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第十一話:シャワーと洗濯物

1階でのんびり過ごしたあと、ユウトは時計を見て立ち上がった。


(そろそろかな……)


気を取り直して部屋に戻ると、ちょうどリュシアがお風呂から上がったところだった。髪はまだ少し湿っており、寝巻き姿のリュシアは普段の調停管理官の制服姿とはまるで違う。シンプルな薄い色のローブが、彼女の清楚さを際立たせていた。


(……素朴だけど、なんか……可愛いな)


思わず目をそらしたユウトだったが、リュシアは特に気にした様子もなく、手に木製のバスケットを抱えていた。


「ユウトさん、宿の炊事場を使わせてもらえるので、洗濯物を片付けようかと思って。ユウトさんの分も一緒に洗ってきますよ」


「えっ、いや、そんな悪いよ。自分でやるから」


「気にしないでください。まとめてやった方が効率的ですから」


リュシアがそう言いながら、隅に置かれた木のバスケットを示した。その中には彼女の服や下着が入っているのがちらりと見えた。


(!? この世界もパンツ履くんだな……いや、そりゃそうか)


ユウトは内心で動揺しながらも、冷静を装おうと努めた。


(リュシアって天然なのか? それとも貴族ってみんなこんな感じなのか……?)


頭の中で考えがぐるぐると巡る中、リュシアは不思議そうにこちらを見つめている。


「ユウトさん?」


「あっ、わ、わかった! 任せるよ!」


慌てて返事をしたユウトは、急いでシャワー室に向かい、先に着替えた。そして、脱いだ服をバスケットに入れようとしたとき――ふと気づく。


(あれ、待てよ……これって俺のパンツも見られるってことだよな?)


ユウトは一瞬考え込み、パンツだけそっと自分の荷物に隠した。


(パンツぐらい自分で洗おう……!)


部屋に戻り、バスケットをリュシアに渡すと、彼女が首をかしげながら言った。


「あれ、ユウトさん。パンツが入っていませんね?」


「えっ、あ、そ、それは……!」


ユウトは動揺して言葉に詰まるが、リュシアは特に気にする様子もなく、にこやかに笑った。


「気にしないでください! 魔道具を使えば、1時間ほどで乾きますので、遠慮なく全部お預けください」


「そ、そう……? わ、わかったよ」


観念したユウトは、隠していたパンツをバスケットに放り込む。リュシアはそれを受け取り、軽やかな足取りで部屋を出て行った。


ユウトはベッドに腰掛けながら、深いため息をつく。


(気にしないでって言われても、気になるだろ、普通……)


リュシアのまさかの無頓着さに、異世界の文化の違いを感じつつ、どうにも落ち着かない夜を過ごすのだった。

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