001.「プロローグ」
街の近くにある森のどこかに、マンドラゴラが生えているらしい。
「えっ?」
思わず聞き返してしまったのは、話のカーブがあまりに急すぎたせいになる。
「女3人寄れば姦しい」なんて言うけれど。
3人寄らずとも、1人で十分過ぎるくらい賑やかな人はいるものだ。
そういうのが2人揃っていることもある。
ともすれば話題は放っておいても勝手に生まれて、勝手に盛り上がって、オチていくのだ。だから申し訳ないけれど正直、耳が50%オフくらいになっているタイミングもしばしばあって。
それなりに集中力を要するポーションの調合中ともなれば尚のこと。
大部分がBGMと化して、耳を素通りしていた。
そんな矢先のこと。
「そう! そういえば、聞きまして!?」
「うーん?」
ポーションの製薬に集中していたところ、同僚の口から冒頭の話題が飛び出したのは。直前までそれとまったく関係のない、他愛のないグチとか世間話だっただけに、不意打ちだ。
いきなり変化球が超ドストライク。
急に来たぶっ込みクリティカルはさすがにスルーできなくて。
赤毛の少女、アルメリア・リーフレットはとっさに聞き返していた。
「あ、アル! それ……!」
「へっ……? わわっ!?」
傾けたまま、思わず作業を止めてしまった手元のフラスコ。
それがポムんと音を立てて、灰色の煙がモクモクと立ち昇る。
もし良さげでしたら、
アクション・ブックマーク・評価などで応援してもらえると励みになります。
(とくにアクションをいただけると、とても嬉しいです!)




