どーでもいいのだ
かわいい文章を書いていた
かわいい文章を書いてきた
かわいい文章が好きだから
ネットでたくさんの人を騙してきた
顔がよさそうだからファンです
そんなことを言われたこともある
言われてにやけて調子に乗って
さらにかわいこぶった文章を書いた
かわいこぶってはいけません
おまえはちっとも
かわいくはないのだから
神様にそう言われ
私は台所へ駆け込んだ
おかーさん!
なんでおかーさんはそんなにそこそこかわいいのに
私はこんなグレムリンみたいなの
おかしいじゃない!
おかしくはないわ
だってそれはね
あなたは前世で
あたしのほんとうの娘ではなかったからよ
なるほどな
ああそうか
確かにそうだ
でもそれじゃあ
私は前世でだれのこどもだったの?
私が聞くと
おかーさんは知っていた
前世ではね
あなたはM-187αSP星にいたの
そこではトップクラスでかわいい娘だったそうよ
なるほどな
ああそうか
そうだったんだ
今の私がかわいくないのは
価値観の違い
ただの価値観の違いだったのだ
M-187αSP星にはきっと
グレムリンみたいな顔のひとがいっぱいいて
その中でも私は一際かわいいグレムリンだったのだろう
価値観の違い
ただの価値観の違いだったのだ
次の日私は学校へ行くと
授業も聞かずにかわいい文章を書いた
イラストはいらない
文章がじゅうぶんかわいいからだ
なんてかわいい私の文章
なんてかわいい私のこども
私自身も同じぐらいかわいい
もう誰にも何も言わせない
かわいこぶるなだなんて
おまえは私が守ってやる
私は私が守ってやるからな
おいきもちわるいからやめろ
後ろの席から神様が言って来たが
あなたにはわからない
M-187αSP星の価値観はわからない
神様ごときにはわからない
出来ればわからせてやりたいが
わかる気持ちのないやつには歯が立たない
だから結局
どーでもいいのだ