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004 慢心

 

「GAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※AAAA※※!!」


 羽を大きく広げる怪鳥を前に、リョウは急いで距離をとった。


「モニカさん、コイツ、行けるか?」

「無論、よ。リョウ。サポートしなさい!!」


 剣を抜いて、構えるモニカ。

 剣は金属の光沢とは異なる、白銀の光を放っていた。


「ユキムラ、できるだけ遠くに行け!」

「え、ええ……」


 気のない返事をして、ユキムラは小屋の外に出て茂みに隠れていった。


「ふっ」


 モニカが短く息を吐いて、右に飛んだ。

 怪鳥はもともとモニカがいたところめがけて自身の羽を飛ばした。羽の一つ一つにマナがこもっている。羽はユキムラの家屋を簡単に吹き飛ばした。


「ああ!! せっかく作ったのに!!」


 などと言う、緊張感のないユキムラの叫び声が茂みの中から聞こえる。


「コイツ……マジかよ……」

「リョウ、どうしたの?!」


「解析」の能力を展開しながら、怪鳥の様子をうかがっていたリョウが驚きの声を上げる。


「コイツ、レベル125……?」

「なんだって?!」


 このレベルは、迷宮のボス並み。平場にいていいレベルではない。


「モニカさん! 気を付けて!!」

「……問題ないわ」


 体勢を立て直し、もう一度剣を構える。

 徐々に剣の光は強くなっている。


「KII※※A※X※※GA※XX※※※!!」

「悪いわね。今、私、虫の居所が悪いの。だから……」


 モニカは、剣を大きく上にかざした、剣の光はどんどん強くなる。

 モニカの体内のマナが、剣に集まり、まばゆい光が刀身を隠した。


「一気に終わらせる!!」


 大上段から、思い切り振り下ろされた剣は、本来の射程を大きく超え、閃光を散らしながら怪鳥の身体を真っ二つに斬り裂いた。


「Ga※※※※……!!」


 断末魔も聞こえないほど、一瞬で怪鳥の身体は蒸発してしまった。


「うわ……最初から大技すぎでしょ……」


 袖で見ていたリョウはそうつぶやく。


「うるさい。面倒だったのよ」


 そう言ってモニカは剣を腰に戻した。


 リョウは「解析」能力越しにモニカを見る。モニカはかなりマナを消費したらしい。

 が、それ以外は大して問題ないみたいだ。


「そうやって突っ走るから、オレみたいな御付きをつけられちゃうんですよ……」

「……そうね。今後は少し気を付ける」


「……面倒なことになりましたね……」


 茂みから出てきたユキムラがそうつぶやいた。


「あぁ……小屋、粉々になっちまったもんな。ごめんなユキムラ」

「ふん。命が助かっただけありがたく思いなさい」

「いえ、そうでなくて……さっきの鳥は、『子供』なんですよ」


「……何だって?」


 ユキムラの言葉に、リョウの背筋が凍った。


「だから……ほら、来ちゃった……『親鳥』です!!」


 ユキムラが指さす先にやってきたのは……






「GAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※AAAA※GAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※AAAA※GAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※AAAA※※GAA※※A※XXXX※※※※GXXXX※※※AAA※※AAAA※※GAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※GAA※※GAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※AAGAA※※A※XXXX※※※※XXXX※※※AAA※※AAAA※※!!!!」



 先ほどのものとはけた違いの大きさ、重さ、迫力の怪鳥が現れた。


「……リョウ。こいつのレベルは?」

「……268だ」


 王都周りではまずお目にかかれない。リョウ自身も見たことがない。上級ダンジョンのボス並み。


「モニカさん、これ……無茶だ。今のオレらじゃかなわない。本来パーティーを組んで挑むもんだ。単体で撃破なんて」

「下がりなさい……くるわよ」


 怪鳥は、ほんの少しだけ強めの息を吐いた。多分、ヤツにとっては戦の前の深呼吸程度に過ぎなかったのかもしれない。



「ぐおぉおおおおお!!!」



 だが、たったそれだけで、リョウとユキムラは吹き飛び、毒々しい色をした茂みに吹き飛び、気を失った……。

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