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050.「」


 まぁ究極、それはいいのだ。


 親玉であるムシウルを失ったせいか、虫たちは統制を失い、以前ほど手強てごわくはなくなったという。


 それこそアルメリアのポーションが後押しとなって、冒険者たちの士気も高かった。棍滅こんめつは時間の問題だろう。


(なんだかんだ言って、レドも頑張ってくれてるみたいだし……。あと少し。ここが正念場だと思って……!)


 気合を入れ直し、ギルダやスーランにも改めて協力をお願いした。


「分かりましたわ。アルメリアさんがそう仰るのでしたら」


「そうだね、敵の幹部もあと一人だけなんだし! あともうひと踏ん張りだ、頑張ろう!」


「ギルダ、スーラン……! ごめんね、本当にありがとう!」


 一番忙しかったときから、ずっと手伝ってくれている2人には感謝しかない。


 チーム、アルメリア店として一丸に。

 3人でエイエイオーしたものだが。



 あくる日のこと。

 アルメリアは一人、森の奥に向かって歩いていた。


 付近からなにか妙な気配がすると植物たちからタレコミがあり、様子を見に行ったのだ。やがて地下へ通じる岩窟の入り口を見つける。


(森にこんな鍾乳洞みたいなところがあったんだ……。あったっけ?)


 不審に思いつつ。

 ピチョンピチョンと水音の反響するその奥へ、奥へと踏み込んだのだが。


(何コレ……?)


 そこで、変なものを見つける。

 見つけてしまう。


 とても迷惑なものだ。

 できれば関わり合いにもなりたくない、どう考えても厄介ごとのタネ。


「……どうしよ」


 対処に迷った末、きびすを返す。


(とりあえずこの場はそっとしておいて、レドに相談してみる……とかが良さそうよね?)


 もちろんレドックス当人の意見を仰ぎたいのではなく、そこからライナルトに取り次いでもらうことが目的。


 さらに言えば。


(次男の人じゃテンで話にならなそうだし……)


 消去法でそうするしかないからなのだが。



「――止まれ」



 スタスタと急ぎめだった足取りがピタと止まったのは、行手の岩陰から予期せぬ人物が現れたからだ。


「ちょっと、あなた……」


「貴様、何のつもりだ……? これは一体どういうことだ」


 シャリンと澄んだ音を奏で、銀剣が抜き放たれる。


 氷のように冷たい眼差しとともに。

 その切先は迷いなく、揺るがぬ標的――アルメリアの喉元へと定められ。


「分かるように説明しろ……!」


 銀剣、ジルクリフ・ガレイアがそこに佇んでいた。

 どうやら後を付けられていたらしいが。


(こんなときに……!)



 心から思う。



(……再放送やめて)

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