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第3話 この村、何かがおかしい

第3話です。


前回、主人公アルクは辺境で拠点を作り、

少女リナと出会いました。


彼の錬金術はただの便利なスキルではなく、

•水を浄化する

•食料を作る

•魔物を撃退する道具を作る


など、常識外れの力を持っています。


ですがこの世界では、

まだ誰もその価値に気づいていません。


そして今回――


辺境に流れてきた人々との出会いによって、

アルクの錬金術は「生活を便利にする技術」から

世界を変える技術へと変わり始めます。


それでは第3話をお楽しみください。

朝。


辺境の空気は冷たく澄んでいた。


小さな拠点の前で、俺――アルクは伸びをする。


「……よし」


昨日、ゴブリンの群れを撃退した。


そのおかげか、周囲は静かだ。


隣では少女――リナが鍋をかき混ぜていた。


「アルク!スープできたよ!」


「お、ありがとう」


錬金術で作った簡易キッチン。


鉄の鍋。

浄化水。

保存野菜。


ここ数日で生活はだいぶ整った。


「こういうのをスローライフって言うんだろうな」


俺が呟くと、リナが首をかしげる。


「スローライフ?」


「のんびり暮らすこと」


「昨日ゴブリン爆発させてた人が?」


「……」


まあ確かに。


その時だった。


遠くから人の声が聞こえた。


「……人?」


丘の向こう。


こちらに向かって歩いてくる影がある。


一人じゃない。


十人以上。


近づくにつれ、姿が見えてきた。


疲れ切った人たち。


荷物を背負い、子供を抱え、泥だらけの服。


リナが息を飲む。


「……難民」


やがて先頭の男が声をかけてきた。


「……ここに、人がいると聞いて」


声はかすれていた。


「水……ありますか」


俺は井戸を指さした。


「どうぞ」


男は桶を掴む。


ごくっ。


ごくごくごく!!


「……っ!」


目を見開く。


「なんだこの水……!」


後ろの人たちも飲み始める。


「うまい……」


「こんな水……」


「村の井戸より綺麗だ」


その様子を見て、俺は聞いた。


「どこから?」


男は答えた。


「西の村だ」


「魔物が出て……」


やっぱりか。


最近この辺は魔物が増えている。


王国は辺境を守らない。


だから村が潰れる。


そして人が流れてくる。


男は続けた。


「もし可能なら……」


頭を下げる。


「少しの間、ここにいさせてほしい」


後ろの子供が咳をした。


痩せている。


栄養不足だ。


俺は頭をかいた。


「まあ……」


井戸。


家。


土地。


全部余ってる。


「いいよ」


男が固まる。


「……本当に?」


「うん」


リナも笑った。


「ここ広いし!」


難民たちは顔を見合わせた。


そして。


泣き出す人もいた。


「ありがとう……」


「助かった……」


「神様だ……」


いや。


神様じゃない。


ただの錬金術師だ。


――多分。


その日の午後。


俺は丘の上に立っていた。


下では難民たちが休んでいる。


でも問題がある。


「食料だな」


人数は十数人。


これから増える可能性もある。


狩りだけじゃ足りない。


「農業やるか」


リナが聞いた。


「畑作るの?」


「うん」


俺は地面を見る。


荒れた土地。


石だらけ。


普通なら作物は育たない。


でも。


「錬金術なら話は別だ」


俺は地面に手を当てた。


魔力を流す。


錬金術式。


土壌分解。


鉱物調整。


栄養生成。


光が走る。


そして。


ゴゴゴゴ……


地面が変化した。


黒く柔らかい土。


最高級の農地。


リナが叫ぶ。


「ええええ!?」


難民たちも集まってくる。


「な、何した!?」


「土地が変わった!?」


俺は笑う。


「土壌改良」


いや。


実際は農業革命レベルだが。


次。


袋を取り出す。


「種だ」


錬金術で作った。


小麦。


成長強化済み。


畑に撒く。


魔力を流す。


すると。


「芽が出た!」


一瞬で発芽。


ぐんぐん伸びる。


そして。


数分後。


黄金色の麦畑。


全員沈黙。


「……え?」


「今、植えたよな?」


「収穫できるぞ」


俺が言うと。


難民たちが震えながら刈り取る。


麦。


大量。


男が呟いた。


「……一瞬で……」


リナが聞く。


「アルク」


「ん?」


「これって」


「うん」


俺は答えた。


「食料問題、終わり」


全員固まる。


男が座り込む。


「そんな……」


「こんなことが……」


この世界では。


飢饉が普通だ。


でも。


錬金術があれば。


「飢えない」


俺は言った。


「ここは飢えない村になる」


その言葉は。


すぐに噂になる。


辺境に。


「食料が無限の村がある」


「水が綺麗な村がある」


「魔物も近づかない」


人が集まり始める。


そして。


数年後。


この場所は。


王国最大の都市になる。


ただし。


まだ誰も知らない。


王国の役人が。


この村を見て。


こう呟くことを。


「……なんだこの村」


「文明レベルがおかしい」

第3話を読んでいただきありがとうございます。


今回はついに


農業革命


が始まりました。


この世界では

•飢饉

•食料不足

•魔物による村の壊滅


が珍しくありません。


しかしアルクの錬金術があれば、

•土壌改良

•作物の高速成長

•食料の安定供給


が可能になります。


つまりこの村は、


「飢えない村」


になります。


ここから物語は少しずつスケールが大きくなり、

•人がどんどん集まる

•村が街に発展する

•商人が来る

•王国がこの場所に注目する


といった展開になっていきます。


もし少しでも面白いと思っていただけたら、


ブックマークや評価、感想などいただけるととても励みになります!


それではまた次回。

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