五人から四人に言い直したのは理由がある、本来オカルト研究部にはもう1人所属している筈だった、その人物は聖ひじり聖華せいか・・・私である
グチュ グチュ
音が聞こえる、恐らく『』が近くにいるのだろう、『』に殺されたとしても1回や2回なら問題ないらしいが何回も殺されると幸運力?とやらが減少し、この異界で生き残っても現実世界で事故や事件に巻き込まれ死亡する確率が上がるらしい
「何でオカ研に入ってないのに巻き込まれのかな・・・死にたくないなぁ」
オカルト研究部は主人公が脱出するまでのタイムリミットでもある、一定時間ごとに1人ずつ殺され最後には主人公が狙われるようになる
因みにオカルト研究部のメンバーも動き回るため誰がどの順番に犠牲になるかもランダムになっている
「相変わらずの美少女だなー」
鏡を見て現実逃避をする
鏡に映るのはピンク色の髪に桃色の瞳の少女だ、ちなみに前世では至って普通の黒髪黒目の三十路間近の男だった、仕事に支障は無いが基本的に人見知りで今世でもそれが治らず今世でも人付き合いは事務的なものしかな出来ず友人はいない
「あ、音が無くなった」
どうやら『』は何処かに行ったらしい・・・廊下に顔を出し確認するとまだ目視できる距離にそれはいた
それは巨大な手だ 中指は人の頭、人差し指と薬指は腕、親指と小指は足、掌は胴体そんな化物がそこにはいた
「ッ」
勢いよく部屋に戻る、何かを食べてた さっき聞こえたグチュ グチュという音は咀嚼音だったのだろう
「目があった・・・」
逃げなきゃいけないと思いつつ部屋の外の化物の事を思うと部屋から出られない
「『黄昏時に』もっと兄貴から聞いとけばよかった・・・死にたくないよ」
前世での死の経験、なぜ死んだのかは覚えてないが苦しくて痛くて辛かった、それだけは覚えている
「ここで死んでも現実で死ぬ訳じゃない、でも死ぬ記憶はある」
カリカリカリカリ
扉を引っ掻くような音が聞こえてくる
「これは終わったかな」
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ
「・・・?」
おかしい、よく考えれば『』は簡単に扉を壊せる筈ホラーゲームの化物だから扉を簡単に壊せないというのは『黄昏時に』では通用しない、安地なんてない
「これもしかして恐怖演出?だったら」
廊下に出ると何も存在しない『』もさっきの引っ掻くような音の正体も
「はぁ〜何だよもう」
涙がこぼれる、死ななかった生きてる・・・だけどまだ終わってない
「ここは見られた、他の場所に移動しなきゃ」
逃げる隠れる脱出するホラーゲーム『黄昏時に』主人公が脱出するまで生き延びるその為に息を殺し足音を立てないようにしながら他の場所に移動する
「ホラー演出なら大丈夫でも『』に見つかったら終わりそれと怪異なら見ない知ろうとしない事が大切」
『』は手の化物 怪異はそれとは別の何か、兄のネタバレによると『黄昏時に』はある怪異が引き起こした現象らしい
様々な怪異を取り込み異界を生成、その中にオカルト研究部のメンバーを招き入れている、取り込まれた怪異は『』に作り変えられ異界にルールを敷き、そのルールを攻略する事で脱出できる
「私の知識はここまで、ルールも何章あるかもわからない、お願いだから主人公君早く脱出して」
祈り祈る生き残る為にルールを探さなくては行けないのに、その勇気が無くたった1人に祈る




