表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/62

061.「」


「さぁ参れッ! 参れ参れ参れ参れ、して参れえええッ! 我が最大の好敵手、銀剣ジルクリフ・ガレイアよ!!! 貴様の全力とはそんなものかあああッ!!?」


 などとジルクリフをしながら。


「誰一人として予期しまい! まさかこの"戦鎚のグランダム"が冒険者を装い、密かにガレイアの奥底に忍び入っていたなどとはな!」


 グランダムが張り上げたのは、それこそとどろく雷鳴にも引けを取らないほどの大声量だ。



(うっるさぁ……っ!? よくあんな大っきい声が出せるわね……)


「銀剣、ジルクリフ・ガレイアよ! とくと聞け、冥途の土産代わりに明かしておいてやろう!」



 ドン引きし、呆れるアルメリアをよそに、その豪快な種明かしは始められていく。



「ムシウルの策には、二つの大いなる目論見があったのだ!!!」


(二つの、大いなる目的……?)



 胡散うさん臭さ満点に、とりあえずアルメリアも聞いていたが。



「まず一つは貴様の兄、ライナルト・ガレイアを確実にほうむり去ることよ! ムシウルをおとりとして奴をおびき出し、満を持して正体を明かした我と挟撃きょうげきしてやったのだぁああッ!」


(あー、そういえばそんなことスーランが言ってたな……)



 ギルダからレクチャーを受けたことで興味を持ったか。

 すっかりスクープ大好きな情報通オタクっぽくなってしまったスーラン・ハルジオン。



『アル、聞いて! ビッグニュース、すっごいビッグニュースだよ! こないだのライナルトさんの件あったでしょ!?  一緒にいたっていう人から聞いたんだけど、あれって味方の中に冒険者のフリをしてる魔王軍の人が隠れてたからなんだって! 名前は忘れちゃったけど、ハンマーみたいな相手の人! 』


『ハンマーってことは……グランダム?』


『そう、それ!! それでライナルトさんは仲間の人を助けようとして』



 ムシウルご本人から直接、猛毒をインジェクションされてしまったと。


 そのときは「へぇー」って感じだったけど、いまも「へぇー」って感じだった。



「もう知ってるし……」



 今さら感があって興味を失う。



「ライナルト・ガレイアは死んだ! 我らの――いや、我が友が遺した策、その結実がもたらした勝利よ!!!」


「……生きてるんだけどね」



 見たらジルクリフも心なしか反応に困ったような顔をしていた。




 すでにすっかり討ち果たした気でいるみたいだが、情報の更新が間に合っていないらしい。場に流れるビミョーな空気に気付かないまま、グランダムの種明かしは続けられる。



「そして、二つ目は――こちらこそが秘された真なるたくらみよ!」


(なーにが真なる企みよ。どうせ大したことないんでしょーに……)



 大言壮語たいげんそうごな予感しかしなくて、耳半分に聞いていたら。



「貴様らの命綱たるポーションを粉砕し、その一滴余さずを我が兵糧ひょうろうに……ッ! 力と進化の源泉とするためだったのだああああッ!!!」


「…………はいっ??」



 思わず声が出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ