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俺が、そういい終わると、慶は、俺をじっと見ていた。
そして、口を開いた。
「そうなの・・・・もう怨んでないのね・・・・ご両親は、話してくれた?狭間に放り込んだ理由は」
俺は、うなずく。
「まぁ、話してくれたね。俺は、この魔力をコントロールしないとだめだったからって、もし、魔力が、コントロールできない状態なら、俺は、何かの弾みで町をひとつ簡単に破壊してしまうからって、それに、魔獣を一緒に入れたのは、恐怖で魔力をコントロールできなくなるときが、あるからって、そう教えてもらった」
そう、魔力とは、普段は、体の中に漂っているが、喜怒哀楽によって、さまざまに変化する。
恐怖などによって魔力を暴走させる人も居たという。
「そうなの、それでね。なら怨めないわね、ご両親は、凌の事を思って、やったのなら怨めないわね」
慶は、そういって、笑った。
『39試合が終わりました、40試合が終わりました、41試合が終わりました。
ただいまより、第42、43、44試合をはじめます。42試合は、右奥、43試合は、入り口の左側、44試合は、左奥、それでは、試合のある人は、指定ステージまで向かってください』
「あ!試合終わったみたいよ、しかも3ついっぺんにって、すごいタイミングね」
また、慶は、笑った。
「そうだな、それじゃ、行きますか!」
慶は、俺の言葉にうなずく。
そして、俺たちは、椅子から腰を上げて、左奥ステージを目指した。
着くと、まだ先生しかいなかった。
「どうも、こんにちは。江崎先生」
慶が、ステージの横にいる先生に挨拶をした。
「どうも」
俺も、挨拶をする。
「あら!黒木さんじゃない、こんにちは。あなたのペアだったのね、40秒で1試合終わらせたって言うペアは。なるほどね、確かにあなたたち2人なら、簡単でしょうね、それに本気じゃ、一秒もかからないでしょうね」
江崎先生という人は、どうやら俺のことを知っているみたいだった。
「え!?俺のこと知ってるんですか?」
江崎先生は、うなずく。
「ええ、知っているわよ。といっても、私と校長ぐらいしか教師で知っているものは、いないけれどね」
俺の、情報は校長が、隠蔽しているので、江崎先生が知っているのは、おかしいと思いなぜ知っているか聞いてみた。
「それは、私が、あなたの担任だからよ。江崎 柚子よ。よろしくね」
江崎先生は、笑顔で自己紹介をしてきたので、俺も自己紹介した。
「え!えっと、瀬戸 凌です、よろしくお願いします」
「よろしくね!」
江崎先生は、そういって、慶と話し始めた。
そして、2分くらいたったころに、2人生徒が走ってきた。
「はぁ、はぁ、はぁ、遅れてすいませ〜ん」「すいません」
2人は、どうやら対戦相手みたいだ。
江崎先生は、2人に確認を取った。
「君たちは、小野 和哉くんと、山田 美沙さんね」
「はい」「そうです」
二人が返事をしたのを確認して、江崎先生が、4人を見て口を開いた。
「それでは、44試合目をはじめます、両者、そのままでいてください」
江崎先生は、そういうと、呪文を唱えだした。
「空間を管理するものよ、かのものたちを誘いたまえ! 複数転移」
すると、俺たちの体が光しばらくすると視界が変わった。
『それでは、44試合目の試合を開始します。ルールは、前回の試合と同じです。それでは、はじめてください』
ビー!!
開始のブザーが鳴ると、俺は、すぐに魔法を使った。
「はっ!」
[冷氷柱]を放った。空中には、10個ほどの、氷柱があった。
これは、空気中の水分を魔力で凍らせて放つという水魔法の応用魔法だ。
俺は、[冷氷柱]で作った、氷柱を相手2人に向かって放った。
それが、合図になった。
俺が放った、氷柱を相手の2人はかわし、こちらに突っ込んできた。
隣の慶は、呪文を唱えて、相手に向かって、魔法を放った。
「強き風よ!かのものを切り裂け! 強風切」
[強風切]とは、簡単に言えば、かまいたちだ。
相手の2人は、慶の放った[強風切]を魔法を使って、防いだ。
「強固なる土よ!われらを守りたまえ! 強岩壁」
[強岩壁]とは、岩の壁だ。
俺は、相手が壁を作った時に、相手の所まで、一気に距離を詰めて、壁がなくなるのを待った。
そして、なくなると同時に、相手に突っ込み、[微電気]を放った。
しかし、そこにいたのは、なんと、土でできた2人だった。
俺は、そのときに隙ができた。
相手の1人は、その隙を見逃さないで、俺の、側面から、剣を縦に一線の攻撃を放ってきた。